SAO 〜しかしあいつは男だ〜   作:置物

12 / 33
推敲は後からする物(

誤字脱字分かりづらい場所がありましたら報告していただけたらありがたいですorz


episode9 アルゴ「オレっちは情報屋ダゾ?」

グリームアイズを討伐した翌日、転送門がアクティベートされた75層主街地、コリニアは最前線の街を見るためにやって来た各層のプレイヤー達で道路は埋まり、店の中には行列が出来、宿屋は空きが無くなるほど賑わっていた。

俺とキリトはアルゴに呼ばれ、道行くプレイヤーを押し退けコリニア中央にある闘技場に来たのだが、辺りを見渡しても肝心のアルゴの姿が見えない。

 

 

「アルゴはどこだー!」

「ここにいるゾー!」

 

 

観客席を見ると、アルゴとディアベルが並んでこちらに歩いてきていた。

 

 

「俺達に何の用事があるんだ?」

「ン〜、今回は用事もあるけど報告の方が先かナ?」

「報告?なんだ?ディアベルと結婚でもするのか?」

「キー坊、コノノンと結婚したいと思わないカ?」

「すみませんアルゴ様無駄口を叩いた私が悪うございましたどうぞ報告をお願いします」

 

 

偶にはいつも仕返しをしようと冗談を言ったら手痛いどころか痛恨の一撃を返されアルゴに一瞬で屈した男がいた。というか俺だ。

 

 

「今まできっかけがなくする機会がなかったアレを、75層解放記念にしようとベル坊から話を持ちかけられたんダ」

「あれってなんだ?」

剣技大会(ソードアート・トーナメント)だよ」

「それ本当か!?」

 

 

アルゴの代わりにディアベルが言うとキリトが話に食いつく。前々からやらないかなぁって言ってたもんな。

 

 

「けど前ルールと景品の見直しで当分先だって言ってなかったか?」

「そこは提案したオレが解決したから安心してくれ」

「そうなのか。ディアベルが準備するなら前回よりはマシになるか」

「酷いナァコノノン。前回も好評だったロ?」

「俺にとっては不評だったがな。で、報告は聞いた。後は用事だが、どうせめんどくさい事なんだろ?」

「やっぱコノノンは勘がいいナァ。面倒かは何とも言えないが今回は二つのクエストを一緒にして欲しいんダ」

「内容は?」

「一つ目は闘技場解放クエスト、もう一つはクリア報酬が分からない討伐クエストだナ」

「ディアベルがいるのは闘技場解放のクエストを一緒にする為か?」

「本当ならギルドメンバーとクリアしようと思ってたけど、昨夜剣技大会の件で興奮して寝るのが遅かったせいで起きたのがみんながいなくなった後だったんだ」

「子供か!」

「分かるよその気持ち。俺も剣技大会あると知ったら寝られない自信がある」

「遠足が楽しみな小学生か!」

「それでどうしようか悩んでた時にアルゴが偶々通りかかったから頼んだんだ」

「コノノン達を呼んだのは闘技場解放クエストがパーティを組んだ4人で闘技場の支配人に話しかけて始まるからナ。それじゃベル坊、パーティ申請頼んダ」

 

 

ディアベルのパーティに加入し、俺達は闘技場の実況室のような場所で支配人からクエスト「剣華乱るる闘技場」を受けた。

内容は「夜な夜な闘技場に現れて暴れる二匹のモンスターを倒して欲しい」と言ったもの。

メニューの端のデジタル時計は午前11時、夜と呼ぶにはまだまだ早い時間だ。

 

 

「どうする?適当に暇潰ししながら待つか?それともキャンセルしてもう一つのクエストするか?」

「ベル坊には悪いけど、一回クエストキャンセルしてオレっちの依頼をして貰おうかナ」

「構わないさ。じゃあ午後5時に闘技場入り口で集合としよう」

「一緒にクエストしないのか?」

「ベル坊には先に話したんだが、実はこれから受けるクエストは2人組じゃないと受けれないクエストなんだヨ」

「じゃあ尚更ディアベルがいた方がよくないか?」

「オレっちは徹頭徹尾サポートしか出来ないってのは前も言ったロ?討伐クエストだとオレっちは戦力外だからナ」

「なるほど」

 

 

パーティ解散の通知後、ディアベルは「それじゃあオレはコリニアを探検でもしてくるよ」と闘技場から去り、俺とキリトはアルゴの案内で街外れの森の中にあったボロい洋館にやってきた。

窓ガラスは中が見えないほど擦れ、壁には蔦が這い、格子門がギィギィ音を立てている様は正しくボロいを冠するにふさわしかった。

俺達は格子門をくぐり、洋館の扉を開け中に入った。

外観がボロかったため中も蜘蛛の巣が張っていたりするんだろうなぁと予想していたのだが、ホールと思われる広い部屋には蜘蛛の巣どころか埃すら一つもなく、大理石のような床には金色の刺繍で装飾された赤の絨毯が奥にある二階へ続く大階段まで敷かれ、壁には絵画や高そうな皿などの装飾品、剣や槍といった武器が飾られ、天井には3メートルはありそうなシャンデリアがぶら下がっているといった超豪華な仕様だった。正直度肝を抜かれた。

ホールの真ん中に立っている執事の格好をした白髪の男にアルゴが指をさして「あいつからクエスト受けてくレ」と言う。

 

 

「え?何か事前情報とかないの?」

「オレっちは情報屋ダゾ?」

「てことは何かあるのか?」

「今から仕入れるに決まってるじゃないカ」

「俺達思いっきり使いっ走りじゃねぇか!?」

「報酬は弾ませてもらうからサァ。頼むヨコノノン、キー坊」

「まぁコノハ、いつもアルゴには世話になってるし偶には、な?」

「ぐ…わかったわかった受けますよ受ければいいんだろ」

「コノハ、妻には敵わズ…」

「誰が誰の妻だ!」

 

 

クエスト「怨霊の呻き」を受けた俺とキリトは「付いてきてください」と何も説明を受けずに執事の案内で、大階段の裏にある地下に続く階段を下り、木でできた黒色の扉の部屋に入った。

中は酷くこざっぱりした物置で、目立つ物は壁際に置かれた全身鏡くらいか。上の階の豪奢な雰囲気とは真逆で、とても寂しい雰囲気の場所だった。

執事は「ではよろしくお願いします」とお辞儀して部屋を出ていき、俺とキリトは何かあるんだろと俺は地べたに座り、キリトは壁に寄りかかって待ち続けたが何も起きなかった。

 

 

「…結局俺達は何をすればいいんだ?」

「クエスト詳細を見れば何かわかるかもしれないし見てみよう」

「そうだな」

 

 

クエスト詳細を見る為に指を動かしているとキリトが隣に座り、顔を寄せて俺のメインメニューを見る。

 

 

「なんで俺のメインメニューを見てるんだ?」

「クエスト詳細を見る為だろ?」

「自分のを見ろよ!?」

 

 

何を言ってるんだと言いたいような顔をした後、

 

 

「…そういえばパーティメンバーもクエスト詳細見れるんだったな」

 

 

と言って俺のメインメニューから目を離し自分のを操作し始めた。あれ?もしかしてわざとじゃなくて天然で言ってた?

 

 

 

 

 

 

 

 

クエスト「怨霊の呻き」の詳細によると、この部屋から呻き声が聞こえた主人がこの部屋に入ると黒い何かに襲われて怪我した。以降部屋に入らなければいいだけなのだが時折呻き声が聞こえるのは不気味なので呻き声を上げる何かを倒して欲しいとのことだが、この部屋に入ってから15分くらい経つが呻き声は聞こえないし何も起きていない。鏡以外に見当たる物はないし、何か発生条件でもあるのか?と寝転がりながら考えているとキリトが突然立ち上がった。

 

 

「まさか…」

 

 

キリトが全身鏡の前に立つとそこにキリトが写った。写っているのだが、鏡の中のキリトは少し髪が長く、女性のような雰囲気を出していた。というか女性だった。

そのまま鏡に手を伸ばすと鏡の中のキリトも手を伸ばし、触れ合った場所が水のように鏡の表面が揺れる。なるほど、この鏡が鍵だったのか。

 

 

「コノハも触ってみろよ。不思議な感覚だぜ」

 

 

キリトが横にずれ、ほらほらと勧める。

 

 

「お前どうせ鏡に写った俺を見たいだけだろ」

「ソンナワケナイダロ」

「後ろに持ってる記録結晶寄越せ。ほら、さっさと行くぞ」

「ちょっと!ちょっとだけでいいから!」

 

 

俺はキリトを無視して鏡の中に入る。

鏡の中は黒で塗りつぶされた空間が広がっていた。どこが地面でどこが天井なのかも分からない、真っ黒な世界。この状態で動くのも怖いので物は試しでメインメニューを開き松明を出して火を灯すも、黒い空間は黒いままだった。

 

 

「これ暗いんじゃなくてただ黒いだけみたいだな」

「そうみたいだ…な…」

 

 

後ろを振り返ると、そこには右手にエリュシデータ、左手に松明を掲げて立つ、先程鏡に映っていたキリトがいた。キリトが鏡に映っていた状態でここにいるということはつまり…。

 

 

「コノハが女になると怖可愛い近所のヤンキー姉ちゃんみたいになるんだな」

「(そう言われたら自分の姿見たくなってきた)」

「…ん?なんだあれ?」

 

 

キリトがエリュシデータの剣先で指す方向を目を凝らして見てみると黒い空間に一際黒いゼリーのような物体が2つ、宇宙空間に浮かぶ水のように楕円と円の形を往復していた。それはやがて縦長になり、縦長から人の形になり色がつく。黒いゼリーのような物体は俺とキリトと同じ装備をした女の俺とキリトになった。確かに女の俺は大きな吊り目、黒のミディアムヘアーに髪留めという怖可愛い近所のヤンキー姉ちゃんと称されても納得できる見た目だった。

 

 

「なぁキリト、もしかしなくてもさ」

「あれが相手だな」

 

 

自分とは言え、見た目女の子の奴を斬るのはちょっと躊躇するなぁと思っていると敵の俺とキリトの後ろから黒いゼリーのような物体が幾つも現れ、全てが俺とキリトになる。

 

 

「コノハがいっぱいだ」

「あれ見て第一声がそれか!?どうするんだ!?混戦状態になったら見分けがつかないぞ!?」

「自分だけを相手にすれば特に問題なくないか?」

「あ…」

 

 

その考えはなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

40分後。

 

 

俺とキリトは一向に減らない自分との戦いにもう嫌気がさしていた。

 

 

「なぁキリト…これいつになったら終わるんだ…?」

 

 

1体1体はそこまで強くないのだが、どれだけ倒しても出てくるという精神的疲労と長い時間休むことなく剣を振り続けるという肉体的疲労がもうやばい。

 

 

「もしかしてだけど、これ無限湧きかもしれないな…」

「そうだったらこいつらを倒す事がクリア条件じゃないって事になるぞ…。あー腹立たしい!ちょっと此処から出れるか試すか!」

「出れないだろうなぁ…」

 

 

こういう場所は大体クリアするまで出れないとかあるがもうこいつらの相手以外の方法を試さないとやってられないわ!と俺はキリトと出てきた鏡に肩から突進してみるとすんなり外に出れた。出れるって事はあいつらを倒す方法が外にあるんじゃないかと辺りを見渡すが全身鏡以外になにも見当たらない。

もしかしてこの全身鏡があいつらの正体なのでは?という仮説がふと浮かび、俺はもう一度全身鏡の中に入りキリトを呼ぶ。

 

 

「おいキリト!外に出れるから外に出ろ!この鏡を叩き割る!」

「ほんとか!?わかった!」

 

 

キリトは襲いかかっていた敵の俺の剣を弾き飛ばし、ボディブローで気絶させ、それを担いでこっちに来た。っておい!

 

 

「なんで持ってきてんだ!?」

「鏡の外に出しても消えないかなぁって…」

「いやそういうことじゃなくて俺でなにをするつもりだ!?」

「抱き枕…?」

「置いてけぇぇ!!」

「俺は…風になる…!」

「無駄に速ぇぇ!!」

 

 

キリトの人知を超えた動きに撹乱され、敵の俺が鏡の外に出てしまったが、全身鏡を叩き割ると形が崩れ消え去ったのでよしとする。

 

 

「おら、さっさとクリア報告しに行くぞ」

「…あぁ…」

 

 

意気消沈したキリトを連れて一階に上がり、執事にクリア報告をするとクリア報酬にルビーの指輪とサファイアの指輪を貰ったが、効果を見る前にアルゴにクリアしたことと多分1回きりのクエストであることを言ったら「またカァ!」と切れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「リズ、良い物が手に入った」

『キリトぉ…?昨日徹夜して眠いから切っていい?』

「コノハ女性verの姿が映ってる記録結晶なんだけど」

『ハリーハリー!!』




女コノハは艦◯れの摩耶みたいなイメージです

男コノハの前に一回こっきり(?)の女コノハの方が先に見た目が決まる不思議
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。