しかし本編にはまだ出ません(
前回の後書きに書き忘れたことがありました。
鏡の中の敵はどれだけ倒しても経験値0ですので鏡の中で永遠レベリングは出来ません。
そんなこと出来たらチートや!
「怨霊の呻き」の詳細をアルゴに話し終え、闘技場解放クエストまでまだまだ時間があった俺達は成功報酬の指輪の効果を確かめた。
ルビーの指輪は純愛の指輪、サファイアは誠実の指輪という名前で、純愛の指輪の効果は誠実の指輪の装備したプレイヤーが近くにいる時全てのステータスが上がり、誠実の指輪の効果は純愛の指輪を装備したプレイヤーの元に任意で転移出来るといった、2人が装備して意味を為す物だった。効果を読んだ時にキリトの隣にいるアルゴがすごいニヤニヤしててうざかった。
「折角手に入ったレアアイテムなんダ、装備しろヨ」
「別に今じゃなくて良くね?後で家で装備してどれくらいステ上昇するか確認するし」
「暇なんだから今確認してもいいじゃないか」
「なんでお前は左薬指にはめてて俺の左薬指にはめようとしてくる!?」
「…?指輪って左手の薬指につける物だろ」
「それは結婚指輪!!」
「間違ってないナ」
「大間違いだ!!だから指輪を薬指にはめようとするな!装備するから待て!ったく…指輪って腕装備だよな」
「多分これ、指にはめるだけで装備扱いになるぞ」
「つまり?」
「装備スロットを消費しない装備って事だな」
「「はぁ!?」
俺とアルゴは同時にありえないと言った声をあげた。
俺達プレイヤーが装備品を装備する時は、ただオブジェクト化した装備品を持っても装備した事にはならない。メインメニューにある装備メニュー欄の装備スロットにセットしなければならない。そして装備スロットは1つの部位に1つしか装備出来ないのがこのゲームの基本だ。つまり装備スロットを消費しない装備とは某ゲームで言うインドメタシンなどのステータス上昇アイテム、いや消費しない分それの上位互換だ。限定的とはいえデメリットのないステ上昇と転移結晶になるこれがそうだとは思えない。
疑いの目をキリトに向けて根拠を訪ねる。
「なんでそう言えるんだよ」
「これ、アイテム欄に表示されてても装備メニュー欄にはないんだ。ということは普通の装備アイテムと同じように装備出来ないだろ?それでもしかしたら指にはめたらそれで装備したことになるんじゃないかって仮説。効果を発揮する条件を満たさないとあってるか分からないけど」
キリトが誠実の指輪をはめた手をぐっぱしながら言う。
純愛の指輪を仕舞い、メインメニューから確かめると、キリトの言う通り、アイテム欄には純愛の指輪があるのに装備メニュー欄のどの部位にも純愛の指輪はなかった。
「じゃあはめて試すか。とりあえずキリト、指輪交換しろ」
「まだ結婚式じゃないゾ?」
「そういう意味で言ってねぇよ!?あとまだってなんだまだって!?」
「なんで交換するんだ?」
「お前に誠実の指輪を持たせたくないから」
「俺は誠実じゃないって言うのか!?こんなにもコノハを想っているのに!」
「どうせお前の事だ、俺がちょっとの用事でどっか行っても転移してくるだろ」
「そんなことしない事もなくもなくなくなくなくなくないかな」
「はいアウト」
「あぁ〜…」
キリトの指から誠実の指輪を没収すると、トントンと後ろから肩を叩かれた。
後から来たプレイヤーか?と後ろを見るとアスナが当然のように立っていて、いい笑顔で手を出して、
「その指輪はわたしが預かるわ」
「お前はなくても転移してるじゃねぇか」
「おっと、危ないゾキー坊」
絶対に必要のない奴No1の奴に渡す意味が分かんねぇよ。あとキリトを見ろ。お前に指輪が渡った時の事を想像したのか顔が青くなってふらついたぞ。
「けどよくここに俺達がいる事が分かったな。誰かから聞いたのか?」
「この階層に来たらなんとなくキリト君がこっちにいるような気がしたから」
「キー坊!しっかりしロ!立ったまま気絶とか器用過ぎるゾ!」
「…そうか。で、指輪だが、お前にはあげれないな」
「その理由は?」
「3つあるな。1つ目、血盟騎士団の仕事から逃げ出しつつキリトの所に行けるアイテムを渡したら確実に団長の胃が死ぬから。2つ目、メリットしかないオンリーアイテムを渡すのは惜しいから。3つ目は…」
「3つ目は?」
「不本意だが、キリトが可哀想だからだ」
「「コノハがデレた(ダト)!?」」
「キリトとアルゴうるせぇぞ!」
「これはアルゴ新聞に載る程のニュースダナ…。オレっちは先に帰らせてもらうゾ!」
「おい待て!何しに帰るか知らないがディアベルの件はどうするんだよ!?あれ4人じゃないと受けれないんだろ!?」
「アーちゃんに任せタ!」
「確かに戦力的には問題ないな」
「特に何をするのか分からないけど任されたわ!キリト君、一緒に頑張りましょうね!」
「待ってくれアルゴ!流石にアスナは置いていかないでくれ!」
キリトの泣き言に聞く耳を持たず、アルゴは砂煙をあげて森の奥へ消え、キリトは膝から崩れ落ちた。
俺はアスナに近づきキリトに聞こえないように小声で話しかける。
「なぁアスナ、お前キリトが好きなんだよな?」
「今更何を言ってるのよ。疑問の余地もなく好きよ」
「じゃあ偶にはキリトに付きまとうのやめろよ」
「わたしに死ねって言ってるの?それともキリト君を独占したいってこと?」
「どっちも違うから剣を抜くな!アスナ、押して駄目なら引いてみろって言葉知ってるか?」
「…!なるほどね」
アスナは膝をついているキリトの肩を叩き、キリトが顔を向けた所で何を考えてか、
「べ、別にアンタの事なんて好きでも何でもないんだから、勘違いしないでよね!」
馬鹿みたいにテンプレツンデレの台詞を吐いた。
俺は「タンマ」と言ってアスナをキリトから少し離れた場所に連れて行き頭をハリセンで叩く。
「痛っ!言う通りに引いてみたじゃない!」
「扉を引けって言ってるのにドアノブだけを引きちぎるくらいちげぇよ!?いきなりのツンデレにキリトが「?」って頭の上に疑問符浮かべてるじゃねぇか!」
「むぅ…」
「お前ちゃんと押して駄目なら引いてみろって意味理解してるか?」
「いつもはすごく構ってるのに急によそよそしくすることで『どうしたんだろ?なんでいつもみたいに構ってこないんだろう?あれ、俺あいつの事なんて好きでもなんでもないのに今すごく気になってる。もしかして俺はあいつのことが好きなのか?』って思わせることでしょ?」
「なんで分かっててあの行動に辿り着いた!?」
「実際にしてみると難しいのよ」
「いつものような過剰なスキンシップを控えるだけでいいんだよ」
「キリト君が近くにいるのにそれは拷問よ!」
「今キリトに付きまとって恋人になれないのと恋人になってからイチャイチャするの、どっちがいい?」
「頑張るわ」
努力の方向性が違わないように祈りながら俺は「おいキリト、指輪の実験するからステータス画面見てろよ」と言ってキリトに純愛の指輪を渡し、誠実の指輪をはめる。
「ステータス上がったか?」
「全部1割上昇したな」
ということはキリトの仮説通り、この指輪は装備スロットを消費しない装備なのか。しかも純愛の指輪の上昇値が特定数値じゃなく1割上昇。中々にバランスブレイカーな装備だな。
「じゃあ次は俺の番だな…」
「どうしたんだコノハ?」
「これどうやって転移するんだ?」
「いつも転移する時みたいに言えばいいんじゃないか?」
「まぁ試すか。転移、キリト!」
いつもの転移するノリで転移先であるキリトの名前を指輪をはめてる手を上げて言ってみたが、指輪はうんともすんとも言わない。なんか無駄にカッコつけてしまって恥ずかしかった。
「これ本当に転移出来んのか?」
「距離の問題じゃないかしら?」
「そうかもしれないな」
どのくらいの距離なら転移出来るか試す為に二人にはコリニアに戻ってもらった。
20分後、キリトからコリニアに着いたとメッセージが来たのを確認し、「転移、キリト!」と叫ぶと転移結晶を使用した時のような光が足元から全身を包み込み、光が消えた頃には大勢のプレイヤーが出入りするコリニアの門の前、キリトから約1メートルほどのところに転移した。
「ちゃんと転移出来たな」
「同じ層での転移、コリニアからあの洋館までの距離約2キロは転移出来るってのは分かったな。後は結晶無効化空間で使えるか、どのくらいから転移が出来るかだな」
「それはまた今度にして、わたしコリニアの街を観光したいわ」
「時間までまだあるし、そうするか」
その頃アルゴは、
「『正妻戦争決着!?訪れるデレ期!!』…なんか違うナァ」
明日のアルゴ新聞の目玉記事のタイトルを考えていた。
原作少し読み返したらアルゴってオイラって一人称使ってた時期もあったけど多分オレっちでいいよね(