今回はなんとあのキャラの休日も!?
相当前から思っていましたが文才と画才欲しぃ…
【クラインの休日】
第3層にある村の公園で、クラインは休日に必ずする幼女ウォッチングをしていた。
なぜ第3層かと問われれば、最も幼女が多い場所がここだという情報をアルゴから買ったからだ。この時のアルゴの「こいつは救いようねぇナ」と言いたげな視線はクラインに新たな属性を与えかけた程恐ろしかったとクラインは語る。
幼女の比率が高い事を確認したクラインはすぐさま住んでいた55層の家を売却、3層に住居を移し、こうして結構な頻度で幼女ウォッチングをしている。
「(幼女はやっぱ最高だな。穢れを知らない無垢な笑顔は見てるだけで癒される。世界中の争い事はぜってぇ幼女で全て終わるな)」
あの金髪の子と赤髪の子とお近づきになりたいなぁと公園で遊んでいる子供達を眺めていると「ど、どいてください!」と女性の嫌がる声が後ろから聞こえたクラインはなんだなんだ?と体を捻って後ろを見てみると、そこには水色の髪の女が武装した男三人に囲まれていた。
「いいじゃねぇか、お茶くらい付き合ってくれてもよぉ」
どうやらタチの悪いナンパのようだ。囲まれている女の人にはわりぃが折角の休日に厄介事に首突っ込みたくねぇしここは圏内だから死ぬことはないだろとスルーして幼女ウォッチングを再開しようと体を元に戻す直前、
「あーにゃおねえちゃんからはなれろー!」
と幼女の声が聞こえたので瞬時に体を声の発生源に向けると、そこには金色の長髪に赤眼、口から八重歯を覗かせる幼女が女を囲む男の一人の背中にポコポコという擬音が聞こえるようなパンチをしていた。余りの可愛さにクラインの鼻から赤い何かが垂れた。
あんな天使にポコポコされるなんて羨ましいとクラインは妬んでいたが叩かれていた男は子供が好きではなかったのか「うるせぇぞ餓鬼!」と苛立ちを込めて幼女の顔に平手打ちした。
それを見てクラインの頭からバキンッ!と何かが切れる音ではなく金属製の何かが折れる音が鳴り、クラインはすっとベンチから立ち上がり男達の元へ歩く。
「リコ!」
「そんな餓鬼放って置いて行こうぜ?」
「そこのあんちゃん」
「んだぁ?ぶべっ!?」
クラインは幼女を殴った男の肩をポンポンと叩き振り向いた所に本気の拳をお見舞いした。殴られた男は錐揉み回転しながら公園の砂浜に頭を突っ込み一種の近代芸術と化した。周りで遊んでいた子供達がその芸術に興味を示してツンツンし始める。
「兄者!?てめぇいきなり兄者になにするんだ!ってお前は!?」
「てめぇらはやっちゃならねぇことをやっちまった。人類の宝である幼女に手を上げるたぁ男の、いや生物の風上にも置けねぇ」
「それは言い過ぎじゃねぇか!?」
「それに手出したのは兄者だけだ!」
「なぁ、こういう言葉知らねぇか?」
クラインは右手をバキバキ鳴らし、無表情で男達に死刑宣告をする。
「連帯責任っつうんだけど」
「「それは酷い!!」」
数秒後、砂場の芸術が3つに増え、子供達がうわぁぁ!と喜ぶ。
「あ、あの、助けて頂きありがとうございます」
「礼はいらねぇよ。ただのオレの憂さ晴らしだ。それよりも」
少女、アーニャの後ろに隠れている幼女に背丈に合わせてしゃがむ。
「大丈夫だったか?」
「だいじょうぶ!おにいちゃん、あーにゃをたすけてくれてありがとう!」
「礼には及ばねぇよ。オレの名前はクライン、嬢ちゃんの名前は?」
「わたしのなまえはりこりす!みんなりこってよぶからりこってよんで!」
「リコちゃんか。オレの記憶が間違ってなけりゃリコリスってのはなんかの花の学名だっけか?」
「がくめい?」
「なんでもねぇ。アーニャさんだっけ?始まりの街以外はあんま治安良くねぇし移住したほうがいいぜ」
「あ、はい」
「じゃあなリコちゃん」
「またね、くらいんおにいちゃん!」
アーニャとリコリスが去っていくクラインを見送った後、アーニャはクラインと言う名前が引っかかった。大分前にアルゴから聞いた話の中にそんな名前があった気がした。
なんだっけ?と額に指を置きうーんと唸るが思い出せないという事は大したことではないのだろうと「帰ろっか」とリコリスと共に家に向かって歩き出す。
家に帰った後、アーニャは幼女の為に命を賭け幼女の為にフロアボスを倒した事があると噂される
【サチの休日】
とある昼下がり。第61層の主街区のカフェテラスで一人のおかっぱの少女が湯気の立つ紅茶が入ったティーカップの置かれたガラステーブルにほっぺをくっ付け退屈そうな表情を浮かべていた。
彼女の名前はサチ。攻略組の一つ「月夜の黒猫団」の槍使いにしてギルドの紅一点の少女だ。
普段はギルドメンバーとレベリングやクエスト攻略、街の観光をしているのだが、サチ以外のギルドメンバー全員がそれぞれ用事が出来てしまい、少し前に観光していた時に偶々見つけた景色の良いカフェテラスで暇を潰していたのだが、流石にカフェテラスで暇を潰すのにも限度があったようではぁ…と溜息を吐く。
「やっぱりカフェテラスで1日は潰せないよ…」
「いつも以上にしけた顔してるな」
「女の子に向かってしけた顔なんて酷いよ」
視線の先にいる男、コノハをサチはむくれながら睨み、睨まれたコノハは悪い悪いと平謝りしながら向かいの席に座る。勝手に座るとは何事かと軽口を言おうと思ったがコノハの場合「じゃあ帰るわ」と言いかねないと思ったサチは何も言わずに体をガラステーブルから起こす。
「ギルドの奴らは?」
「ケイタは彼女のマーハとデート、テツオは52層のカジノ街でカジノ、ササマルとダッカーは全層美女巡り行ったよ。そっちこそキリトはどうしたの?」
「俺いつもキリトと居るイメージあるか?」
「うーん、トイレ以外は一緒に居るイメージかな?」
「ちょっとまて!?それだと風呂と寝る時も一緒に居るイメージ持ってねぇか!?」
「え?違うの?」
「違うわ!!」
コノハの慌て具合を楽しんだサチは「冗談だよ」と言って紅茶を飲もうとティーカップを持ち上げるとハンドルが折れ中身が体に降り注ぐ。
「あつっ」
ゲーム世界なのでやけどはしないが、現実世界と遜色ない感覚に襲われ驚いたサチが立ち上がろうとすると壊れるはずのない椅子の脚がボキッと折れ後ろに倒れてしまう。
「うぅ…」
「お前凄いな。店の物って耐久値無しで壊れない筈なのに壊すとは」
「壊そうと思って壊した訳じゃないよ…」
サチは痛くなったお尻を摩り、周りからの視線にバツの悪い顔をしながら近くを通りかかったウェイトレスに代わりの椅子を用意してもらい「これ大丈夫だよね?」と壊れないか確認してから座り直す。
「それで何の話をしてたんだっけ」
「あー、ギルドの話に近い話だった気がする」
「ギルドといえば、コノハとキリトは何処にも所属してないよね?何か理由があるの?」
「なんとなくだよ。強いて言うなら自由だから?キリトもそうだろうし」
「(キリトの場合はコノハが無所属だからだろうなぁ)」
「おいなんだそのニヤニヤした顔は」
「なんでもないよ。そういえばここのケーキ食べたことある?結構美味しいんだよ?」
「露骨に話を逸らされた気がするがいいか。実はここの席に座る前にモンブランを頼んできたんだよ」
「あ、ずるい」
「ずるくねぇよ」
ならわたしも頼もうかなとサチが周りを見渡すとウェイトレスがコノハが頼んだと思われるモンブランを運んでいるのが視界に入る。
ウェイトレスはAIだしこけたりしないだろうとサチは思っていたが、ウェイトレスは何もない地面につまづき、運ばれていたモンブランが宙高く舞い上がる。
弧を描き、狙い澄ましたようにサチに向かって落ちていき、そこに落ちるのが予定だったようにサチの頭にモンブランがぶつかった。
少しして耐久値のなくなったモンブランは霧散して光の粒になったが、サチからは目も当てられない負のオーラが漏れ始めていた。
「あ、あのサチさん?」
「ふ、ふふ…なんでわたしいつもこんな目に合うのかなぁ…ゲーム始める前もよく犬のフン踏んだり車からの跳ね水が全身かかったり誰が掘ったか分からない落とし穴に落ちたり…そういえば最後に向こうで引いたくじ大凶だったなぁ…って言ってもわたし大凶以外引いたことないからわかってはいたんだけどね?それでゲームの世界では数値が物を言うと思って
「しっかりしろサチ!サチぃぃぃぃ!!」
ギルド「月夜の黒猫団」紅一点サチ。彼女の運はゲームシステムを狂わせる程酷いと言うのは有名で、ある人の胃を痛めつける原因の一つでもある。
一言キャラ設定
サチ【不幸】
サチ「ねぇ知ってる?不幸の幸ってサチって読むんだよ?」
とにかく不幸。配られるプリントは印刷ミスは当たり前、席替えでも一番前のど真ん中が定位置、自動販売機は3分の1は押したものと違う物が出る、曲がり角で自転車に引かれる、財布を落とす、etc,etc…
とにかく不幸。サチに幸あれ。