SAO 〜しかしあいつは男だ〜   作:置物

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もう…戦闘描写無理ぽ…な私ですお久しぶりです
頭の中には既にSAOではなくALOすっ飛ばしてGGOの話が少しずつ出来てるというふざけた作者は一度爆発するべきだと思いました
この話が終わったあとはどうしてリズやシリカがあぁなったのか(原作の初登場回)や過去にあったイベントなどを書きたいと思ってます(書くとは言ってない)


episode15 ヒースクリフ「剣技大会後編」

俺とディアベルの試合が終わった後、昼休憩に入ったので俺はキリトとクラインと合流して昼飯を探しに屋台が立ち並ぶ闘技場の周りをぶらぶらしていた。ディアベルも誘ったのだが「この後ギルドメンバーと模擬戦するから!」と笑顔で何処かに去っていった。装備を変えてないことからバーサーカー状態で戦うのだろう。ご愁傷様ですギルドメンバーの方…。

 

 

「焼きそばたこ焼きの定番からたい焼きチョコバナナ、何故か寿司とほんと色々あんなぁ…。まるで祭りみてぇだぜ」

「お祭りと言えばお祭りだろ」

「出してる所も色々あるぞ。個人出店から始まり聖龍連合、血盟騎士団にキバオウ商会。あれなんて元嗤う棺桶(ラフィンコフィン)のメンバーじゃないか?」

「色々すげぇな…」

「何処に行く?わたしはたこ焼き買ってキリト君とあーんがしたいんだけど」

「ちゃんと目の前から現れてくれアスナ」

 

 

キリトが腕組みしてくるのがうざったい。

 

 

「コノハ…この後暇かしら…」

「暇じゃないから剣と殺気をしまえ!」

「とりあえずキリの字、コノハから離れとけ」

「あ、あぁ…」

 

 

クラインの一言でキリトが離れるとアスナから放たれていた重苦しい殺気は消え、アスナは少し不満気に剣を鞘に仕舞う。なんで不満気なんぁよ。

 

 

「ふぅ…で、昼飯どうする?」

「俺はなんでもいいよ」

「オレは久々に焼きそば食いてぇな」

「わたしはさっきも言ったたこ焼き」

「じゃあ焼きそばとたこ焼き買うか」

「つってもコノハ、焼きそばの屋台だけでも5.6は見えるが何処の買うんだ?」

「たこ焼きも3店舗はあるわね」

「正直何処の焼きそばもたこ焼きも同じだろ?なら人の少ない場所に並んだ方がいいだろ」

「甘い、甘いで。砂糖に蜂蜜かけたくらい甘いでコノハ」

 

 

キバオウ商会のたこ焼き屋の裏からサボテンのような髪型をした男、キバオウがちっちっちと指を振りながら現れた。どうでもいいことだが砂糖に蜂蜜って単品だと甘いけど合わせても言うほど甘くなさそうだな。

 

 

「確かに列の少ない屋台に並んだら時間短縮にはなる。が、味は何処も一工夫されてて一味違うんやで、味だけに!」

「…けど食べ比べする程食えないし」

「お、おぅ…スルーされてもうたわ…。そんな時こそキバオウ商会販売の『屋台百科〜第二回剣技大会編〜』や!この本には今回出店している屋台の種類と特徴、値段、出店者が事細かに書いてあるんや!出版はアルゴやから色眼鏡もなし!お値段たったの300コル!」

「300コルくらいなら買うか」

「まいど!」

 

 

300コルを渡し、『屋台百科』を受け取るとキバオウは「準決勝楽しみにしとるで!」と言って次の客を探しに行った。

 

 

「さて、焼きそばとたこ焼きの店はっと」

「金魚すくいか。昔お祭りがあったらスグと行ったなぁ…」

「へぇ、リズ似顔絵描く店出してるんだ。一回10万コルって結構取るわね…儲かるのかしら?」

「お、射的なんてあるぞ。後で行ってみねぇか?」

「全員顔近ぇよ!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

元嗤う棺桶の屋台の焼きそばと血盟騎士団のたこ焼きを買って食べ終えた俺達は射的などの屋台を回り、試合開始5分前に闘技場に戻ってきた。元嗤う棺桶の焼きそばは100コルプラスで量が1.5倍になるとお得な上に美味かったし、血盟騎士団のたこ焼きは500コルで10個と安かったからとても良かった。あとクラインが射的をしたいと言った割に下手くそで笑ったな。大人気なく机に乗ってギリギリまで銃口を景品に近づけたのに当たらなかった時はみんなで大爆笑したもんだ。

 

 

『アー、マイクテストマイクテスト。…特に問題無いナ。昼休憩はどうだっタ?ちゃんと休めたカ?それじゃあ準決勝の組み合わせ出すから電光板に注目!』

 

 

スピーカーから聞こえるアルゴの声に、会場中のプレイヤーが電光板に目を向ける。そこには準決勝まで勝ち上がった俺、キリト、団長の三人の名前が表示された。…三人?

 

 

『準決勝まで勝ち上がってた団長の対戦相手のプーだが、なんか用事があるとかで辞退して準決勝は三人で行う事になったかラ。どうせ用事なんていつものアレだろうけどナ。それじゃあキリトとコノノ…コノハは対戦準備して中央に集まって対戦準備をしてくレ』

「俺とキリトか…」

「コノハが相手でも手加減しないぜ」

 

 

キリトはキメ顔で握った拳を前に出す。キメ顔にイラっとした訳ではないが、決してないが、俺は無言でキリトの顔を抓った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

観客席からのアスナの負けろコールを受けながら、俺は今回の試合についてどういうスタイルで挑むかを考えていた。

過去キリトと手合わせを何十とした事があるが、負け数が勝ち数の二倍以上ある。二刀流というユニークスキルによる手数の多さとダメ重視のステ振りが敗因として挙げられるが、キリト自身のプレイヤースキルが異常に高い事が最も強いだろう。ベータテスターとしての先駆があったとしてもあの異常なまでの反射神経や体の動かし方が出来るのは恐らくキリトとバーサーカー状態のディアベルくらいだろう。

俺はキリトに勝つ為にクイックチェンジや片手剣以外の武器の練度、通常攻撃からのクイックチェンジソードスキルの連続攻撃と様々なプレイヤースキルを身に付けたが、先のディアベル戦でこれらは見られて対策は練られてるだろう。さて、どうしたものか。

 

 

「準備はいいか?」

 

 

右手のダークリパルサーを地面に着け、左手のエリュシデータを肩に担いだキリトが聞いてきた。俺はクイックチェンジメニューをディアベルの時と少し変え、「大丈夫、問題ない」とネタで返して宙に浮かぶ決闘受諾ウインドウのOKを押す。

上空に決闘開始までの60という数字が浮かび上がる。

50秒前、ジャッドシュヴァリエを地面に刺して軽く体を動かす。

40秒前、ジャッドシュヴァリエを抜き軽く振る。

30秒前、頭の中でキリトのソードスキルを軽く見直す。

20秒前、キリトの様子を見る。アスナの試合の時と同じ構えをしている。

10秒前、目を閉じて深呼吸をしてリラックスをする。

5秒前、目を開いてキリトに全集中力を向ける。

3秒前、キリトが膝を軽く曲げ走り出す準備をする。

1秒前、足の裏に力を込める。

空中の数字が0になり、ブザーが鳴るかどうかの瞬間に俺とキリトは互いに向かって走り出した。

先制されて手数で押される状況にされる前に左足を軸にした回転斬りで仕掛ける。キリトはそれをダークリパルサーで受け止め大きく吹き飛ぶが、感触の軽さから自分から飛んだのだろう。

キリトが着地点まで走り着地と同時に技後硬直が限りなく少ない片手剣単発横切りソードスキル「スライドコンタクト」を放ち、反撃の芽を潰す。

フェイント、当たり判定のないシールドバッシュ、体術スキルが込められた蹴り、攻撃最中にクイックチェンジで武器の持つ手を変えたりと変化を混ぜていく。最初は掠ったり防御に専念していたが、段々キリトはフェイントにはかからず、シールドバッシュはバックステップやサイドステップで当たらないように、蹴りには同じく蹴り、武器の持つ手の変化はもう片方の剣で受け止めると適応していき、時折ジャッドシュヴァリエを弾いて反撃をしてくる。一試合の中でこの適応は異常だろ。

ダークリパルサーで蹴りと見せかけた突きのフェイントを捌かれ、目標から逸らされ宙を裂いたジャッドシュヴァリエをエリュシデータの斬り上げでキリトの後ろに弾き飛ばされた。

 

 

「…っ!!」

 

 

すぐさまクイックチェンジで他の剣を装備し胸元に襲い来るダークリパルサーを防ぐ。が、やはり使い慣れてない武器だとリーチや重さを考慮した振りの速さが把握しきれず、攻撃に何処か甘い所が出て来て反撃される頻度が多くなる!

数分の打ち合いでキリトの得意とする武器破壊によって刃が半ばで白いエフェクトを発して折られた。今装備していたの一応リズの工房で見繕った上等な奴なんだけど、まさかこんな早く耐久値を削り切られるとはやっぱこいつのスペックおかしいわ。

相手の武器が喪失したこの圧倒的有利な瞬間でもキリトは慢心せずダークリパルサーで守りの構えをしながら最小限の攻撃をエリュシデータで放ってきた。

この武器はもう少し後にフェイントで出したかったが仕方ない。俺はクイックチェンジで最後の武器を装備してエリュシデータを受け止めてキリトから距離を取る。

 

 

「…!コノハが刀剣類以外の武器使うの初めて見たな」

「そりゃお前に隠れて練習してたからな」

 

 

俺は最後の武器、長さ1メートル程で刃が炎のような波打った形と色をした、突く事より切る事を重視した槍を両手で構え、一息入れて走る。

長い間キリトとは共に攻略や決闘をしていたから剣や短剣のパターンは簡単に読まれたが、槍は初めて相手にするからか、カスダメを受けながらジリジリ後退していく。顔も受けるので手一杯のような苦悶の表情を浮かべている。今は優勢だがいつ反撃が来るか分からない。キリトが適応する前にこのまま押し切る!

キリトが槍の隙間にダークリパルサーを挟み流そうとするがそれは悪手だ。ダークリパルサーの刃の半ばで受け止められていた槍の刃を鍔にまで下げ、腕全体を使って槍を一回転させキリトの手からダークリパルサーをもぎ取った。地面に落ちたダークリパルサーはキリトが拾う前に体術スキルで遠くに蹴り飛ばす。これでキリトの武器はエリュシデータと予備の武器だけ。お得意の二刀流をするには予備の武器を装備するかダークリパルサーを拾いに行くかの二択だがどちらもさせる気はない。

エリュシデータ1本で槍の猛攻を捌ききるのは難しいと判断したのか、キリトは横に転がり俺から距離を取り背を向けて走り出した。キリトはダークリパルサーを捨て予備の武器を装備するという選択をしたようだが、背を向けるということは相手を視界から外すという事。そしてそれは相手が何をするか分からない状態に自ら身を投じるという事だ。

俺はキリトの後ろに落ちていたジャッドシュヴァリエを拾わず、持っていた槍を投擲スキルでキリト目掛けて放った。まさか俺が最後の武器を投げるとはキリトも予想外だろう。

これで俺の勝ちだ!キリトの背中に吸い込まれるように飛んでいく槍を見てそう思っていた時期が俺にもありました。

 

 

「はぁぁ!?」

 

 

こちらに背を向けていたキリトが槍が当たる直前に反転して槍を掴み取るなんて誰が想像出来る!?あいつやっぱりおかしいわ!!

キリトは槍を自慢の筋力で近くの壁に突き刺し、予備の剣を装備し終えると同時に俺に向かって疾走。

俺は落ちているジャッドシュヴァリエを拾い上げ、迎撃の構えを取る。

俺とキリトの距離は100メートルはあったが、キリトはものの数秒で駆け抜けた。

予備の剣は左から水平に、エリュシデータは右から水平に迫る。左は盾で、右はジャッドシュヴァリエで受け止めようと思ったがこんなに素直に攻撃してくるのか?と疑問に思い大きくバックステップで回避。

俺の疑問は当たったようで、右から迫っていたエリュシデータがするりと軌道を変え水平斬りから下からの垂直斬りに変わり、後退する俺の髪を掠めた。あのままジャッドシュヴァリエで受け止めようとしていたらガラ空きになった正面に一撃が入っていただろう。

だがキリトは俺がバックステップで回避する事も想定の内だったのか、即座にそこから前に飛び、振り上げていたエリュシデータを振り下ろす。俺の体勢はバックステップした直後とあってもう回避をするなんて出来ないくらい崩れている。しかしキリトも俺を追撃する為に飛んでいる為回避は出来ない。つまりここが最大の危機にして最大の好機と捉えた俺は、今のキリトでは回避、防御共に困難の刺突ソードスキル「ヴォーパル・ストライク」を放った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「惜しかったなコノハ」

「あんなのずりぃよ…じゃんけん完全後出しするくらいずりぃよ…」

 

 

試合が終わった後、試合中にクラインとアスナがいるのが見えた席に向かい、慰めてくるクラインとふふんとドヤ顔のアスナの間に座った。

あの時俺はこの世界では二段飛びといったスキルの情報を聞いた事がない、なら空中では回避不可能、振り下ろされるエリュシデータより速く、防御を貫く重い一撃を叩き込めばと考え、刺突スキルの中でも威力と速度があり、技後硬直は長いが準備時間の短い「ヴォーパル・ストライク」を使った。しかしキリトはそれを回避し、技後硬直で動けない俺に軽い攻撃を当てて試合は終わった。どうやって空中から更に動けたんだ!?と俺がキリトに問い詰める前にキリトが地面を指差し、そこを見ると剣が刺さっていて俺は全てを察した。

単純な話だ。あの捨て身のような攻撃はブラフで、エリュシデータに視線を向けさせる事で剣を刺した足元から注意を逸らし、そこを足場として利用した、二刀流だからこそ出来る二段飛びで「ヴォーパル・ストライク」を避けたのだ。

 

 

「コノハの不注意で負けたんだから、不貞腐れてないでキリト君の勇姿をその目に焼き付けなさい」

「うっす」

 

 

癪だが、アスナの言う通り俺の不注意で負けたのは確かだ。俺はキリトに勝てなかった。だがこの目に焼け付けるのはキリトの敗北姿だ。しかしそれを拝むには団長に託すしかない。団長、頼みますから勝ってくださいお願いしますと俺は心の中で祈りながら闘技場の中心で始まる決勝を眺める。

二刀流と神聖剣の試合は二刀流の速攻から始まった。

真正面から突っ込み、巨盾を装備した団長の直前で溜めを作り、団長が来ると思っていた瞬間からずらす事で隙を作り、死角である盾の方へ移動し盾の内側へ剣を滑り込ませる。が、団長はそれを盾を横に振って弾く。

右の剣を弾かれても二刀流であるキリトには左の剣がある。盾を振った事で空いた団長の右脇に左の剣で横一閃。しかしそれも団長の剣によって阻まれた。

少しの間を作っては連撃を叩き込み、死角の右側に回り込んでは連撃を叩き込みを繰り返すが、一撃たりとも団長の盾の向こう側に届く事はなかった。

そして団長はそのルーチンに慣れてきたのか、キリトの猛攻の中で時折反撃を織り交ぜキリトの体を掠める。

そして遂にキリトのほぼ一方的攻撃が終わりを告げる。

連撃後のサイドステップをした瞬間に団長のシールドバッシュがキリトの胴体にもろに入り、キリトの体が2メートルは飛ぶ。もしあれが神聖剣のソードスキルが込められていたら終わってたんだろうなぁと心の中で残念がると隣から腹に裏拳が飛んできた。

団長は十字盾を構え着地後のキリトに突進。シールドバッシュで距離を詰め、先程とは違いキリトからの連撃を悠々と受け止め、時折殆ど隙のないように見える攻撃の隙間に死角からの急所突きという嫌らしく、しかし恐ろしいほど強力な技が披露される。これにはキリトも苦悶の表情をする。

団長はこの流れを攻め時と見たようだ。団長の剣と盾が純白の光を帯びる。ユニークスキル「神聖剣」の発動に観客がここ一番の大盛り上がりを見せる。

「神聖剣」、そのユニークスキルはある人はボスの一撃をもノーダメージで防ぐ防御特化と言い、ある人は逆に相手に与えるダメージを飛躍的に高める攻撃特化とも言う。しかしどちらも違う。

神聖剣は、二刀流と同じく神聖剣だけのソードスキルと、二刀流のように特性があるだけだ。が、その特性こそ神聖剣の真骨頂と言えるだろう。その特性とは、剣に防御判定を、盾に攻撃判定を与えるというシンプルな物だ。

剣に防御判定を与えるというのは剣の耐久値の減りが少なくなるだけだが、盾に攻撃判定を与えるという事は盾が剣と同じように武器として使えるという、手数で有利に立っていたキリトと同じ土俵に、いや、防御範囲が広く相手の視界潰しが出来る分団長の方が有利になるという事だ。

更にもう一つ、厄介な事がある。神聖剣の発動している時、剣と盾が純白の光を帯びるのだが、神聖剣のソードスキルのエフェクト光、その殆どが純白なのだ。つまり、ただのソードスキルなら発動タイミングが分かるのだが、神聖剣のソードスキルの場合いつ発動されるのか分からない。ただの攻撃だと思って防御したらソードスキルで一撃貰うという事もあり得るのだ。

俺は一度距離を取って体制を整えるだろうと思っていたが、キリトは神聖剣のエフェクト光に恐れず立ち向かった。

先程と全く同じテンポの連続攻撃からのサイドステップによる死角移動をし始めたキリトに対し、団長はもう終わりだと言わんばかりに少し体を後退させ、盾を水平に構えて突き出す。あれがただの攻撃なのか神聖剣のソードスキルなのかは全く分からないが、当たれば判定勝ちはするだろう。そしてその一撃は今までのキリトの攻撃速度から見てキリトが避けるのは難しいタイミングと速度だ。

次の攻撃の為に前傾姿勢になっていたキリトの顔面に盾の先端が迫る。

これで終わりと思いたいけどキリトの場合持ち前の反射神経でなんとかなるんだろうなぁと思っていたら案の定キリトは前傾姿勢から前に倒れこむように更に姿勢を低くする事で盾を回避した。

盾を掻い潜り、団長の懐に入ったキリトの左の剣が団長の胴に伸びる。団長はそれを剣で真上に弾くが、先も言ったように二刀流のキリトは両手に剣を装備している。右の剣が右下から振り上げられる。

盾は内側に入られた為使えない。剣もキリトの剣を弾く為に振り上げている。振り降ろせば確実にキリトに届くが一度振り上げ、振り上げてから振り下ろす剣と振られている剣とでは分が悪い。

あぁ…終わったな…と俺は俺の運命を嘆いた。

団長とキリトの剣が互いにヒットする。

俺の目には同時に見えたが恐らくキリトの方が僅かに速いだろうな…。

電光板を絶望しながら見るとそこには団長が勝者だと表示されていた。

俺は一転して人生でランクインするほど喜び、アスナにコークスクリューを打ち込まれた。

 

 

 

 

 

 

 

「いい勝負だったなキリト!いやぁあと少しだったのに残念だったなぁ?」

「……」

 

 

めちゃくちゃにやけた顔でそう言うが、よっぽど悔しかったのだろう、キリトは難しそうな顔をして地面を見ている。

 

 

「今晩の飯は俺特製麻婆グラタン作ってやるから元気出せよ」

「いや、別に落ち込んでた訳じゃ…」

「なら麻婆グラタンは無しで」

「それとこれとは話は別だろ」

 

 

キリトも元気出たし、「はいはい、作ってやるから団長が表彰されてるとこ見ような」と言って闘技場の中心に運ばれた表彰台の上にいる団長とアルゴを見る。

 

 

『流石攻略組の中で頭一つ練度が高いギルドの団長、見事優勝しましたネ』

『負けられない理由があったからね』

『最後の場面なんてとても白熱しましたネ』

『あとコンマ少しでもキリト君が速かったら私は負けていたかもしれないな』

『ホントに素晴らしい試合でしタ。それでは、早速ですが団長のお願いを拝見した所、特に問題無いと判断しましたので団長直々にお願いを言ってください』

 

 

アルゴから優勝剣を受け取った団長は観客席にいる俺、の近くにいるアスナを見据えて、

 

 

『暫くの間、アスナ君には血盟騎士団団長代理として仕事して貰い、私は暫く休暇を貰うことにしようと思う』

「…え?」

 

 

キリトの隣にいるアスナの顔がどんどん青白くなっていく。

 

 

『アーちゃんが「嘘でしょ…」みたいな顔してるけど、拒否権はないからナ?』

「じょ、冗談じゃないわ!」

 

 

そう言ってアスナは立ち上がって逃げようとするが、いつの間にか控えていた血盟騎士団員に捕まり、連行された。




その後
クラディール「さぁアスナ様、これが今日の仕事です」
アスナ「え!?なにこの量!?わたしこんなに出来ないわよ!?」
クラディール「出来る出来ないではありません、やるのです。団長はいつもこれを処理してました」
アスナ「…す、少しは手伝ってくれるのよねクラディール?」
クラディール「私は副団長の仕事をしなくてはならないので」
アスナ「じゃあわたしが副団長の仕事するからクラディールが団長の仕事をして!これは団長代理命令よ!」
クラディール「すみませんアスナ様、団長代理は団長の仕事をする以外に権限はありません」
アスナ「」
クラディール「終わらなかった場合次の日に持ち越されるのでそこも覚えておいてください」
ア砂「」


分かりづらい場所や誤字などありましたら…何処に報告して貰えばいいんだろ?(
ちなみに最後のア砂は誤字ではありません
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