SAO 〜しかしあいつは男だ〜   作:置物

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無駄に8000字書きましたがギャグが少ない気がしてならない…
これは後編で無理やり突っ込むしかない!!(!?)
あと途中切って貼ってをしたら本文がごっちゃになってる部分がある気がしないでもないので後に修正あるかも


extra7 竜使いとの出会い 中編

「す、すみません。命の恩人なのに笑っちゃって」

「いや、構わない」

 

 

あの後、すぐにハッとなったシリカは立ち上がって頭を下げるが、コノハは気にした様子を見せず、降りてきた木の幹に足をかけて登ろうとする。木の上にはハンモックが吊るされてあり、寝ていたと言っていた事と彼が木を登るという事を合わせるとまた寝るのでは?と思ったシリカは「あの!」と少し上擦った声で引き止める。

 

 

「なんだ?」

「コノハ、さんは、ここで何をしていたのですが?」

「レベリング。今まで仮眠していたが起こされた」

「でもコノハさんの実力なら多分攻略組ですよね?なら最上層でレベリングしたほうが経験値効率が良いと思うんですけど」

「…確かに俺は攻略組だが、最上層だと1体にかかる時間が長い。ここだと集団で出てくるから1体の経験値が少なくとも数で補える上にこの広大なダンジョンだと枯渇は起こりえない。その上宝箱も落ちてる事もあるからコルも貯めれる。だからここでレベリングしている」

「けど、それでも35層にした理由が分からないんです。ここと同じくらいの広さのダンジョンなら上にまだあるんじゃないですか?」

「…まぁ、な…それより、大丈夫か」

「え…何が…ですか?」

「我慢するな」

「だから何を言って…っ!」

 

 

シリカの声は、コノハと話している間ずっと震えていた。

シリカは少しでもピナを失った気持ちを紛らわせようとしていたのだが、コノハの言葉によってその試みは打ち砕かれ、止めていた涙がボロボロと再度流れ始める。

 

 

「泣けば少しは気が晴れる」

「…う、うわぁぁぁん!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

泣きに泣き、気持ちが少し楽になったわたしにコノハさんが黒の剣と緑の剣が刺繍されたハンカチを出し、「使え」と言った。わたしはそれを受け取って腫れた目元に残った涙を拭う。

 

 

「少しは楽になったか?」

「はい…あ、ありがとうございます…」

「構わない。それで、これからどうするんだ?」

「今から暗くなっていきますけど、この森から出て35層の主街区に帰って荷物を纏めようと思います」

「一人でか?地図はちゃんと持っているのか?」

「途中までパーティと探索してたんですけど、パーティメンバーと喧嘩して離脱しちゃって…地図はそのパーティのリーダーが持っています…」

「ならどうやってこの森から出るつもりだ?」

「闇雲に歩いていればいつか」

「やめておけ。死ぬぞ」

「あなたには関係ないです」

「こうして顔を合わせて名前を知ってしまった以上、無関係なんて事はない」

 

 

コノハさんがメニューを操作して何かをオブジェクト化する。

オブジェクト化したのは地図だった。碁盤状の模様が描いてあって、少し経つと全ての模様がランダムに入れ替わる不思議な地図。それはパーティのリーダーが持っていたのと同じ、迷いの森の地図だ。

 

 

「貸してくれるんですか?」

「そんな事をしたら俺が帰れなくなるだろ。俺もお前と一緒に森を出てやる。ただし、出るのは今から3時間後だ」

「3時間後?」

「お前は今の自分の状態でこの森から出られると思うのか?」

「……」

 

 

確かに、日が昇り始めた頃からこの森を探索、途中から一人で走り回りモンスターを倒し続けて肉体的疲労が、回復アイテムも分配されなかったから回復アイテムの節約の為に体力も回復していない状態で、いつ死ぬかもわからないという精神的疲労が溜まりに溜まっている。もし次ドランクエイプなどに集団で襲われたらピナがいないからひとたまりもないと思う。

コノハさんは親指をハンモックに向けて続けて言った。

 

 

「寝ておけ。俺が見張っててやる」

「え、でも…」

「3時間後には出発する。それまでに体力回復しておけ」

「…どうしてここまでしてくれるんですか?」

「……ただの偽善だ」

 

 

そう言ってコノハさんは座り込み、メニューを開いて誰かと連絡を取り始める。

偽善と言い切ったコノハさんを信用していいのか分からないけど、人と居る事で安心したからか、わたしの体は重みを増していく。頭で考えるのが難しくなるくらいの睡魔にも襲われて、一人で森を出るよりこの人と居た方が安全だろうと完結させたわたしは、「ありがとうございます」と言ってコノハさんの横から木に登り、ハンモックに横になる。ゆらゆらと不安定な寝床だけど、その揺れと体全体が沈む感覚に、心地良さを感じながらわたしの意識は睡魔に溺れていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「起きろ」

 

 

その一言とハンモックの下から突かれる感触にわたしは深い眠りから覚めた。目を開けると木々の隙間から見えていた群青色だった空は真っ黒で、完全な夜になるくらい時間が経ったんだと思った。そしていつも傍らにいたピナがいなくて、ほんとにいなくなったんだと実感して心にぽっかり穴が空いたような感覚になる。

起き上がって下を見ると、コノハさんがあの宝剣を腰に戻していた。

 

 

「気分はどうだ?」

「はい、だいぶ良くなりました」

「そうか。街に帰って休憩したら47層に行くぞ」

「え?どうしてですか?」

「お前の相棒を蘇らせる」

「出来るんですか!?」

 

 

身を乗り出したためハンモックから落ちてしまう。現実世界の痛みほどじゃないけどそれなりの痛みに悶絶した後、すぐに立ち上がって心配そうな顔のコノハさんに続きを求める。

 

 

「信頼出来る情報屋から手に入れた情報だと、47層の南にある「思い出の丘」の頂上に、使い魔を亡くしたビーストテイマー本人が行けば使い魔蘇生用のアイテムであるプネウマの花が手に入るらしい」

「…けど47層ですか…」

 

 

わたしは中層プレイヤーの中ではかなり腕が立つ方だと思いますが、それでもレベルは48。安全マージンを考えると最低でも階層に10足した57は欲しいところで、そのレベルになるには9も上げなくてはなりません。一体どれだけ先になるか…。

 

 

「俺が付いて行ってやるから安心しろ」

 

 

コノハさんは当たり前のようにそう言いました。攻略組としてのレベリングとか迷宮区攻略はいいのか聞こうと思いましたが、1日でも早くピナに会いたいわたしはその話を飲み込んだ。

コノハさんはハンモックを仕舞い、マップを広げて位置を確認し終えると、何故かわたしを脇に抱える。

 

 

「え?なんでわたしを抱えるんですか!?」

 

 

機動性のいいミニスカートを履いているから抱えられたらスカートが…!

 

 

「これが一番移動速度が速いからだ」

「でもこれ後ろから見えちゃいます!」

「後ろには誰もいないから別にいいだろ」

「今はいないですけど移動したらいるかもしれないじゃないですか!」

「こんな夜中にいないだろ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「見られた…見られた…見られた…」

 

 

運良く出口に近い場所に居た事もあり10分という短い時間で迷いの森から無事出ることが出来たわたしとコノハさん。しかし途中で迷いの森を歩いていたパーティ(しかも前に一度パーティ勧誘してくれた顔見知り)に当たり、わたしのスカートの中が見られたという大事件があったのですが、コノハさんは特に気にした様子はなく脇に抱えたままのわたしに話しかけてくる。

 

 

「なに落ち込んでるんだ」

「コノハさんのせいで顔見知りにスカートの中見られたんですよ!?」

「俺が悪いんじゃない。お前の運が悪いんだ」

「屁理屈捏ねないでください!」

「屁理屈もりく…!?」

 

 

コノハさんの顔が急に強張る。「?」と疑問符を浮かべ、コノハさんが固まった原因があると思われる視線の先を見ると、僅かに煙が立っていました。その煙は段々大きくなり、一つの人影がわたしたちに向かってに爆走しているのがわかります。

 

 

「あの野郎もう売りやがったか…!」

「へ?なんの話ですか?」

「街に行くから掴まってろ!転移!ミーシェ!」

 

 

コノハさんは懐から転移結晶を取り出して35層の主街区の名前を口早に唱え、転移結晶が輝き、コノハさんの足元から立ち上る光の眩しさに目を閉じる。

眩しさが消え、目を開けると現在わたしが拠点とし、寝泊まりしている35層の主街区ミーシェに立っていました。転移結晶を使った移動は初めてで慣れません。

 

 

「あの、転移結晶って高価な物じゃ」

 

 

風の噂で聞いた所に寄ると、転移結晶は珍しく、攻略組でも持ってる人は5人に1人位、希少な上に効果は強力な為市場価格はとんでもないことになっているとか。そんな物をこんな所で使って大丈夫なのでしょうか?

 

 

「緊急だったから仕方ない。それで、シリカが寝泊まりしている宿屋は何処だ?」

「あ、えと、 風見鶏亭って食堂の二階です」

「風見鶏亭…聞いたことないな。降ろすから迅速に案内してくれ」

「は、はい」

 

 

コノハさんはわたしを降ろして背後、迷いの森の方向を見る。その目は、まるで借金取りに追われているような目で、何があったんだろうかと気になりましたが、この場で立ち止まっていても時間の無駄だと思い、コノハさんを風見鶏亭に案内した。

風見鶏亭。一階は大衆食堂、二階は宿屋になっていて、わたしは宿泊費の安さ、雰囲気、そしてなによりここのチーズケーキが好きで拠点にしている。

風見鶏亭に着くと、誰かが頼んだと思われるピザの香ばしい匂いが扉を開けた時に鼻腔をくすぐり、余り食べ物が入ってなかったお腹がぐぅぅと空腹のサインを出す。

 

 

「飯食っていくか?」

「…はい」

 

 

コノハさんの誘いをちょっと気恥ずかしさを感じながら受ける。

時刻は10時と遅いからか、店内にはピザを食べるちょっと太り気味の男の人以外には誰もいません。

わたしとコノハさんは窓際の二人席に座ってウエイトレスさんに注文した後、今後の予定について話をした。

 

 

「シリカは今のレベルは?」

「48です」

「てことは安全マージンが全く足りないのか…確かこの間拾った装備一式がまだあったな」

 

 

コノハさんがそう言うとわたしの前に半透明のシステム窓が展開される。そこには『フェムルドレス』『フェムルブーツ』『ダンシングナイフ』とわたしが聞いたことのない装備名が並んでた。

 

 

「これを装備すれば少なく見積もって5レベルくらいは底上げ出来るだろうし、俺がいるから無茶をしなければなんとかなるだろう」

「いいんですか?こんなに装備を」

「言って悪いがそれは攻略組としてはもう型遅れなんだ。だがここでは上等な装備だし、必要としてくれる人がいるならその人に使ってもらえたら嬉しい」

「ありがとうございます…」

 

 

わたしは何度目ともわからない感謝を言ってトレード項目に少ないが、手持ちのコル全額を入力する。

 

 

「いや、金はいらない」

「でもただで受け取るなんてわたしの気持ちが…!」

「まだ見知ったばかりでこんな事を言うのもあれだが、代わりに頼みがある」

 

 

コノハさんが言うのも憚れるといった顔で言う。わたしとしてはここまでしてくれたコノハさんの頼みは聞きたいので「なんですか?」と聞く。

 

 

「色々理由があって、シリカの部屋に泊めさせて欲しい…」

「え」

 

 

流石に急展開過ぎませんか!?

わたしの頭はあまりの急展開に真っ白になり、少ししてから何を考えてか「理由を教えてください」と言う。いつものわたしなら一瞬で憲兵を呼んでいましたがコノハさんは命の恩人ですし色々理由があると言うくらいです。聞かないわけにはいきません。

 

 

「…それは言えない。頼む、鎖で縛ってタンスの中にいれてその上から鎖で固めてくれても構わない」

「……わかりました」

 

 

コノハさんの懇願に、わたしは了承し、装備を受け取った。ご飯を食べ終えた後、わたしは今寝泊まりしている部屋にコノハさんを案内した。普段から部屋の中は綺麗にしていてよかった。

 

 

「俺はどこで寝ればいい?」

「え、と、お風呂場かタンスどちらがいいですか?」

「君が安心する方で構わない」

「それならタンスでお願いします」

「わかった」

 

 

コノハさんの寝床を決めた時、コンコンと控えめなノックが鳴り、コノハさんがビクゥッ!と体を震わせた。

 

 

「もし俺について聞いてきたら知らないって言ってくれ!」

 

 

コノハさんはそう言ってタンスの中に引きこもった。

わたしは一体誰だろうと覗き穴から外を見ると、そこには栗色の髪をしたとても綺麗なお姉さんがいた。しかも服はあの攻略組として有名な血盟騎士団の白と赤の騎士服だ。なぜ攻略組の方がここに?と思いながらドアを開ける。

 

 

「初めまして。わたしは血盟騎士団副団長を務めるアスナです」

 

 

血盟騎士団のアスナさん。確か閃光の二つ名を持っていて、攻略組では珍しい女性プレイヤーだと耳にした事がある。攻略組の先頭に立って数多くの迷宮区、フロアボスを攻略した、女性プレイヤーの憧れでもある。かく言うわたしもアスナさんのように強くなりたいの密かに憧れている。しかし、多忙のはずのアスナさんが一体どうしてここに?

 

 

「は、初めまして。シリカです」

「貴女が竜使いの?噂は前線まで届いてるわ」

「あ、ありがとうございます」

 

 

わたしの噂が前線まで届いてたんだと嬉しい反面、その象徴であるピナを想って悲しいと思ったが、悲しみは悟られないように笑顔で礼を言う。

 

 

「それで、アスナさんはここに何しに?」

「コノハっていう男を探しているのだけれど、シリカちゃん知らない?」

 

 

コノハさんの事について聞いたという事は、この人から逃げていたのかな?でも血盟騎士団副団長に追いかけられるってコノハさん、何をしたのだろう?気になったわたしはアスナさんに質問してみた。

 

 

「アスナさんはどうしてその人を探してるんですか?」

 

 

そう聞いた途端ぞわっと、笑顔のはずのアスナさんから得体の知れない何かが漏れ出した。黒いもやの様な物が足元を流れるような幻覚を見るくらい恐ろしかったです。その時のわたしはそれが何か理解できなかったけど、後になってそれが殺気と呼ばれる物だという事が分かった。

 

 

「…いえ?ただ会いたいだけよ?」

 

 

嘘だ。目からさっきまであった光が消えていて、手をグググ…って力強い音が鳴るくらい握ってて会いたいだけなんてありえないです。

 

 

「それでシリカちゃん、コノハを知らないかしら?」

 

 

流石にこんな状態の人に渡すのも酷ですし、何より命の恩人を差し出すのも気がひけるので「知らないです」と恐怖で震えた声で答えた。

 

 

「そう…。こんな夜分にごめんね?協力ありがとう」

 

 

そう言ってアスナさんは次の部屋にコノハさんを探しに行った。

わたしは扉を閉め、鍵を掛けてコノハさんが隠れているタンスを開ける。

 

 

「行きましたよ」

「あぁ…ありがとう」

「けどちゃんと話してください。どうしてコノハさんは血盟騎士団に捜索されているんですか?」

「血盟騎士団というかアスナ個人だけどな…」

「ちゃんと話さないと今外にいるアスナさんに突き出します」

「ゔぇぇ!?」

 

 

コノハさんは驚きの余り変な声をあげた。ゔぇぇってなんですかゔぇぇって。

 

 

「…わかったよ。話は3日前、俺がまだ攻略組として前線にいた時の話だ。俺がある洞窟でレベリング兼マッピングをしていると親友、キリトって言うんだがな、そいつから『アスナから「わたしの部屋に来て欲しい」って言われたんだけど一緒に来てくれないか?』ってメールで来たんだ。親友の頼みだし、何よりアスナの所にそいつだけで行かせるのは危険だと思ったからな。俺は集合場所を血盟騎士団本部前にしてレベリングを切り上げ、50層にある血盟騎士団本部に向かったんだ」

「どうしてアスナさんの所に一人で行くのが危険なんですか?」

「あいつはキリトをストーカーするくらい好きでな、過去にも色々あったんだ」

 

 

血盟騎士団副団長がストーカーという話を聞いて、わたしの中のアスナさんの凜としたイメージが音を立てて砕けた。あんな綺麗な人でもストーカーするんですね…。

 

 

「それで本部前で合流した俺逹はアスナの部屋に行ったんだが、この時俺はキリトに俺がいることを伝えるよう言っておけばあんなことには…」

「な、何があったんですか?」

「…部屋に入ると、アスナが着替え最中だったんだ」

「…はい?」

「あいつはキリトには見られていいと思っていたんだろう。何を着ようか下着姿で選んでた。入室した時に「いらっしゃいキリ…ト…くん」って徐々に顔が鬼になっていって…それからは覚えてない。命辛々逃げ延びたと思われる俺はいつのまにかあの迷いの森に入ってたんだ」

「…」

 

 

なんというか、コノハさんを呼んだキリトさんが悪いのか、下着姿でいたアスナさんが悪いのか、はたまた予知できなかったコノハさんが悪いのか分かりませんが、確実に言えることはコノハさんの運が悪かったことですね。

 

 

「貴重品として迷いの森の地図は持っていたから困らなかったが、アスナから続々来る恐怖のメールから目を背ける為、アスナからの身を隠す為に俺はあそこで3日間寝ずにレベリングしてた。経験値効率は正直そこまでよくなかったが、何もしないよりはマシだし寝ずにレベリングすれば最前線のレベリングには劣るがそれなりに経験値が手に入るからな。けど寝ないと流石にやばいと思った3日目、木の上にハンモックを吊って寝てた所を」

「わたしが来たんですね」

「あぁ」

 

 

これで理解した。なぜあの場にいたのか。どうして攻略組であるコノハさんが迷いの森でレベリングをしていたか。そして理由を言えなかった理由が。

でも、なぜアスナさんはコノハさんの居場所が分かったんだろう?まだ55層までしか攻略されていないとは言え、全55層の中からコノハさんのいるフロアを特定して見つけるなんて相当時間がかかるはずなのに。

 

 

「でもどうしてアスナさんはコノハさんを見つける事が出来たんでしょうか?」

「あぁ、それは俺が贔屓にしてる情報屋の所為だ。いや、所為って言うのは悪いな。あれでも商売だし俺の不注意でもあるからな」

「どういう事ですか?」

「ほら、使い魔の蘇生方法を教えただろ?あれを情報屋から聞いたときに「何処にいるんダ?」って問いに答えちまってな。その後に「少ししたらアーちゃんがそっち行くと思うから注意しろヨ」って来て仕方なしに口止め料を払ったんだが、どうやらアスナはそれ以上の金額を出したようだな」

「いくら払ったんですか?」

「20万コル」

「20!?」

 

 

わたしの全財産がはした金に思えるくらいの金額に目が眩む。2週間迷いの森で狩り続けて節約しても貯まるかどうか…。前線プレイヤーの懐事情が気になります。

 

 

「まぁシリカのおかげでアスナから逃れる事が出来た。ありがとう」

「い、いえ、これくらい…。さっきから思ってたんですけど、口調変わってませんか?」

「…あ〜、忘れてた。いや、まぁ、うん、こっちが素だから気にするな」

「どうして口調を変えてたんですか?」

「昔から俺からロールプレイが好きでさ、このゲームをやる時もしようと思ってたんだ。けど予想外の出来事があった」

「予想外の出来事…ゲームマスターによるデスゲーム宣告…」

「そう。周りは割とログアウト出来ないという事に喜んでる馬鹿が多かったけど、俺は死んだら死ぬって言う事実にただひたすら怖かった。周りがどれだけ強くなろうとも、自身が強くならないと死ぬ可能性は変わらず付き纏うと思った俺はキリトと堅実に、けど大胆にレベリングをして、いつしか攻略組として前線に立っていた。そして俺が攻略組として今までいられたのはまわりの強さに引っ張っってもらって、いつの間にか死ぬ恐怖を克服出来た。多分この世界を旅してるプレイヤーの中には死ぬ恐怖に怯えながら生きている奴もいると思う。俺はそいつらにその恐怖を克服して勇気を持って欲しくて偶に下層に潜ったりしてるが、俺の強さは言って悪いが小手先の技ばかりで分かり辛い。そんなのじゃ駄目だ。なら分かりやすい強者の風格を出すにはどうすればいいか。考えた結果が俺が好きだったロールプレイで強者の風格を出そうってなってああなった」

「なるほど…?」

 

 

分かったような分からないような。

 

 

「まぁあとは、ゲームの世界だからって調子乗ってる奴を威嚇する意味合いもあるからな」

「調子に乗っている奴?」

「そう。茅場が一方的にデスゲーム宣言したが、本当にそうなのか死ぬまで分からない。ならプレイヤーキルして本当に死んでもそうなるとは思わなかった、人を殺したいっていう奴だな」

「そんな人が…!?」

「まぁそれは極端な奴で、今のところいないけど、そんな奴が出ないとは限らない。シリカも気をつけろよ」

「はい」

「それじゃ明日は昼に47層に向かう事にして、もう寝るか」

 

 

コノハさんはタンスの中に帰ろうとしたときに「あ、忘れてた」と振り返る。

 

 

「だいぶ前に買った奴だけど使ってくれ」

 

 

コノハさんが環状の部品が線状に繋げられた物、俗に言う鎖を二つジャララと渡してきた。

わたしはもうどうでもいい気がしないでもないですがいつも下着で寝ているので見られたりするのも嫌なのでコノハさんを縛り、タンスの中に入れた後その上から鎖を巻きつけた。今日はとても走ってシャワーを浴びたい気分でしたが朝にでも浴びればいいかと装備を全て外してベッドに飛び込んだ。




視点変更する際に

~side:シリカ~

みたいなのあったほうがいいですかね?
あとギャグが少ない気がしてならないいい!


【情報の出所】

アスナ「ねぇアルゴ、コノハが何処にいるか教えて欲しいんだけど」
アルゴ「ン~、口止め料に20万貰っちゃてるか」
アスナ「25万」
アルゴ「今は35層の迷いの森にいるみたいだナ。あと使い魔の蘇生方法について聞いてきたから後で47層にいく可能性があるゾ」
アスナ「ありがとう。コノハ、イマイクワ…」
アルゴ「…何があったか知らないが、今日だけで45万稼げたゾ」


【アスナの後には…】

アスナ「…邪魔」
アスナ「…邪魔」
アスナ「…ジャマ」
アスナ「…ジャマ」

満月の綺麗な夜、襲い来るモンスターを一瞬で殲滅していく様を見たプレイヤーから、後に35層には鬼神がいるという噂が流れたとかどうとか。そしてその噂は尾びれがついていき『人を貶めるものにその鬼神は容赦なく剣を振るう』となり犯罪率の低下に繋がったとか。



コノハが脳内で一々かっこいい言い回しを考えていたとかも書こうと思いましたがカット。
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