SAO 〜しかしあいつは男だ〜   作:置物

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ちょっと本文短いですが投稿
リズとの出会いはパターンがコノハ一人で(無駄に印象悪い)、コノハ一人で(偶々見つけて)、キリトと二人で(アルゴに教えてもらい)、キリトと二人で(コノハ印象悪い)、キリトと二人で(原作みたいな感じで)と無駄に浮かんだ結果一番最後の無難なのを選んでしまった…
ぎゃ、ギャグは後から詰めますから!


extra8 鍛冶屋との出会い 前編

カーン、カーン、と工房に鉄を叩く音が鳴り響く。

あたし、リズベットは45層にある自身の工房で槌を振るっている。

炉の近くでの作業で顔中汗だらけになるが作業中に一度でも手を止めれば完成する武器の質が落ちるため拭き取らずにひたすら熱されたインゴットを叩く。

数分叩き、インゴットが一際輝き、剣の形になる。それを持ち上げ、鑑定スキルで出来栄えを見るが、なんとも言えない性能の物に眉を潜め近くの壁に立てかけ、もう一度インゴットを叩いて武器を作ってを繰り返す。

そうしていくうちにあたしの近くの壁が武器で埋まっていき、一つの剣がカランと音を立てて倒れた時、我慢の限界で叫んだ。

 

 

「あぁもう!ここの所良剣クラスばかり出来るわね!趣味の絵も小説も思うようなの書けないし、これが俗に言うスランプってやつ!?」

 

 

作業台から立ち上がり、立てかけていた出来立ての剣に組合から文句を言われない程度の適当な価格が書かれた値札を付けて店頭、ではなく端に置いてある樽に乱雑に放り込む。あたしは自分が納得した物以外はこうして店の端に適当な値段で置いている。もうこのような状態が二ヶ月は続き、店頭には一つも武器が並んでいない。前まであたしの店は攻略組がよく来ては武器を眺めていたのだが、今では月に三人くらい来ればいい方だ。

しかし売り上げは正直前より少し良い。その理由は鍛冶スキルをマスターしたあたしが作る武器は例えあたしが納得いかず、攻略組には物足りないものでも中層プレイヤーにとってはとても良質な上に価格も御手頃なためどれだけ量産してもすぐ売れるからだ。今では中層プレイヤーの4割くらいはあたしのハンドメイドだと思う。

けど違う、あたしはただただ武器を作って売っていきたいんじゃない。あたしはあたしが納得いく作品を、人が最高だと称する物を作りたいのだ。それが武器だろうと、小説だろうと、絵だろうと。

このスランプを脱するにはどうすればいいのか分からないまままた今日も終わるかのかなとカウンターでぼぅっとしていた昼頃、ドアにつけられたベルが二人の男の来訪を知らせる。

 

 

「いらっしゃいませ」

 

 

あたしは相手の機嫌を損ねないよう挨拶をすると、女の子のような顔の優男は軽く会釈し、少し吊り目な男は「どうも」と挨拶を返す。

 

 

「武器をお探しにいらしたのですか?」

「あ、うん」

「でしたらすみません、現在あるのはこちらに入ってる分しかありません」

 

 

そう言ってさっき武器を補充した樽を指差す。

二人は剣を一本一本手に取って見ていく。

 

 

「これ以外には?」

「すみません、諸事情により現在あるのはそこにある分だけで」

 

 

それを聞き、優男は「なら」と背中の鞘から剣を抜いた。その剣は漆黒と表現していいほど黒く、一目見ただけで業物だと分かり、あたしの対抗意識を刺激した。

 

 

「これと同等以上の性能の武器を作って欲しいんだけど」

 

 

あたしはスランプで作る気はなかったが、優男から差し出された漆黒の剣に興味を持ち、見るだけならタダだろうと思い右手で受け取った途端、取り落としそうになるほどの重さが腕にかかった。

恐ろしいほどの筋力要求値だ。鍛冶屋兼戦槌使いとして筋力パラメーターはかなり上げているけど、これは触れそうにない。この優男、見た目によらず中々脳筋ステ振りしてるなと思いながら剣を持ち上げる。

持ったままでは辛いのでカウンターの上に置き、指先でクリックして詳細を見た。

カテゴリ《ロングソード/ワンハンド》、固有名《エリュシデータ》。

これを作り上げたのは誰かと製作者の銘を見ると《なし》と書かれていた。つまりドロップ品だという事だ。

アインクラッドに存在する武器は鍛冶スキルで鍛え上げられた《プレイヤーメイド》とモンスターや宝箱から手に入った《ドロップ品》の二つに分けられ、プレイヤーメイドの平均価格帯の品とドロップ品の平均出現帯の品を比較すると前者の方が質は良いと言われているが、極偶にこういう《魔剣》が現れることがあるとは、噂には聞いたことがある。

自然な成り行きとして、鍛冶屋はドロップ品の武器に余りいい感情を抱かない。かく言うあたしもそうだし、このドロップ品に負けたくなかったので、「ちょっと待って」と言って店の奥にある自室に行く。

小説や漫画を書く作業机とベッド、一つの本棚と少し寂しい部屋の壁に掛けられた剣を両手で取る。

この剣はあたしが作り上げた武器の中で最高傑作と自負している物で、本当に認められる人に渡そうと思っていた物だ。しかし職人のプライドの方が優先だ。

二人の元に戻り、持ってきた剣を優男に渡す。

優男の手で鉄製の鞘から抜かれた刀身は優男の顔を鏡のように写し出し、吊り目の男が「ヒュ〜」と口笛を鳴らす。

優男は片手で剣を振り回し振り心地を確かめている。

 

 

「どう?」

「少し軽いかな?」

 

 

確かに、その武器はスピード系の鉱石を使っているため、あの魔剣を振り回すこの人にとってはそうかもしれない。

優男はどうもしっくりこないといった顔で振り終えるとあたしに視線を送る。

 

 

「ちょっと試してみてもいいかい?」

「試すってなにを?」

「耐久力をさ」

 

 

そう言って優男はカウンターに置かれた自身の剣を吊り目の男に渡し、あたしの剣をすっと振りかぶる。吊り目の男は何かを言おうとしたが「はぁ…」とため息を吐いて受ける形で構える。

 

 

「ちょっと!いくらあんたの剣でも折れちゃうわよ!」

「まぁ、折れた時は折れた時で」

 

 

優男の持つ白銀の剣をペールブルーのライトエフェクトが包み始める。

剣は物凄い速さで振り下ろされ、瞬きする間もなくあたしの剣とぶつかり、店中を震わせるほどの衝撃音を鳴らした。

ぶつかりあった剣から火花が弾け、見事に刀身は真ん中からぽっきり折れ、刃の半分が窓を割って外へ消えていった。

優男の剣ではなくあたしの最高傑作の。

 

 

「うぎゃあぁぁぁ!?」

 

 

優男から剣の半身を奪い取り一縷の希望を信じて眺め回すが、修復不可能と分かり、がくっと項垂れ剣を落とし、剣は地面に当たると同時に砕けた。

あたしは顔を上げて優男の胸倉を掴む。吊り目の男は呆れ顔で優男の剣を肩で担いでいた。

 

 

「あ、あんたなにしてくれてんのよぉぉ!!」

「ご、ごめん!まさか当てた方が折れるとは思わなくて…」

「俺は薄々こうなるんじゃないかって思ってた」

「そ、それってつまりあたしの剣が思ってたよりヤワっちかったって意味!?」

「「まぁそうなるな」」

「二人して開き直るなぁ!い、言っておきますけどね!材料さえあればあの黒い剣をポキポキ折れるくらいのを幾らでも鍛えれるんですからね!」

 

 

多分!と心の中で付け加えておく。出来なかった時はアスナ直伝テヘペロ顔で凌げるはず。

 

 

「ほほう?」

 

 

勢いに任せたあたしの言葉に優男がにやっと笑った。

 

 

「そりゃあぜひお願いしたいね。これがぽきぽき折れる奴をね」

 

 

優男は吊り目の男から剣を受け取り、あたしに見せびらかすように鞘に収める。

その行動に頭に血が上ったあたしは優男に指を差して大声で言った。

 

 

「そこまで行ったからには全部付き合ってもらうわよ!金属を取りに行くところからね!」

「いいけど、その金属は俺たちが指定していいのか?」

「いいわよ!」

「なら話は決まりだ。俺の名前はキリト。後ろにいるのはコノハ」

「よろしく」

「ふん!」

 

 

あたしとその二人、キリトとコノハはこうして会った。




アスナ直伝テヘペロ顔
文字通り友人のアスナから教わった技。
しかし教えたアスナ自身は何も凌げた試しはないとか。


【リズの剣が折れた頃】

ケイタ「お、あそこだ。リズベット武具店」
サチ「私に合う武器があるといいな。ん?」
そのとき、リズベット武具店の窓が割れ、剣の半分がサチの頭に突き刺さった!
サチ「あばぁぁぁあ!?」
ケイタ「サチぃぃぃ!?」
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