無題   作:wall

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あと何話で完結できるのか?
それは作者でも分かりません。


思考

なんなんだこの日記は。

ここに書いてあることが本当だとすると

星野雅美は母さんの姉ではない。

僕と同じような境遇の人が少なくとも2人はいる(正確には2人いた)ということ。

そしてこれに関しては信じたくはないのだがドアの向こうにはなにもない空間が広がっている。

ということになる。

途端に体に変な汗が流れる。

時がたつのが異様に長く感じ、目眩に近い何かが襲う。

この日記を書いた人はこの後どうなったんだ?

最後にこの人はなにを思いついたんだ?

僕はここからでられるのか?

いくつもの疑問が頭には浮かんでは結論を出せないまま消えていく。

恐る恐るドアノブに手を掛ける。

・・・外から鍵がかかっていた

「もう・・・やめてくれよ」

正直なにも考えたくない。

でも考えることをやめてしまうと本当に気が狂ってしまいそうな気がした。

 

そんなときドアをノックする音が聞こえた。

途端に体が硬直する。あの人だ。

なんだ?この日記を読んだことがばれたのか?

いろいろな考えが一瞬で頭をよぎる。

「ご飯できたけど食欲はあるかしら?」

とりあえずは一安心した。

あの日記にあったが彼女は食事、トイレ、風呂といったものは用意してくれるようだ。

だが食事をすると言うことは必然的に彼女と一緒の空間にいることになる。

正直こわい。

だが現状自分が持っている情報があまりにも少なすぎる。

――聞かなくては

――知らなくては

恐怖に負けそうな自分の心を奮い立たせる。

「そうですね・・・ちょうどおなかが空いてきた頃です。」

 

 

 

出された食事はご飯と味噌汁、鮭の塩焼き、それと漬物。いわゆる日本食であった。

食事に手をつけてみたが極度の緊張のせいかほとんど味がしない。

「ここってどこなんですか?」

「言ったじゃない。私の家よ」

「それは分かったんですが、ええっと、家の場所っていうか住所?

 星野さんってどこに住んでるんですか?」

「ああ!そういうことね! 鹿乃宮(しかのみや)ってところよ」

「鹿乃宮?ええっと、ごめんなさい。聞いたことがない地名なんですけど・・・

 その、鹿乃宮ってどこにあるんですか?」

「東京よ。なんでそんなこと聞くの?」

「いえ、その、ちょっと気になって・・・

 それにいつまでも星野さんの家に長居する訳にもいきませんし」

「遠慮なんてしなくて良いのに。

 それに家を出て行くのは春人君の体調が良くなってからでいいわよ。」

どうやら鹿乃宮といわれる地名は東京にあるらしい。

といっても、あの日記を信じるのであればここが本当に東京なのかどうかは分からないが。

その後もいくつか雑談を交えながら話を聞いたがこれと言って情報を得ることはできなかった。

食事を終え食器を片付けようと席を立ったとき、激しい立ちくらみのようなものに襲われた。

立っていられないほどのひどいものだったため席に座る。

すると星野さんが駆け寄ってくれた。

「大丈夫?やっぱり体調が悪いんじゃない?食器は私が片付けるから春人君は部屋でゆっくりして

 らっしゃい。」

礼を言おうと顔を上げたその瞬間、また見てしまった。人の顔が歪む瞬間を。

一瞬であったが彼女の顔は歪んでいた。

「・・・っ、大丈夫です」

なんとか僕はその一言を言うことができた。

 

 

 

 

 

食事が終わり、1人部屋に残された僕はここから脱出する方法を考えていた。

「(食事をすれば元の場所に戻れると思ったんだけどな・・・)」

1回目の体が小さくなったときも、2回目の体が宙に浮くような感覚になったときのどちらもが意識を失う前に食事をしていた。

だからご飯を食べれば元の場所に戻れるかもと淡い期待を抱いていたが、現実は違ったようだ。

といっても今自分がいる場所が現実なのか夢の中なのかすらも分からない。

「(なんだ・・・?なにか忘れているような気がする。

  確かに食事をした後に意識を失ったが、意識を失った時それ以外にも他に何かをしたような気

  がする・・・思い出せない)」

もう一度1回目と2回目の出来事をしっかりと思い出してみる必要がありそうだ。

「(何か、何かきっかけさえあれば思い出せそうなんだが・・・ダメだ、思考がまとまらない)」

覚悟を決めて彼女と食事をしたのは良かったが、得られた情報があまりにも少なかったことと、

またしても人間の歪んだ顔を見てしまったせいでどうやらかなりの精神的疲労がたまっているようだ。

どうやら睡眠が必要なようだ。

布団に入ると疲れからかすぐに眠ってしまった。

 




読んでくださりありがとうございました。
今回はあまりお話を進めることができませんでしたがどうでしたか。
最終的な着地点は決まってるんですが、いかんせん行き当たりばったりなせいでそこに持っていくまでが大変です。
感想書いていただけると励みになります。
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