さくらと苺鈴はお堂の近くで占いのテントを発見します。しかし、そこにはクロウ・カードの1枚・
1999年1月1日(元旦)。
さくら、桃矢、藤隆の一家は観月先生の実家の月峰神社にやってきました。そうです。今日は彼女の神社で忘年会をするのです。しかも彼らの傍には・・・。
「どの神社でも一杯の屋台だね・・・。」
さくらちゃんの想いの人の雪兎さんも一緒です。
「さて、どれから食べようかな・・・。」
「雪、先にお参りしてから、飯にしろ!大体、御前さっきあれだけの御節食ってまだ腹いっぱいにならないのかよ。」
「僕一杯食べないと身が持たないもん。」
「ははは・・・、月城くんは食べ盛りだね・・・。先生のお家に着いたら、直にご飯にしようね。」
さくら一行は、お堂に着くと早速その観月先生に会います。先生は・・。
「いらっしゃい。。」
「こんにちわ~~。」
さくらちゃんは、もうメロメロです。
「また、さくらの天然ボケが始まりやがった・・・。この天然怪獣綿菓子猫。」
「また、シスターコンプレックス。」
「煩え、一人っ子。」
「ちょっとそこのお兄さんたち、神社で喧嘩しないで頂戴。」
「ヘイヘイ、ごめんよ。って・・・。」
桃矢達の後には長めのスカートのチャイナドレスを着た苺鈴が立っています。彼女に傍らにはお目付け役の衛が立っています。
「苺鈴ちゃん・・・。」
「ニーハオ。」
「どうしてココに?」
「忘れたの?私も忘年会に呼ばれたのよ。」
「というか、従兄弟さんは?」
「小狼だったら、友枝町を散歩しているわ。」
「散歩・・・?新年早々にか所詮は中国の餓鬼んちょだ。」
桃矢の背後から、さくらの尻たたきが飛びます。
「テエエエエエ。」
桃矢はお尻を押さえて呻きます。
「そんな冷たいこと言わないでよ・・・。」
さくらは腕を組んで不貞腐れます。
「さあさあ、仲良しさんはその辺にして。」
そんなとき、お堂の近くに盛大な行列が並んでいます。
「ほえ?何だろう。なんでココにも行列が並んでいるのかしら?」
「占い師さんでも出たんでしょう。」
苺鈴はすたすたと行列の方に向かいます。さくらも彼女の後を追うように行列の方に向かいます。やがて、最後尾になった2人は長時間もまたされます。
「すっごい列ね・・・。足が棒になっっちゃいそうだわ。」
「こんなキレイな神社の庭に占い屋さんの屋台があるのかな?」
「まさか?」
2人が会話している間に前の列が空いてしまい、後の列が満杯になってしまいます。さくらと苺鈴は慌てて猛スピードで前の方に進みました。
数秒後、やっと二人の出番が近づきました。といっても占いは1人に一度限りになっているのですから、さくらの前に並んでいた苺鈴が先に占ってもらうのです。
「さてと占いの場はどんなところだろうな。」
「テントじゃないの?」
「テント?」
「ほら、お祭りとかであったじゃない。」
「そういえばあったよね。」
そのことで話していたときについに苺鈴の出番が来ました。
「やっと私の出番ね。」
苺鈴は意気揚々と店に入ろうとします。しかし、さくらは何かを感じます。
「どないしたんや?」
カバンの中からからケロちゃんがひょっこりと顔を出します。実はけろちゃんはいつクロウカードが出てくるか判らないから着いてきたのです。
「ケロちゃん、この近くにクロウカードがいるわ。」
「ホンマか。何処からやろう。」
「えっと・・・。」
さくらはクロウカードの気配を探り出します。その時に、テントから苺鈴の声がしました。
「木之本さん!占いさんが付き人用の椅子もあるからいらっしゃいと誘ってくれたから、入ってきて!」
「良かったな。さくら、はよ入り。」
「・・・うん。」
さくらは不安そうな顔をしつつもテントに入ります。
さくらがテントに入ると苺鈴の言うとおりに付き人用の椅子が来客用の椅子と並んであります。苺鈴の向かいには紫のローブを纏った女性が座っており、椅子の間のテーブルには金色の天秤が置いてあります。さくらは彼女を見て、緊張します。普段のさくらは素直で人を疑うことを知らないのですが、クロウカードの気配を感じるため、騙されるわけには行かないのです。
{この人・・。}
{確かにクロウカードの気配が・・・。コイツは・・・。}
「木之本さん、早く座って。」
「・・・うん・・・。」
さくらは女性からクロウカードの気配を感じつつも付き人用の椅子に座ります。苺鈴は女性の方を向きます。女性は苺鈴を見ると何か言葉を送ります。
「李 苺鈴さんですね・・・。」
「ハイ・・。」
「誕生日は3月25日、ちょうど今日。貴方は我が作り主の魔術師・クロウ・リードの遠縁でありながら、魔力を持っていない。」
「え・・・?我が作り主・・?クロウ・リード?」
「その代わり体術を得意として従兄弟で婚約者である少年を手助けしている。」
「え、ええ、そうよ。」
[やっぱり、クロウ・カードだよ。]
[あれは、
[特殊カードを弱らせる方法は確か名前を当てることよね?]
[他にもあるけど、それは判らん・・。]
[ホペペッペー。]
[ドロンボーか・・・。]
さくらとケロちゃんが内緒話をしている間に、苺鈴と秤と名乗る女性の会話が進んでいます。
「それでも、現在は彼女の持っているカードより少ない。」
「(頷く)」
女性は天秤の器に2枚の銀貨を左右其々に乗せ、それを押さえている台を退かすと、梃子は左に傾いた。
「当たりね。」
「つまりは私が貴方を捕まえれば私の大手柄ね。」
「そうかもしれないわ。」
秤は占を終えるとさくらの方に顔を向けます。
「貴方、確か彼女の付き人だったわよね。」
「はい。」
「貴方が彼女達曰くの生意気カードキャプターさんね。」
さくらの懐の中からカンカンのケロちゃんが飛び出します。
「生意気はあの小娘や!」
「何ですって!」
「まあまあ・・・。」
さくらは苺鈴とケロちゃんの喧嘩を仲裁します。
「今日の11時丁度に神社の裏庭に来なさい。」
「ほえええええ!」
突然の決闘の果たしにさくらは吃驚仰天です。
そして・・・。
「本当に11時丁度に神社の裏庭に来ちゃった・・・。」
「しかもなんで小娘まで・・・。ま、あのアホたれ小僧がおらんかてましやわ。」
「全く小狼のオバカが。いつまで散歩しているのよ。」
神社の中庭にはさくらと苺鈴とケロちゃんが集っています。
「そんなことより、知世はなんでおらんのや?さくら、なんで知世を初詣に呼ばへんかったんや?知世に頼めば超高級なバトルコスチュームが着られるのに・・・。」
「なんで知世ちゃんや恥ずかしい衣装が出てくるのよ!ケロちゃんのスカプラドボーン!」
「アクダマンかい!?」
「はいはい。言い争いはそこまでにして・・・。」
彼女達の背後にはいつの間にか秤が立っていたのです。
「出よったな、秤!」
「ええ、出たわよ。」
「まさか、こんなに早く来るとは思わなかったわ。」
「ええ、私は決して時間を破らない主義よ。さあ、この私を捕まえて御覧なさい。」
「ええ、そうさせて貰いましょう。」
苺鈴は拳法を身構えて戦闘に入ります。
「はあああああ!」
苺鈴は拳を構えて、秤に殴りかかろうとします。しかし、拳を悟った秤は巨大な天秤に姿を変えます。
「ほええええ!秤が大きな天秤に変身した~~~~!」
「そらそうや。このどでかい天秤こそがこいつのホンマの姿や・・・。」
秤の本当の姿を見た苺鈴は戸惑います。
「何これ!秤ってこんな大きな姿だったのね・・・。」
「勿論、今のは仮の姿。そしてこれが本当の姿・・・。」
「ほええええええ。」
「あら、こちらのお嬢さんは驚いたのね・・・。ほほほ・・・。」
天秤は大きな器でさくらたちに体当たりを食らわせます。その勢いで苺鈴とケロちゃんと吹っ飛んださくらは懐から
「風!」
風のカードはクッションになって彼女たちを支えます。
「助かった~~~~!」
「こら、例のあれを使わなあかんな。」
「ケロちゃん・・・。」
不意に再び秤の攻撃が始まります。
「ほらほら、他所事なんて考えている暇なんてないわよ。」
次第に天秤の攻撃が激しくなります。
「もう、人の心を読んで攻撃をするなんて卑怯じゃないの!」
「それはそうよ。私は人の嘘だって暴けるのよ。」
「これじゃ、攻撃できないよ。」
「だからって、何もしないよりはましでしょう。」
苺鈴は構わず攻撃します。
「ハイヤアアアアア!」
苺鈴の拳が天秤の柱に命中しますが、歯が立たず・・・。
「(痛がる)」
赤くなった片手を押さえて走り回ります。
「うわあああ、痛そうだね・・・。」
「あいつの体は
「あれって、まさか・・・。」
さくらは
「それはヤダアアア!」
恥ずかしがるさくらの傍にいつの間にか来ていた秤が恥ずかしそうに身震いします。
「たたた・・・・確かにあれを使えば私と互角になるけど、着物姿だからまずそうね・・・。」
「ほえ?」
「どうやら、あのカード?さくらの考えを読んだみたいやな。」
「うん。」
さくらはもっと恥ずかしいことを想像します。今朝の事です。
{実は私、今朝、着物を着る際に・・・、ケロちゃんに手伝ってもらったんだ・・・。}
着物を着るのは誰でも難しく帯を締めるのは特に難しいことです。さくらは小さいながらケロちゃんに帯を締めてもらうときに、下着姿のままケロちゃんと一緒にこんがらがってずっこけてしまいました。
「本当に恥ずかしいね。人に言えそうにもないわ・・・。それは女性である私も同じよ・・・。」
「貴方も着物を着たことはあるの・・・。」
「いえ、もしかしたらと思っただけよ・・・。」
「"もしかしたら"?はは~~~~ん。」
「え?貴方、私が未来を予測できないこともわかったの?」
「ええ。」
秤は一瞬硬くなります。
「今や、さくら!」
「うん!」
さくらは懐から
「
雷獣が現れて秤に噛み付きます。
「キャアアアアア!」
秤は悲鳴を上げて倒れようとします。
さくらは透かさず水のカードを出します。
「水よ!戒めの鎖になれ!水!」
水流が天秤を受け止めます。
「汝のあるべき姿に戻れ!クロウカード!」
「キャアアアアアア!」
秤は悲鳴を上げながら、クロウカードに戻りました。
「『
「やったでさくら!」
「ウキイ!またやられた!
なんで雷のカードを使うなんて思いついたのよ!」
「『秤』は鉄で出来た体だからだよ。」
背後から可愛らしい女の子の声がしました。
「鉄は電気を通すなんて理科の授業で習ってましたものね。すばらしいですわ、さくらちゃん!」
なんと茂みの奥から着物姿の知世ちゃんがビデオカメラを抱えて飛び出しているではありませんか。
「知世ちゃん!?いつからココに!?」
「最初からココに隠れて大きな天秤さんを観察してました。」
「ほえええええ。また、やられた~~~~。」
さくらはぺたんと膝を着きます。
更に裏庭に小狼が現れます。
「小狼!」
「苺鈴!大丈夫か!?」
「大丈夫じゃないわよ!小狼のスカポンタン!どうしてもっと早く来なかったのよ!」
「ゴメン!で、何があった。」
「今日、秤ってカードが出てきたんだけど、時間をかけて封印しちゃった。」
さくらは秤のカードを小狼に見せます。
「クロウカードだったのか。」
「そうや、惜しかったなお間抜け小僧さん。」
ケロちゃんは小狼の耳元でからかいました。
「よく、封印できたな・・・。」
小狼は呆気羅漢に取られます。どうやら、かなりの特殊カードだったので小狼も気がつきませんでした。
その様子を観月先生が面白そうに見ています。
数時間後、さくらたちは観月先生の神社で新年会を行います。といっても小狼は桃矢や観月先生の前では顰め面です。
競技は百人一首の歌留多取りで、さくら達兄妹と小狼は雪兎さんの目の前に激しく挑みあいます。それを見て、藤隆パパと観月先生は微笑みます。
モチーフはギリシャ神話に登場する正義の女神・テミスの娘のアストライアーの持つ聖邪の天秤で、名前の由来はてんびん座の英語『LIBRA』から取ったものです。ただ天秤といっても紐の長さは左右非対称で紐の先は受け皿ではなくそれぞれ月と日の錘のようなものを付けています。
アニメ・さくらカード編第10話『さくらとケロの