しかし、知世たちは大きな水流に攫われてしまいます。さくらはおじいさんや皆を救うために水流に立ち向かいます。
1999年4月1日。
「ハイ!チーズ!」
カメラの前で洋服姿のさくらと知世、チャイナドレス姿の苺鈴が微笑んでいます。カメラを構えているのはボディガードの女性の1人です。女性は知世たちの写真撮影を終えると、左横で控えている奈緒子ちゃん、利佳ちゃん、千春ちゃんに呼びかけます。
「お次の方、どうぞ。」
『は~~~いい!』
洋服姿の奈緒子ちゃんはカメラの前で微笑みます。
今日は知世ちゃんの実家の豪邸で苺鈴の誕生日を行います。その誕生会を提案したのは知世ちゃんの母の園美ママです。園美ママはさくらの亡き母・撫子の従姉妹なので、さくらと知世は親戚関係と云う形になっています。
「苺鈴ちゃん、その格好は寒くありませんか?」
確かに苺鈴のチャイナドレスは略半そでですカードの丈は少々短いのだ。
「だってしょうがないでしょう。お誕生日で着る宴の衣装はこれしかないんだから。第一派手なのじゃなければいいんでしょう。」
「確かにこの衣装はシンプルだね。」
「それにしてもよく、李くんは誕生日にいらっしゃらなかったですね・・・。」
李家では剣の練習をしている小狼がくしゃみをします。
「だって、小狼はクロウカード探しで忙しいじゃない。私も手伝おうって時に、『助手も偶には羽伸ばしておいで』って態々大道寺さん家に行かせなくてもいいのに・・・。」
「まあ、ケロちゃんもいなくてラッキーだったじゃない。」
「それもそうね。あの不細工がいなくてよかった。」
さくらの家ではゲームをしているケロちゃんがくしゃみをします。
3人がお喋りしている合間に奈緒子ちゃん達は写真を撮ってもらい終えます。その横で知世ちゃんママの園美ママが時計を見ています。
「遅いわね、御祖父様。もうそろそろ来てもいい頃なのに・・・。」
「「御祖父様?」」
「さくらちゃんのお母様と私のお母様の御祖父様ですの。」
「そういえば、大道寺さんのお母様と木之本さんのお母様って昔からの大親友で従姉妹だったんですって?ということは貴方達は再従姉妹ってこと。」
「そうなんです。」
「木之本さんのお父さんやお兄さんから聞いた話だとお母さんは元々は大富豪のお嬢様だったんだって?」
「へえ、知らなかった。さくらちゃんのお母さんは8年前に亡くなってしまったんだっけ?」
「うん。」
「じゃあ、小狼のお母様と木之本さんのお父様が結婚なさったら義理の姉弟ってことになるわね。」
「そうなったらさくらちゃんもお兄ちゃんも苺鈴ちゃんの従兄弟姉妹だよ。」
不意に応接間の戸が開いて、30代間近に見える男性が入ってきました。
「知世、園美、遅れてすまない。」
「貴方お帰りなさい。」
「お父様お帰りなさいませ。」
「只今。」
『お邪魔してます!』
「いらっしゃい。
おまえ、知世、やっと曾御祖父様を連れて来たぞ。
では義御祖父様、どうぞ。」
「うむ。すまないね・・・。」
知世パパが恭しくドアを開けるとサンタ・クロースによく似た60代前半の白髪の老人が入ってきました。さくらはその人を見るなり、目が転々になる。
「ほえええ。貴方は・・・。あの時の洋服をくれたおじいさん。」
「いらっしゃいませ。お爺様。」
「お初にお目にかかります。曾お爺様。」
「ほえええ!曾お祖父さん!」
老人はさくらを見ると、きょトンとします。
「ん。おやおや、君は・・・。あのときの一緒にテニスをしたお嬢さん。」
そう去年の夏休みにさくら一家と雪兎はある森林に遊びに来た際に、さくらはその別荘に住む老人と仲良くなり、お茶をしたり、テニスをしたり、楽しい日々を送っているうちに老人の幼い孫娘の形見のドレスを貰います。
「へえ、そんなことがあったんだ。」
「そうなのよ・・・。」
「だったらどうしてそのドレスを着てこなかったの?」
「そうだよ。あれ可愛いんでしょう。」
「可愛いけど、あれは夏用なんだ。」
「あ、そうか。それ着たらさくらちゃん、風邪引くよね・・・。」
「そんなの関係ないじゃない。ほら私だって半そでよ・・・。」
「苺鈴ちゃんはね・・・。それにしても知世ちゃんの曾おじいちゃんで、知世ちゃんのお母さんのおじいちゃんだなんて知らなかった。」
「お爺様は私の父方のお爺様だったのよ。」
「ほええ?」{てことはあのドレスは知世ちゃんのお母さんの姉妹の形見?でも、お母さんに兄妹姉弟がいたっけ?}
さくらたちは首をかしげて呆気羅漢に取られます。
「ところでそちらのお嬢さんたちはさくらちゃんと知世さんとやらのお友達。」
「はい。
佐々木 利佳ちゃんと同じ部活仲間の三原 千春ちゃんと柳沢 奈緒子ちゃん、それに香港から来日してきた李 苺鈴ちゃんです。」
「よろしく。」
「おお、よろしく。」
おじいちゃんはすっかり苺鈴たちと親しくなります。
「そうだわ。みんな仲良くなったついでにみんなで水族館に行ってきたらどうだ。」
「水族館?」
さくらは知世パパの語源に首を傾げます。
一方そのころ、ケロちゃんは先月さくらに買ってもらったサクラ大戦をしています。
「よっしゃ、李 紅蘭がヒロインになったで!うっひょう次は8面目や!
今日はさくらが知世んちで雛祭りをしている境、今日は最終面までクリア出来そうや・・・。へへへ・・・。」
テレビゲーム画面にはサクラ大戦の第8話目・平和な日はデートだよ!のタイトルが出ています。
いつものケロちゃんは宴や祭日、学校の行事などの特定の用事には留守番をさせられては拗ねるのに、この日だけは拗ねません。なぜって念願のサクラ大戦を手に入れられてご機嫌なのです。
「ははは、もう少しでカードが全部揃い、
ケロちゃんは8面目に突入します。
一方、友枝町の水族館では、さくらたちがお魚やウミの動物を見て楽しんでいます。
「ほえ、水族館ってこの水族館のことだったんだ。」
「おや、さくらちゃんはココを知ってるのかい?」
「はい。去年、知世ちゃんたちとここに来たときはさくらちゃん、大喜びでした。あそうそう、そのときはペンギンショーもあって、さくらちゃんのお兄さん、その日は星条高校の創立記念日でペンギンの餌やりのアルバイトもしていました。だからショーの最中にペンギンさんも調教師のお姉さんも溺れかかったときに助けてあげたりもしました。」
{実は
「それにその数日後、また事件が起こってここのレストラン付近の水槽が何故か割れて水浸しになったというニュースもあった。」
{それも水の悪戯。私、水に足を捕られて溺れかかったけど雪兎さんが非常用の斧でどこかに穴を開けてくれたり、事件が起こる以前にかき氷の話ししてくれたから水の捕獲は完了した。
ああ、雪兎さんにちょっとは感謝しているよ~~~!}
さくらは水族館内でくるくる踊っています。その背後に苺鈴が立っていて、踊っているさくらの襟元を摘みます。
「木之本さん、水族館内でダンスしてないで、次行くわよ。」
苺鈴はさくらを引き摺って次の階に進みます。
「ははは、天然系もお母さん似だね。」
「木之本さんはポヤヤンなだけです。」
河豚の水槽内で波が漂っています。
館内ではお馴染みのペンギンのショーが行われます。頭部でバレーボールをしたり、玉回しをしたりしてみんなは大笑顔です。
「本当に可愛いな!」
「ペンギンが王冠を被ればペンギン大王の出来上がりね・・・。」
「苺鈴ちゃんうまいこと言うね。」
「そういえば去年にここのショーの最中調教師さんとペンギンさんが溺れかかったわよね・・・。」
「そうでしたわ。その2、3日経った日に、さくらちゃんは月城さんとデート中にさくらちゃんは館内洪水の中で溺れかかっていました。」
「月城さん?ああ、あのメガネの人?」
「うん。
私のお兄ちゃんのお友達?」
「おや、さくらちゃんにお兄さんがいたのかね・・・。」
「ハイ。時々口論もしますけど、これでも一応いい兄です。」
「其のお兄さんに私も会ってみたいね。」
「会えますよ。お兄ちゃん、様々な場所でバイトするのが趣味ですから、ひょっこりと現れますって・・・。」
「案外雪兎さんにも会えたりして・・・。」
「それなら幸せ~~~!はにゃ~~~~ん!」
ハンニャリなさくらに苺鈴の裏手打ちが飛びます。
「ポヤヤンしてないで、次のショーが始まるわよ。」
「あやや。」
お次はペンギンのフォークダンスが始まります。
ペンギンのショーが終わるとさくら達は電気鰻の舞を見物します。
「水槽の中が光っている。本当に電気だ。聖夜でも大変な人気だろう。」
「それは電気ですもの。綺麗な電気を流してみんなを喜ばしてくれますわ。」
「もしかしたらこの水族館内全体の電気はこの子達のお陰なのかもしれないね・・・。」
老人の言葉にさくらたちは大笑い。続いてくらげが水槽の中でさくらたちに舞を披露します。
「わあ、この電気くらげちゃんも可愛い!」
「宇宙人みたい!」
「本当だ。」
おじいさんも苺鈴たちも大喜び。ふいにさくらの目の前で波のようなものが漂っています。
「ほえ?」
「どうかなさいましたか、さくらちゃん?」
「なんか水槽の中が揺れているような・・・。」
「気のせいでしょう。さあ、行きましょう。」
苺鈴はさくらの腕を取る。
「もうすぐお昼よ。館内のレストランでお魚の舞を見るんだから。」[本当に木之本さんはポヤヤンとしているんだから。なんであのお風呂スポンジはこの子にクロウカードを持たせたのかしら?大体この子はクロウ・リードと何の関係もないじゃないの・・・・。]
苺鈴はさくらを引きずってレストランに向かう。
「さくらちゃん、今日は苺鈴ちゃんに引っ張られてばかりだね・・・・。」
「ホントホント・・・。」
「だって木之本さんたらポヤヤンとしているもの!」
さくら達に続いて知世達はレストランに向かいます。水母の水槽の中で波がまた漂っています。
長い螺旋坂に囲まれた水槽があり、その付近にはレストランがあります。去年さくらと雪兎はそこでカキ氷を食べようとします。そのとき、さくらは水を捕まえる方法を思い浮かんだのです。さくらは下のレストランを見つめます。
[懐かしいな~~~~。ここで雪兎さんとカキ氷食べようとして、水の被害にあったもの、その前にカキ氷を話をして、その日の夜に館内にある冷凍室と
「何1人ではしゃいでるのよ。見っともない。妄想に浸ってる暇があったら得等席探しなさいよ。」
「特等席?」
「ショーが見られる席よ。本当に木之本さんはポヤヤンなんだから?」
苺鈴とさくらは言い合っている横でおじいさんは笑います。
「ハハハ。今日はとても確りしたお嬢さんだな。まるで園美さんと従姉妹の撫子さんみたいだね。」
「私達のお母様達もさくらちゃんと苺鈴ちゃんと同じパターンでしたの?」
「うん。あれは彼女達がまだ幼稚園の頃じゃったか。」
それは30年くらいの話でした。
撫子と従姉妹の園美は祖父に連れられて京都に遊びに行きました。
「ほら、撫子早く早く。」
「待ってよ、園美ちゃん。」
撫子の容姿は殆どさくらに遺伝しているが、運動能力は皆無でしょっちゅう、転んだり、物を壊したりするのが屡で、しかも今日は撫子は園美に引っ張りまわされているのです。
「ははは、元気だね。園美さんは。」
「園美ちゃんったら運動神経良過ぎ~~~。」
「撫子がのんびり屋だからでしょう。もう本当に撫子は天然ボケなんだから・・・。」
園美は撫子の前に来ると右手を取って引っ張ります。
「ほら、行くわよ。
おじい様も早く。」
「はいはい。」
撫子とおじいさんは園美に導かれて歩いていきます。
「園美さんは昔から運動神経がよくて、いつもオットリやな撫子さんの面倒を見ていたんだよ。」
「私も母から聞いたことがあります。体育の授業の日でもしょっちゅう痛い目に遭っておられてそれはもう皆さん、驚いて致しました。」
「さくらちゃんだって結構ドジだよ。チアリーリング部の入部初期はよくバトンを頭にぶつけていたし、ポンポンを遠くに飛ばしていたりしてたし。」
「後、去年のアイススケートのときも練習中にずっこけていました。」
「本当にさくらちゃんは顔も性質もお母さん譲りだよね。」
「はうううう。」
さくらは特等席を探しながら老人と千春ちゃんたちの会話を聞いて、泣き崩れます。ちょうどさくらの数m真下に見慣れた男性が見上げています。
「さくら。何してんだ。」
「お兄ちゃんだ。」
さくらは水族館のウェイター姿の兄・桃矢と遭遇します。
さくらたちはレストランで桃矢にショーが見られる特等席に案内してもらいました。
「ありがとう。」
「如何いたしまして。この前は妹がお世話になりまして、ありがとうございます。」
「お兄ちゃんはおじいさんに会うのを初めてだったよね。
それにしてもお兄ちゃんがココでバイトしてて助かった~~~。」
「ショーの特等席紹介してやったから、帰るとき、お菓子貰ってこいよ。」
「ウニュウウ~~。」{ケロちゃんのケーキを貰っておこうかな。}
「私も帰りにオカシをもらっておこうかな。」
「了解しました。曾お爺様の分は必ずご用意しておきます。
「さくらちゃんのお兄さんは相変わらず食いしん坊だね。」
「食いしん坊じゃねえよ。」
「でもオカシ食べたいって。」
「そうじゃねえの。条件だよ、条件。
ところでご注文は?」
さくらちゃん達はそれぞれのメニューを注文します。
「以上だな?」
「以上だよ。桃矢くんとやら。」
「はいはい。」
注文を確認すると桃矢は一時料理を取りにいこうとします。しかしすぐにさくらの前に戻ってきて。
「さくら。」
「ほえ?」
「後で吃驚するようなことがあるかもしれんが驚くなよ。」
「うん・・・。」
一言言うと桃矢は料理を取りに行こうとします。
「驚くようなことがあるって如何いうことかしらね。」
「ひょっとしてさくらちゃんの好きな人もココでアルバイトしていたりして・・・。」
「或いは李くんがこちらを覗こうとしたり致しまして・・・。」
「ヒヤヒヤするようなことを言わないでよ~~~!」
さくらは知世に小声で言います。
[雪兎さんの話題の一件以外で李君が見ているわけないよ。]
その話題に苺鈴が小声で割り込みます。
[ちょっとそれどういうこと?小狼はあの人が好きなの?]
[ハイ。何度も李君は月城さんにお菓子やヌイグルミをプレゼントしたり、赤くなって逃げ出したこともあったのです。]
[ちょっと男の人じゃない。やあねえ。]
「おやおや。3人で何を楽しそうにひそひそ話しておるかな・・・。」
さくらは大慌てで・・・。
「ななななんでもないです!」
突然音楽と放送が響いて例のショーが始まります。
「始まった始まった。木之本さんのお兄さんに助けてもらってよかった。」
「私も苺鈴ちゃんが李君みたいにお兄ちゃんのことを嫌いにならなくて良かった。」
「李君とは?」
「李 小狼君。苺鈴ちゃんの従兄に当たる香港少年。」
「私の婚約者でもあるのよ!」
苺鈴ちゃんは両手に腰を当てて威張ります。
「め、苺鈴ちゃん・・・。」
水槽に銀色のショートヘアの16・7の美青年がレストラン内や付近の観客に手を振っています。さくらはその素顔を見て、目を丸くします。
「ほえ?雪兎さん?」
「そのようですわね。あの無邪気そうな瞳は月城さん本人のものですもの。」
「確かにそうだね。」
青年はさくらを見ると手を振ります。さくらも青年に手を振ります。
{やっぱり雪兎さん・・・かな・・・?}
青年は水槽の中をクルクル舞い、お魚さん達は彼に続いて舞います。青年は何処からともなく帯を取り出して魚達を躍らせます。さくら達はそれを見て盛大な拍手を送ります。
「綺麗だね。まるで魚人さんのようだね。」
「魚人つうよりは人魚だろう。」
おじいさんの横で彼の注文の料理をおいた桃矢はぼそりといいます。
「おやおや、もう来てたんだね。これは失敬。」
「こちらこそお待たせいたしました。」
桃矢は一礼するとさくらは桃矢を呼び止めます。
「お兄ちゃん、追加にレモンのカキ氷1つ。」
「カキ氷?」
桃矢はカキ氷の記憶を浮かべます。
「ああ、思い出した。この前雪の言ってたあれか?よし判った。但しカキ氷代は税込みだ。」
「大丈夫だもん。お小遣いはまだ一杯残ってるもん。」
「ならよかった。」
「じゃあ、私は苺の。」
「私も。」
「私、レモン。」
「私、メロン。」
「私はブルーハワイ。」
「私も。」
「はいはい。」
桃矢はお盆を持って、他の料理を取りに向かいました。
その後もショーが続いてさくら達は料理を頬張ってはショーを見物します。
「もう直ラストよ。」
青年はラストに鰺の輪潜りを披露しようとします。そのとき、彼の背後で波が漂います。さくらはそれを目撃します。
「波?」
途端にさくらは何かを感じます。
「どうしました、さくらちゃん?」
「クロウカードの気配だ・・・。」
「クロウカード?」
苺鈴は首を傾げます。
不意にさくら達の手前の水槽のガラスに皹が入り、少しずつ水が零れ始めます。
「何あれ?」
「なにか嫌な予感がする・・・。皆逃げよう。」
さくら達・観客は遠くに避難しようとします。
「くう、折角のカキ氷を・・・。クロウカードめ~~~!」
遂に水槽が崩壊して大量の波がみんなを襲います。
「大波だーーー!」
「皆逃げろーーーーー!」
さくら達は逃げようとします。
「なにあの波!?これもクロウカードの1つ。」
「それも水よりも強力な力ですわ!」
「どうしよう?これじゃ魔法が使えない。」
「何言ってるのよ!?」
苺鈴はさくらの手を取ります。高くジャンプして、遠くの隅に移動します。
「ココなら魔法使っても大丈夫じゃないの。」
「成程。」
そのとき、知世達の悲鳴が聞こえます。さくらたちが悲鳴のするほうを向くと、なんと知世たちとおじいさんは波に飲み込まれてしまいました。
「知世ちゃん、御祖父さん、皆!」
「ちい、やってくれるわね!」
「みんなを返せ!」
さくらは懐から鍵のペンダントを取り出します。
「封印解除!」
鍵はペンダントに変わり、さくらは杖を身構えます。懐から、
「雨!」
雨のカードは波の上で大量の雨を落とします。そのことに気づいた波は彼女達に襲い掛かります。
「雨で波の注意を引いて攻撃ってわけか。」
波は彼女達を飲み込もうとします。さくらは賺さず風のカードを取り出します。
「風よ、波をはじき返せ。
風のカードは波を押し返します。それでも波は負けずに彼女達に襲い掛かります。さくらは更に
「我らをすり抜けよ!抜!」
波はさくらたちをすり抜けます。
「うわああ!すっごい!さすが小狼の強大なライバル!」
波は背後から彼女達を襲います。
「[[rb:翔 > フライ]]!」
さくらと苺鈴は翔のカードで脱出します。
「すっごく強大なカードだわ。」
「なにか作戦を考えなくちゃ。」
「ええ!カキ氷の恨みは怖いわよ!折角この館のレストラン自慢のカキ氷が食べられると思ってたのに~~~!クウウ!」
苺鈴は拳を構えて歯軋りします。
「まあまあ。私だってお友達やお兄ちゃんをさらわれて黙ってるわけにはいかないよ・・・。だから何か作戦を考えなくちゃ。
え~~~っと~~~~。あ、そうだ。」
「水族館にクロウカードが出てきた。」
「それも強大な波なの・・・。」
「それは
「もう、早く捕まえてカキ氷を食べたいわよ!」
「苺鈴ちゃん、そればっか。
私だったら、鰻や水母の料理だって食べたいよ・・・。」
「ワイも食いたい。水母の膾や鰻丼とか、カキ氷とか・・・。」
「そうだよね・・・って食べ物の話している場合じゃないよ!」
「せや!はよ、波を取っちめてカードにしたれ!」
「うん、判った。」
遠くまで逃げてきたさくら達はクロウカードの件をケロちゃんに報告して、電話を中断させます。
「波のカードか。波ってことは水の属性だよね。だったら簡単だよ。
苺鈴ちゃん、地下の冷凍室に行って、その部屋を開けてきて。」
「冷凍室?ん~、どの部屋か知らないけど判ったわ。」
「ありがとう、苺鈴ちゃん。」
さくらは懐から
「風よ、かの者を導きたまえ!風!」
風のカードは苺鈴の傍につきます。
「風の案内にしたがって行けば一発で冷凍室に辿り着けるよ。」
「成程、さくらが李家のライバル。」
「ライバルは良いよ・・・。
それじゃ苺鈴ちゃん、お願いね。」
「ラジャー!」
苺鈴は風に導かれて、地下に行きます。
地下に向かう非常階段まで来ると・・・。
「苺鈴。」
「小狼。」
正装の小狼と遭遇します。
「貴方もカードを探しに来たの?」
「ああ。クロウカードの気配が下から直ぐにここに来たんだ。苺鈴こそどうして風と一緒にいるんだ。」
「それは・・・。」
苺鈴は小狼から視線を逸らします。ここで苺鈴が小狼を驚かすために波を捕まえるわけですから、彼に言えるはずもありません。そこで彼女は話題を変えます。
「それより小狼。あのカード、ココのスタッフや観客さんを1人残らず捕まえたのよ!」
「本当か!?」
「本当も本当!嘘だと思ったらココを探ってよ!」
苺鈴に促された小狼は館内を探ります。小狼がいなくなると苺鈴は非常階段を降りて、地下に向かいます。
一方さくらは2階の部屋の水槽面に着きます。
「ココね。よくも知世ちゃんたちを!」
さくらは杖を身構えます。すると風のカードが戻ってきました。
「苺鈴ちゃん、冷凍室の部屋を開けてくれたのね。」
風はカードに戻ります。
「よし!波!掛かってきなさい!」
水流が現れます。
「翔!」
さくらは杖にまたがり、波を誘導します。さくらがエスカレーターを通り越すと他の水槽から大量の波が彼女を襲います。同時に中の水棲動物も外に出てしまいます。
「すっごい数。ココの水槽の水は全て波の一部だったんだ。これじゃ凍らせるだけじゃだめだ。」
さくらは必死に波からよけ続けます。
1階の水槽まで来ると、そこの水槽も一つ残らず割れてしまいます。そうしたら、電気水母や電気鰻も出てしまいます。すると、さくらの真下の水面に電流が流れています。
「電流が流れている。水は電気を通すって理科の授業で出てたからな。
電流?そうだ!」
さくらはスピードを上げて、地下に向かいます。
冷凍室の前に辿り着いたさくらは懐から風のカードを出します。
「風!」
風は冷凍室のドアを開けます。立て続けにさくらは水のカードを出します。
「水よ!戒めの鎖となれ!水!」
水のカードは波と一体化するとさくらを避けて小半を冷凍室に入れます。苺鈴は賺さずドアを閉めてます。さくらは波の大半に向き合い、懐から
「雷!」
雷獣は波の中に入ると電流を流します。その衝撃で波の力が弱まります。
「もういいわ。」
苺鈴はドアを開けると波の小半はカチカチに凍っています。
「汝のあるべき姿に戻れ!クロウカード!」
波はカードに変化して、苺鈴の手の中に落ちます。
「やったーーー!大成功!」
さくらと苺鈴は抱き合って喜びます。
すると、彼女達の足元で若々しい青年の呻き声がします。足元をよく見るとショーの青年です。
「大丈夫ですか?」
さくらは思わず青年に駆け寄ります。青年は目を開きます。
「さくら・・・ちゃん?」
「ほえ?」
「さくらちゃんよね。」
「(頷く)雪兎・・・さん?」
「(頷く)」
「やっぱり。」
「あのショーを担当していたのはこの人だったわね。貴方の言ってたお兄様の吃驚するようなことってこれだったんだ。」
「道理で似てると思ったよ。ハニャ~~~~ン。」
そのときさくらは何かを感じます。さくらが振り向くとビデオを構えた知世が微笑み、黒こげ小狼が睨んでいます。
「ほえええ!知世ちゃん!李君なんでココに!?」
「ごめんなさい。いい忘れたけど小狼も来ているのよ。」
「小狼君も来てたんだ。」
雪兎の笑みを見ると小狼は赤面して頷きます。
「ハイ・・・。月城さん・・・。」
雪兎は小狼の前に立って屈みました。
「よかったらココのカキ氷食べていく。」
「はい、そうします。じゃあ、待ってます・・・。」
小狼は猛スピードでダッシュして苺鈴の手を取り、彼らから立ち去ります。さくらと知世は呆気羅漢に見ています。
「ほえええ。行っちゃった。」
「じゃあ、僕は控え室に戻ってるから・・・。」
雪兎も彼女達から去ります。
「ねえ、知世ちゃん。いつからビデオを撮ってたの。」
「李君に助けられて直ですわ。」
「ほえええ。」
「そうそう。波さんとやらが消えた後は同時に被害も消えておりますわ。」
「そうならよかった。」
「さあ、御祖父さま達がレストランでお待ちかねですわ。参りましょう。」
「うん。」
さくらが歩こうとすると右足を何かに取られて滑って尻餅をつきました。
「さくらちゃん、大丈夫ですか?」
「大丈夫だよ・・・・。」
知世が足元を調べるとなんと苺鈴が持ってた波のカードが置いてありました。
「あらら、クロウカードですわ。」
「ホントだ。苺鈴ちゃん、忘れて行ったな。」
「まあいいですわ。折角ですから最後に手に入れたポーズまで撮りましょう。」
「うん。」
さくらは知世のカメラの前でカードを持って微笑みます。
レストラン街でさくら達はおじいさんと一緒にカキ氷をご馳走になります。
「畜生。なんでおれがあの餓鬼の分までカキ氷を奢らにゃならんのだ。」
「いいじゃない。僕の奢りなんだから。」
雪兎もさくらちゃん達と同席しています。
「御前なあ。」
「皆仲良しだね。」
『全然!』
小狼と桃矢は睨みあいます。
「また始まったよ。」
知世はさくらの耳元で囁きます。
[まあ、波のクロウカードが得られてよかったじゃないですか。]
[まあ捕まえたのは私のお陰だけどね・・・。]
[御前、俺に黙って波と戦ってたのか。]
[あのカードは水の属性だから、凍らせれば捕まえるのも簡単じゃない。]
[だったら俺に言えば[[rb:凍 > フリーズ]]のカードで止められるのに、態々冷凍室に行って・・・。]
[いいじゃない。これで貴方のカードの6枚目になるんだから。]
苺鈴はドレスのポケットが探ろうとします。しかし・・・。
[あれ・・・。波、波。]
[
さくらは洋服の袖から『SAKURA』と書かれたクロウカードをこっそり見せます。
[ああ、いつの間に・・・。]
[御免ね。折角苺鈴ちゃんが捕まえたのに・・・。このまま私のにしちゃった・・・。]
「ヒッド~~~イ。」
苺鈴は立ち上がるとさくらの襟元を掴んで前後に揺らします。
「本当に、さくらちゃんと苺鈴ちゃんは若い頃の園美さんと撫子さんに似ているね・・・。」
「本当です。」
「あのおお。お話が見えませんが・・・。」
小狼はこのおじいさんと会うのが初めてでおじいさんから数時間、さくらと苺鈴とのやり取りを聞きながら撫子と園美を思い出すのです。
能力は波を起こすことですが、水の属性であるため
登場場所は