~紅魔館~『会議室』
「『メタルゴッデス』に『スライム』ね、パチュリー、貴方は知ってる?」
「えぇ………魔物を調べたら嫌でも目にする名前よ。
一応スライムは全ての魔物の中でも一番弱いとされている魔物だけど成長の幅がとにかく大きい魔物よ。
中には魔王を倒したスライムさえいる程のね。
そして全てのスライムの原点となる魔物とされるわ。」
「最弱の種だからといって舐めてかかると一撃で死ぬでござるよ?
何せ殿の育て上げたスラリン殿は殿が初めてスカウトした最初の仲間であり、今に至るまでずっと転生配合を続けてきた魔物であり、その回数は500は軽く超えるでござる。」
「500………それは肉体としての性能はもう限界まで上がってると考えても良いのかしら?」
「肯定するでござる。
少なくともスライムという種で完全な理想の肉体となっているでござるよ。
さらに三つの動作を同時に行う事を得意としており、『一族の誇り』を持っているでござるから能力が下がればほぼ確実にテンションバーンが発生するでござる。」
すると一度戦った紫が疑問に思ったのか問いかける。
「あのテンションバーンって発動しないこともあるの?」
「あるでござるよ、でも一族のほこりがある以上ほぼ発動するでござる。
そして最も恐ろしいのが他の魔物と組んだ時に真の力を発揮することでござるね。」
「どういうことかしら?」
「単純な話でござるよ。
主殿のスライムは他の魔物とのコンビネーション重視した戦い方を行い、他の魔物がスラリン殿をサポートし、スラリン殿の一族のほこりが能力を下げにくい状況を生み出すのでござる。」
するとパチュリーが納得が言ったように答える。
「成る程ね………モンスターマスターとしての力を限界まで生かした育成ね。」
「どういうことかしら?」
「モンスターマスターっていうのは基本的に1~4体の魔物を同時に指示を出して戦うのだけれどおそらくスィラってやつの一番強い戦い方が4体を使ったほうなのでしょう?」
「正解でござるよ。
殿の主力はいくつかあるでござるがはぐれメタル殿、スピンスライム殿、スラリン殿、モントナー殿が主力でござるな。
その中でもスライム殿の火力がずば抜けて高いでござるよ。」
「成る程ね………もう一体の『メタルゴッデス』と言うのは?」
するとパチュリーは少し苦い顔をして答える。
「種族として見るならすべてのスライム系の魔物の頂点であり、スライム系を統べる『系統の王』よ。
でもそれは割とどうでも良いわ。一番厄介なのは『メタルボディ』よ。」
「そういえば『メタルボディ』は魔法使いの天敵なんだったかしら?」
「えぇ、『メタルボディ』持ちは全て攻撃魔法や炎や氷のブレスといった属性を持つ攻撃ほぼ全てに対して完全な耐性を持ち、"ダメージが常に1/3"まで減らされてその肉体の硬さその物もダイヤモンド並の硬さをしているわ。
でも『メタルゴッデス』はそんなのとは比較にならないのよ。
全ての魔物の中で一番硬い体を持ち、『メタルボディ』としての特性はさらに強化されて"ダメージを常に1/5"まで抑えるわ。
そして常に3~4回は同時に動くことが出来る上にその神々しさを持つ体その物から『いてつくはどう』が放たれているから能力を強化してもすぐに打ち消されるわ。
それに………速すぎるのよ。」
「速すぎるって?」
「『メタル系』は結構狙われることが多いから逃げるのにも特化しててその動きの速さも全ての魔物の中で一番なのよ。
しかも『メタルゴッデス』は大きさだけでいえば下手したら妖怪の山より大きいわ。
それだけの大きさなら普通は攻撃の的でしかないけど『メタルゴッデス』には当たらないのよ。」
「接近戦をしようにもそもそも追い付けないって訳ね。」
「さらに言えばその魔法の威力も下手な賢者や大魔法使い、大魔王程度じゃ比較にならない程の威力を誇るわ。」
「おお、よく知ってるでござるな。
その通りでござるよ、ただ殿のメタルゴッデスは通常の個体より1/3程度の速さでしか動けなくなってる上に物理的な力も1/3になっているでござるが変わりに体力が倍になるHPバブルSPという特性を持ってるでござるからめちゃくちゃ硬いでござるよ?」
「地味に厄介な………」
「どういう事よ、遅くなってるんでしょ?」
「メタル系の素早さを1/3にしたところであのマスゴミくらいの速さはあるわよ。
それにメタル系は全員共通して物理的な力がかなり弱いから意味ないわ。
それに体力が二倍ってことはダメージが1/5になるメタルゴッデスの特性『超ハードメタルボディ』と合わさって実質10倍の数値で体力が増えていくのよ。硬いなんて次元じゃないわ。
どうせ傷も勝手に回復するでしょうから勇儀でもまともにダメージを入れられるかもわからないわ。
早い話幻想郷の住人じゃ傷一つ負わせられるかもわからないわ。」
「ついでにメタルゴッデス殿の周囲は空間が大きく歪むでござるから余程小さい体でなければまともに動けなくなるでござろうな。」
「最強の奴らの情報は貰ったけど…………これ勝てなくないかしら?」
輝夜が呆れた様子で言い放ち、周囲も考え込むのであった。