スライム狂による幻想王国建国記   作:クロマ・グロ

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人里とスライム  その1

 

~人里~『甘味所』

 

 

 

スイーツスライム達は人里に入ると自分達に近い甘い匂いに誘われて甘味所へと入っておやつを食べていた。

 

「ピキィ~♪(あまぁ~♪)」

「ピキピキィ!(うまい!うまい!)」

「ピキィ♪(しもふりにくのが好きだけど美味しい~♪)」

「ガツガツムシャムシャガツガツムシャムシャ」

「ピキ!(おかわり!)」

 

「あらあら、よく食べるのね貴方達、私も嬉しいわぁ。」

 

甘味所のおばちゃんが団子を沢山食べるスライム達に頬を緩ませている。

スライム達はその愛らしさから愛されることの多い魔物だ。

特に何かを食べるのに夢中になっている時が一番人気があるらしい。

 

「それにしても貴方達、果物みたいな甘い香りがするのね。

何かの果物の妖怪かしら?

でも一匹だけなんか鉄の匂いがするのよねぇ。」

 

おばちゃんはスライム達が漂わせるスイーツの香りに果物の妖怪と勘違いしていた。

 

「ピキィ?(お会計これでいい?)」

「え?あぁ、お会計かい?

えーっとはい、ちょうど頂きました。

ありがとうね、また来ておくれ!」

 

「ピキー!(美味しかったよー!)」

「ピキ!(ごちそうさまでしたー!)」

「ピキピキィ!(美味かった!)」

 

スライム達はおばちゃんにスライムの言葉ではあるがお礼を言って甘味所を後にする。

 

一列にならんで跳ねながら移動するスライム達に人里の人間達は物珍しそうに見ていたがその愛らしさに皆が頬を緩める。

中には子供の人間等はスライムを抱きに行ったり撫でたりしてる者もいる。

 

スライム達はその愛らしさから人々を次々に魅力していた。

 

すると人里の寺子屋の前で子供達と遊んでいると一人の脇の空いた巫女が姿を見せる。

 

「あ………」

「「「「「「「「ピキ(あ………)」」」」」」」」

 

そしてその脇の空いた特徴的な服装からスイーツスライム達は本来の目的を思い出し、今の状況等も合わさってとてつもなく気まずい雰囲気になる。

 

「えーっと………あんたらが次の相手………で良いのかしら?」

 

「ピキー……………ピキ(あーー……………うん。)」

 

スイーツスライム達としても一応本来の目的の対象が目の前にいるが、今いる場所を思い出して気まずそうに頷く。

 

「あー、えーっととりあえず立ち話もなんだし場所変えないかしら?」

「………ピキ(………そうだね。)」

 

「ちょっとまって頂戴、通訳呼んでくるから……」

「ピキ?(通訳?)」

 

そういって霊夢は一度寺子屋の中に入り一人の人物を呼び出す。

 

「どうしたのでござるか?霊夢殿?」

 

そこから出てきたのは偶々情報収集に寺子屋で授業を受けに来ていたスラ忍イエローだった。

…………凄く目立ってたが気にしては負けな気がした。

 

 

_________________________________________________

 

 

 

 

「あら、いらっしゃ………おや?昼間の果物の妖怪さんかい?お友達を連れてまた食べに来たのかい?」

 

「ピキ!(ちょっと落ち着いて話したかったんでまた来ました!)」

「ピキキ!(あと果物じゃなくてスイーツです!妖怪じゃなくて魔物です!!)」

 

「ピーチスライム殿が話をするのにちょうどよいのでまた来たと言っているでござる。

それとプリンスライム殿が我らは果物ではなくスイーツであり、妖怪ではなく魔物であると言っているでござる。」

 

「あら?黄色ちゃんこの子達の言葉が分かるの?

それにすいぃつ?ってなんだい?」

 

「拙者は正確にはイエローなのでござるが………まぁいいでござる。

一応ちゃんとわかるでござるよ、種族は違えど同じ系統のスライム仲間でござるから。

それとスイーツとは甘い菓子でござるよ。」

 

「あぁ、菓子の事を言ってたのかい。

ってことをお菓子の妖怪って訳かい。

あ、でも妖怪じゃなくて魔物?なんだったっけ?」

「いかにも、我らは魔物。

妖怪とは違ってマ素から生まれ、恐怖等無くとも特に問題無く存在を維持出来る生き物でござるよ。

まあでも分かりやすく言うならば人を襲ったりする必要のない妖怪とでも認識して貰えれば良いでござる。」

「はぁ……なかなか凄い子達なんだね……」

 

甘味所のおばちゃんはよく分かっては無さそうだがどういう存在なのかおおざっぱに理解したようだ。

 

「あ、でもこのメタルスライム殿だけはお菓子の魔物ではなく液体金属の魔物でござるよ。」

「あ、やっぱりそうなのかい?

さっき来たときもこの子だけ甘い匂いじゃなくて鉄みたいな匂いだったから気になってたんだよ。」

「こんな見た目でもこの方々は皆拙者よりも強いのでござるよ。」

「まぁ!?そうなのかい?

この間ここで暴れようとしてた妖怪をなにもさせずに倒した黄色ちゃんが勝てないくらい強いのかい!?」

「正直傷一つ付けられれば御の字でござるよ。

このスライム殿は皆とてつもなく速いのでござるよ?」

「まぁ!天狗とどっちが速いのかしら?」

「ピキキ!(あ、天狗なら今朝襲われたよ!)」

「ピキ!(確かにちょっと速いのもいたけど僕達のが速かったよー!)」

「おや?どうやらこっちに来るまでに妖怪の山を通ってちょうど襲われたようでござるな。

まぁ見たところ傷一つ無く蹂躙したみたいでござるが。」

「はぁ…………あいつら喧嘩を売る相手の実力くらい見なさいよ………見た目に騙されるからこうなるのよ。」

「あらあら、随分と凄いのね貴方達。」

 

 

魔物達は割と人里で馴染みはじめていた。

 

 

 

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