スライム狂による幻想王国建国記   作:クロマ・グロ

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星降るスライム  その2

 

 

~迷いの竹林~

 

 

『ごほん!それでは勝負開始でござる!!』

 

メタルスライムは一瞬で後方へと移動し、安全な所からカメラを構える。

さらにホイップ、ピーチ、プリンスライムの三匹が後方へと退避して傍観する。

 

「あら?そっちの三匹はなにもしないのかしら?」

『あ、伝え忘れていたでござるな。

我らは基本的に最大四体までのパーティーでしか戦わないのでござる。

その為後方に下がった者達はスタンバイとして待機しているのでござるよ。

そしてモンスターマスターである主のスカウトリングの力により我らはスタンバイとして待機している間だけは如何なる攻撃であろうとダメージを受けず、効果もないでござる。

ただこちら側からもなにも出来ないので安心してそちらの四体に集中すると良いでござるよ。』

 

舐めてくれるじゃない………良いわよ!やってやるわ!

 

するといきなりスライム達からお菓子の甘い香りが漂い始め、スライム達のいる地面から緑色のオーラが出てきてスライム達に定期的に纏わりついている。

そしてスライム達の頭部から天使の輪が現れ、それから神聖な光が溢れ出す。

 

「早速出たわね………恐らく緑色のオーラが『いきなりピオラ』によって発動した加速魔法、天使の輪がさっき香ったスイーツカーニバルのリザオラルね。」

「とりあえず動きを制限するわよ!!

出し惜しみは無しよ!大結界『博麗弾幕結界』!!」

 

霊夢は己の持つ結界系のスペルカードの中でも最も強く拘束力もある『博麗弾幕結界』を発動する。

 

霊夢を中心に2つの正方形の結界が広範囲に広がり、外への逃げ場を無くした。

一つ目の結界は己の弾幕のみを打ち消すものではあるがその結界の外側にもうひとつの巨大な円形の結界が生み出される。

霊夢から放たれる弾幕は一つ目の結界を境に消滅しているがそれを繋ぐように同じ紅白の弾幕が外側の結界から放たれて弾幕同士を繋ぐ。

円形の結界はどんどん範囲を狭めながらさまざまな方向へと動いてそれに引き寄せられる形で弾幕の線が引き寄せられる。

さらに、霊夢は己の全方位を弾幕で囲んでおり攻防一体の攻撃をしていたのだった。

だが………。

 

「ちょっと!?確かにこれなら素早さを生かしにくいでしょうけど私達も避けるの大変なんだからね!?」

「ナイスよ霊夢!私はスキマにいれば当たりにくいから何も問題ないわ。

そこの蓬莱ニートはほぼ戦力外だから遠慮なく巻き込みなさい!」

「ちょっと!?」

 

輝夜はちょくちょく弾幕に当たりながら傷を再生してスライム達の迎撃を行おうとする。

だがスライム達は……。

 

「ピキッ!ピキッ!ピキィッ!」

「ピキピキピキピキィ!」

「ピキッピキッピキッ♪」

「ピキィィイイ!?!?」

 

一匹を覗いて余裕で避けていた。

どうも一匹は弾幕がこれ程とは予想していなかったようで、想定を大きく上回る量の攻撃にその動きをうまく封じられていた。

 

そう思っていた直後だった………。

突如としてスライム全員が3匹に分裂する程の速さで動き、三つの分身がそれぞれ違う踊りを行う。

二匹の分身全てがそれぞれ全て違う踊りを行い、一匹ずつの計4匹が同じ踊りを行う。

 

『ゆうきの斬舞』、『つるぎのまい』、『呪いのルンバ』、『超さそう踊り』、『メダパニダンス』、『死の踊り』、『タメトラ踊り』、『マホトラ踊り』

 

さらに全員からだめ押しとばかりに『星降りのサンバ』。

 

輝夜達に

無数の斬撃が、

呪いが、

バインドが、

幻惑が、

即死が、

気力の吸収が、

魔力及び霊力や妖力の吸収が、

最後にとてつもない量の流れ星が襲いかかる。

 

 

「ぐぅううう!?

これは……呪い!?霊力が削れる!?

斬撃の嵐や流れ星はよけれるけど霊力と気力が!?」

 

霊夢には呪い、マホトラ、タメトラが入ってその凄まじい量の霊力を大きく削られる。

 

「うそ!?スキマ越しに!?

う………動けないかなり耐性をつけてるはずなのに!?

それに呪いで妖力が削られる上に気力が!?」

 

紫にはバインドと呪い、タメトラの三種類が入れられてしまっていた。

 

「ぐふっ!?」

 

そして輝夜には……………………

 

「ちょ!?」

「言わんこっちゃないわね。」

「…………………ハッ!?」

 

即死が入っていたが輝夜はすぐに甦る。

不老不死の蓬莱ニートは伊達ではないらしい。

 

耐性を大きく持つ霊夢と紫に呪いの状態異常が、即死に対して軽い耐性を持つ輝夜がなんの抵抗も無く即死したのにはスイーツスライム達の持つ『神の踊り手SP』にある。

 

新生配合により強化されたスイーツスライム達には、それぞれ紋晶というアイテムにより持っている特性を大幅に強化されていた。

 

そして『神の踊り手』によって下げられていた耐性はSP特性となっていることでかなり大幅に耐性を下げられていた。

 

ゲーム的に言うならば

霊夢と紫は『呪い激減』、『即死無効』

輝夜は『呪い無効』、『即死軽減』といった所だが、『神の踊り手SP』により無効未満の耐性は全てが例外無く二段階耐性を減少させられる。

 

これにより激減→半減→軽減→耐性無し→弱点となる耐性が二段階下がり、霊夢と紫は『呪い軽減』。

さらに輝夜は『即死弱点』まで耐性を落とされていたのだ。

 

果たして霊夢達はこの地獄のような状況を覆せるのか。

 

 

 


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