スライム狂による幻想王国建国記   作:クロマ・グロ

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今回は幻想郷側の視点となります。


幻想との出会い  その1

 

 

~博麗神社~

 

 

 

今、神社の結界を維持している石碑の前でこの神社の巫女である『博麗 霊夢』と幻想郷の創設者にして管理者であるスキマ妖怪『八雲 紫』が二人揃って結界の調整をしていた。

 

 

「はぁ………ほんとに何も居ないんでしょうね?」

「だからそう言ってるじゃない。

今回幻想入りさせる土地は出来る限りこの幻想郷に影響が出ないようにいろんな世界を見てきて1年半前に見つけて第一候補にした程の土地なんだから!」

 

八雲 紫は今、幻想郷を広げようと新たなる土地を幻想入りさせようとしていた。

 

「良い?あの土地というか世界にはそもそも生き物が一匹も存在しない世界なのよ。

それに出来る限りあの世界を他の存在が見つける事が出来なくなるように鍵もかけたのよ?

それこそ私見たいに世界を渡る事が出来る者でもない限り来れない上にこの世界を発見する事が出来なければ誰も来れないわ。」

 

「でも完全に来れない訳じゃないんでしょ?今回のは私嫌な予感がするんだけど。」

 

霊夢は先程から胸騒ぎが止まらなかった。

 

「もぅ、霊夢ったら心配性なんだから。

大丈夫よ、マルタの国っていう所が不思議な鍵という世界を渡る力を持った鍵をいくつも生み出すそうだけど少なくとも隠蔽をかけてる幻想郷の鍵が無いのは把握してるわ。

同じ隠蔽をかけたあの世界は大丈夫よ。」

 

八雲 紫は己の力を過信気味なのもあり、油断していた。

 

実はスィラがカメハ王子から貰った幻想の鍵とは、既に2年程前からマルタの国で産み出されており、他の鍵の世界を回っていたのや、国が滅亡の危機に陥ったりもあって初めて起動するまでにかなりの期間が空いていたのだ。

 

だがマルタの国は基本的にモンスターマスターの育成に力をいれている為にモンスターの反応がないこの世界はどのみち後回しだったのだ。

 

カメハ達がこの鍵を発見したのも完全に偶々だったりもする。

 

八雲紫が結界を張った際に鍵が変異したりしていたが、それには誰も気付かなかったのだ。

 

「ヨシッ!準備完了よ!

さぁ!幻想郷を広げるわよ!これで海水浴も出来るし海に生息するタイプの妖怪も呼べるわ!!」

 

「はぁ………ほんとに大丈夫なのかしら?」

 

これにより幻想郷が一時的に大地震に見舞われるが、これは想定されていた事でもあった上に混乱を避けるために天狗達の新聞を活用して既に告知してあったことだ。

 

故に誰も気にしなかったのだが…………霊夢だけが唯一それと同時にとてつもない気配が一緒に入ってきたのに気がついていた。

 

だが紫は己の隠蔽結界によって阻まれてこれを感知していない様子だった。

 

「ちょっと!!紫!!」

「へっ!?なになに!?どうしたのよ霊夢ったら?」

「あんた気が付かないの!?この強大な気配に!?」

「へ?どういう……こ……と……よ……………なっ!?」

 

紫は霊夢の言葉に疑問を感じてスキマを開き、新しく入ってきた土地を見る。

 

そこには人の気配が全く無いのだが城下町と言って良い程整備された町に加え、とてつもなく巨大な城が立っていたのだ。

 

さらに海沿いには港があり、可愛らしい見た目の船と、漆黒の竜を象った船が停まっていた。

 

そう、明らかに何者かの手によって整備され、発展しているのだ。

 

「嘘ッ!?」

「何も居ないんじゃ無かったの?

明らかにこれは誰か住んでる上に町を作れる程開拓するようなやつがいるわよ?

それにあんたがここを見つけたのは1年半前ならここはたった一年ちょっとでここまで整備したってことになるわ。

 

明らかにかなり多くの存在が紛れ込んだわよ。」

 

「これは………私の失態ね。

幻想郷は全てを受け入れるわ。

とはいえ町単位の生命を入れてしまえばこの世界の幻想の力のバランスが弱まってしまう。

だけど土地を広げるのはそう何回も出来ないし…………ここに住む者達を可愛そうだけど元の世界に戻すしか無いわね………。」

「ねぇ、それ聞いてまた私嫌な予感が止まらないんだけど。」

「………霊夢が感知出来て私が結界越しとはいえ感知出来ていない強大な存在………下手をしなくても大妖怪クラスが相手になるでしょうね………。

でもこの幻想郷を守るためよ。

ここを開拓してた人々には戻って貰わないと。」

「ねぇ………この町から全く人の気配を感じないわよ?

異形の存在の気配ばかりしかないわ。」

「そんなはずは………だってここまで発展してるのよ?妖怪だけならここまでの整備は不可能よ、例え人が一人で指揮していても異形は己より弱い存在を基本的に認める事は無いのよ?

流石に無茶があるわよ。

それに人が強かったら流石に私でも気付けるわよ。」

 

人と妖怪はそもそも力の性質が違う。

人は同族の気配を仲間意識から感じにくく、妖怪は己より強い存在だったりすれば感知しやすいが、何かに阻まれていれば感知しにくい。

逆の力を感知するのは、己とは全く違う性質の力なのもあり、簡単に分かるのだ。

 

 

「とりあえず様子見で私と霊夢で向かうわよ?」

「………仕方ないわね………でも本当に嫌な予感が止まらないわ。

気を付けて行くわよ。」

 

己の力を過信した幻想は魔物達の王国へと足を踏み入れようとしていたのだった。

 

 

だが………既に魔物達の主は既に軽く怒り狂っていた。

 

スライム達を怖がらせたというその事実に対して。

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