~スラバッカ王国~
「着いたぞ!俺達の暮らす国『スラバッカ王国』だ!!」
そこには巨大な………そう、幻想郷にあるどの建物よりも圧倒的過ぎるまでに巨大な城が佇む特徴的な町だったのだ。
「そういえば紫、貴女確かこっちにスキマ開けたわよね?
なんでスキマ使って来なかったのよ?」
「あぁそれ?なんか対策されてるみたいでスキマがここにだけ開けないのよ。」
そう、実は紫はあれから何度かスィラに対してコンタクトを取ろうとしていたのだがスラバッカ王国に対して一切スキマを開けなくなっていたのだ。
「それならおそらく主がこの国の空間に鍵をかけたのだろう。
主は世界を渡る不思議な鍵の持ち主だ。
この世界の鍵を持ってなくても一定の範囲なら鍵をかけることが出来る。」
「………それ下手したらこの世界に住むうちに『~程度の能力』になるかもしれないわね。」
「なに?『~程度の能力』はこの世界の存在でなくても習得可能な物なのか?」
「出来るか出来ないかで言えば可能よ。
ただこればかりは自分から習得するのは無理である程度才能がないと不可能な上にどの能力が定着するかもどのタイミングで習得出来るかも分からないのよ。
大体は元々能力持ってたりするとそれが『~程度の能力』として定着するパターンが多いわね。」
幻想郷に来る外来人は割と『~程度の能力』を手にいれる場合が多かったりするがそれは純粋にそのパターンが多かっただけであり、実際に外来人だから『~程度の能力』を持つという訳でもなかったりする。
「ふむ、しかし主は装備や道具ありきでの能力な上に本人だけだと特に特技を使えないからなぁ………
あまり期待しすぎないでいるとしよう。」
「それが懸命ね。
さて、皆~!一度船から降りるわよー!」
「了解~!」
霊夢はまだ目をお金にして……いや、小判に変わっていた。
「やっと着いたのね。」
永琳はずっとウズウズしており、かなり楽しみにしている様子だ。
「んー、肩凝ったわね。」
到着までずっと日傘を指していた幽香はその身体を伸ばしている。
「ふぁー、眠いわね。」
到着までずっと寝ていた輝夜は更に眠そうだ。
「輝夜………お前ずっと寝てたじゃないか。」
妹紅は呆れた様子で輝夜に言う。
「だから蓬莱ニートって言われるんじゃないの?」
ずっと咲夜に日傘を指して貰い、本人はベンチに腰かけてずっとつくろいでいたレミリアは人の事があまり言えないことを言う。
「うるさいわよこのかりちゅまが!?」
「なんですって!?」
「はぁ……霊夢。」
「仕方ないわね……………フンッ!」
「あべしっ!?」
「ワザマエ!?」
霊夢は陰陽玉を取り出して全力で二人の顔面な激突させる。
心なしか顔面が陥没している気もしなくはないが全員気にしないことにした。
「最初来た時は気にする余裕が無かったのだけれど…………
全体的に建物は割と小さいのね。
人が入れないくらいの大きさかしら?」
「ふ、そうだな。
我々は見ての通りかなり小さいからな。
我々が自宅に住むとなるとどうしても家が小さくなる」
「まぁ道理ね。
これについてはどうしようもないわよね。
むしろ家が大きすぎると落ち着かないんじゃないの?」
「まぁそうだな。
っと案内役が来たようだな。」
すると声をあげてこちらに近づいてくるスライムが居る。
「おーい、スライバー!」
「ふん、遅いぞ。」
「えーと貴方は?」
「俺か?俺の名前はミイホン!この国で特に力強いホイミスライムさ!」
「ふん、勇者だなんだと言わなくなった辺り身の程でも知ったか?」
「うるせいやい!?
ここの人たちめちゃくちゃ強い大魔王クラスや創造神クラスのやつらばっかなんだから勝てるわけねぇだろ!?」
「お前の戦い方が正直過ぎるだけだ。
もう少し駆け引きと言うものを覚えろ馬鹿者が。」
「うるせ!?ばくれつけんぶつけんぞ!?」
「当てられる物ならな、それはともかく仕事をしたらどうだ?」
「ぐぬぬぬぬ。」
どうやらスライバとこのミイホンと言うホイミスライムは知り合いでそれなりに仲が良さそうだ。
「はぁ………とりあえずこの国の事についてはこれから俺が案内させてもらうよ。
とりあえず付いてきてくれ。」
「ええ、分かったわ。」
道すがら霊夢はずっと気になっていたことを聞く。
「ねぇ、ここってどのくらいの魔物が住んでるの?」
「んー、そうだな。スライム系だけでざっと1000匹ちょっと。
養殖させる為に連れてきた魔物が3000くらいってとこか。」
「ずいぶんと多いわね…………しかもスライムは全員真面目に育てられているのでしょう?」
「そうだな、最大で8匹くらいを同時に育て続けて5年だしなぁ、それに主は基本ぶっ倒れるまで育成に付き合うからこの度に回復してやってるせいか24時間ぶっ通し程度じゃ疲れなくなってんだよ。」
「本当に人生その物を賭けてるのね。」
「まぁそれが主だよ。
だがまぁこの間『狭間の闇の王』が復活した時は大変だったなぁ…………スライムの一部が怯えちまって主が今回みたいにぶちギレてヤバかった………。」
「あぁ………前例があったのね………。」
紫は割と遠い目をするのだった。