~マヨヒガ~
「はーい、じゃあ対策会議っていうか今回の相手の説明を始めるわよ。
ただ先に聞いておきたいのだけれど………戦いたい奴いる?」
スラバッカ王国への見学が終わった後、霊夢達は幻想郷へと戻り、前回と同じメンバーを召集して次の相手に対する作戦会議を行っていた。
すると二人、手を上げる者が現れる
「あたしは戦わせて貰うよ?
あんなに熱い戦いを見せられて鬼が黙っていられると思ってるのかい?」
「私も戦います、スラ忍衆の時は何も出来ませんでしたからこのままではいられません。」
鬼の代表である『星熊 勇儀』と紅魔館の門番(笑)である中国こと『紅 美鈴』であった。
「勇儀と美鈴ね………まぁちょうどいいわね。」
「ん?どういうことだい?」
「忘れたかしら?今回の相手の名前を。」
「あん?確か『グランスライム』に『メタルカイザー』………そうかメタルか!?」
「そう、名前の通りメタル系が相手よ。
特徴はこの間説明した通り基本的に物理以外は無効、他にも細かい特徴としてこれはメタル系全てに共通するのだけど『防御力』、『素早さ』、そして呪文等の魔法の威力に関わる『かしこさ』、魔力量を表すマジックポイント、通称『MP』が下手な魔王よりも高いわ。
ただ体力は極端に低い上に全ての特技に使用する魔力量が倍以上になるデメリットを持っているわ。」
「つまりめちゃくちゃ硬い上に魔法の威力が凄まじい、それに加えてめちゃくちゃ早いが持久力はそこまでないって感じかい?」
勇儀は細かく覚えるのは苦手な為に自分の認識がこれでいいかかなり噛み砕いて特徴を答える。
「そう解釈して貰って構わないわ。
でもだからといって持久戦を挑むのは悪手よ。
モンスターマスターはその魔物のデメリットを残すような事は基本的にしないわ。
それに野生ならともかくモンスターマスターにとって体力が低いというデメリットはメリットになる場合が多いのよ。」
「それはどういうことだい?
体力が低いんならすぐにやられちまって意味がないだろう?」
パチュリーはさらに苦い顔をしながら答える。
「向こうの世界のモンスターの特性に『亡者の執念』っていうのがあるのよ………。
これはスラ忍衆も持っていたからそんなに説明は要らないでしょうけど上手いモンスターマスターっていうのはこの『亡者の執念』とメタル系の持つ低い体力を合わせる人物がいるのよ。
これをされるとメタル系が『みがわり』という特技で味方の受ける攻撃を全て肩代わりして物理以外のダメージを基本的に無効にする上に強力な物理持ちだと一撃で倒すのだけれど倒してもみがわりを続けてそのたタイミングで仲間に『リザオラル』を使わせるのよ。」
「それするとどうなるんだい?」
「結論から言えばほぼ詰むわ。
『亡者の執念』が発動してから『リザオラル』をかけられた場合は亡者の執念が終わった瞬間に蘇生されてまた『みがわり』のループになって抜け出せなくなるのよ。
発動前に使わせれば倒された瞬間に蘇生されて『亡者の執念』が発動しない上に『みがわり』を再度行うまで少し時間がかかるからそこが狙い目だけれどそれは相手に一度好き勝手殴られなきゃならないのよ。」
「かー、それはキッツいな、んで?今回の相手はそれを使ってくると思うかい?」
「いえ、今回は2体だけ。
そうなるとこの手を使うには火力が不足しがちになるわ。
それにこの二体はこの戦法に向いてないのよ。」
するとなかなか進まない話に痺れを切らした霊夢が聞く。
「そうなるとどういうのが来るのよ?」
「そうね、正直私にもどう来るかは完全に読むことは出来ないわ。
だからこの可能性が高いというだけなのを理解して聞いて頂戴。
とりあえず来る可能性として高いのは3つくらいよ。
一つ、呪文主体の魔法特化型。
メタルカイザーが物理にあまり向かないのもあるのだけれど両方とも魔法に特化した能力をしているのよ。
特に『グランスライム』は『デインブレイク』による雷への耐性ダウンと『デイン系のコツ』による雷系の消費魔力軽減に加えてそれなりに強力な威力の上昇補正があるわ。
だから『グランスライム』で確実に言えるのは雷特化でしょうね。」
「要は片方は雷に特に注意しろってわけかい。
近付けば問題なさそうかい?」
「熟練の魔法使いはたとえゼロ距離でも自分へのダメージが無いように直撃させるわ。
避けるのが速いわね」
「あー、やっぱそうなるか。」
「二つ目は体技特化、こっちはあまり自信の能力に影響しない技が多いから物理的な攻撃手段として普通に持たせてる可能性もあるけど二体ともMPがかなり多いから手数で攻める場合メタルカイザーは特にこっちの可能性が高いわ。
ただグランスライムの場合は魔法と両方搭載してる感じでしょうね。」
「つまり一つに特化させてるわけではない可能性が高いのね。」
「そういうことになるわ。
それで三つ目だけど…………正直今までのパターンから見て意表を突いた物理型。
この可能性も無いわけではないわ。
でも可能性としては物凄く低い、けれど警戒はしたほうが良いと思うわ。」
パチュリーはスィラという人物をスライム達の話を聞いたり、今までの戦いからの推察でどういう魔物で戦うのが好きかを調べていた。
結論からいうとスィラは……………ネタや一発芸とされるような編成のスライム達で戦うのが好きな可能性が出てきていたのだった。