~スラバッカ島~『スラバッカ王国』
私達二人は早速幻想入りさせた島に向かった。
近付いて見ると分かったのだが城下町に存在する家等の建物、どれもこれも入り口が異様に大きかったり小さかったりする。
どれもこれも人間サイズでは無いのだ。
「…………たしかにこれは人が住んでる感じではないわね。
だけど人の気配を少しだけ感じるわ。」
「・・・家の中から城の中は全部妖魔の気配だらけだけどね。」
「えぇ………もしかしたら追い出さずとも影響は無いかも知れないわね。」
「どうするのよ?」
「どうするも何も来てしまった以上は一度確認しておく必要があるでしょうね………それに結界の中に入ってようやく感知出来たのだけど……この城も外壁付近にある二つの砦も海に停泊してる二つの船も全て妖魔のようね。」
「建物型の妖魔ね…………少なくとも妖怪ではないのよね?」
「えぇ、私達とは気配が違うわ。
どちらかと言うとパチュリー達側の存在に近いわ。」
「成る程ね………」
そして霊夢は城の中の気配に異変が起きたのを感知した。
それと同時にとてつもない怒気が一瞬だけ現れたのも感じたが………ほんの一瞬だったために気のせいだと思う霊夢であったが………。
「………ッ!?城の中の大量の気配が慌ただしく動き始めたわね………」
「えぇ………確実にこっちに気付いたわね、ついでに唯一いると思われる人の気配が城の上に移動しているわね。
それとさっきから気配を調べたりスキマを使って調べたりして気付いたのだけど………ここにいる人間はたった一人のようね。
ただ人間の方にスキマ開こうとすると近くの妖魔から攻撃を貰ったから多分護衛もいるわ。」
「そうなると………」
「えぇ、人間がたった一人でこの数の妖魔を支配していることになるわ。」
「………勝てる?」
「どうでしょうね、私には魔力とかの量が分からないのもあってどれ程の強さか………」
そして城の上部に存在する入り口から人の姿が見えてきた。
その姿は全身に青い宝石と金が縁取られ、白銀の金属質なローブをその身に纏い、頭部には王妃のティアラを思わせるかんむり、右手には同じような装飾が施された王の彫刻のような形をした杖を手にしている。
これは魔物達の世界で、スライム達にとっての至宝とされる装備であり、メタルキングのローブ、メタルキングのかんむり、メタルキングの杖と呼ばれるものであり、魔王を倒したとされる英雄が用いた装備に並ぶ程の伝説級の代物であった。
出てきた人間の後ろから玉座が用意され、人間はそこに腰をかけて、口を開き始めた。
「侵入者よ、ようこそ我が国へ、此度はなに用でこちらに?」
「私はこの幻想郷の管理者である八雲 紫というわ、こっちは幻想郷を守護する博麗の巫女たる博麗霊夢。
あなたの名前を聞かせて貰っても?」
「ふむ、良かろう。
私はスィラ・ムスキーと言う者だ。
この国の王である………と言いたい所だがまだここは建国とその為の整備が終わっていなくてな、現状はこの城下町の長であると言っておこう。」
「スィラ殿、まずこちらの要件を話す前にひとつ。
まずあなた方の世界をこちら側に呼び寄せたのは私達です、突然の事で混乱されていらっしゃると思いますがもう既にここはあなた方のいた世界ではなく、その世界が新たに組み込まれた違う世界、幻想郷という土地になります。」
するとスィラと名乗る人物は紫の話を最後まで聞く前に顔を伏せて全身に力を入れ始めて震わせていた。
「そうか………貴様らか………」
「あ………あら?」
突然見せたその様子に紫は困惑していたが、私は嫌な予感が強くなってきていた。
それに冷静に考えれば相手からすれば世界が取り込まれたことによる地震になど対策をしているはずもなく、普段の生活をするどころか生活を出来るようにする準備をしてる段階でいきなり赤の他人なよって町が危険な目に合わされた訳だ。
つまり…………
「貴様らが………貴様らが我が国民!私の愛するスライム達を怖がらせた元凶かぁ!!!!!
よくも我が臣下であり我が友であり、我が子でもあるスライム達を怖がらせてくれおったな!?
八つ裂きにしてくれるわ!!」
案の定スィラは激昂していた。
霊夢が想定していたのとは違うパターンで………。
「あー、紫?これ一度こいつを鎮めないと話聞いて貰える形になりそうにないわよ?」
「あー、やっばり?」
「それに………こいつの激昂にあわせて多数の妖魔達が怒り狂ってる気がするわ。」
「つまり………こいつをこの町の妖魔全ての攻撃を潜り抜けて倒すなりして怒りを鎮めないとダメね。
それにあいつらは船もあるから下手したら幻想郷側に乗り込んでくるわよ?」
「今ここに開戦の狼煙を上げてくれるわ!!
『イオグランデ』!!!」
そして私達の間に嫌な気配が集中する。
「紫!避けるわよ!」
「ッ!?危ないわね!?」
その気配が収束を終えるととてつもない威力の大爆発を引き起こした。
「相手はモンスターマスターでは無いのであればこちらも戦力を小分けにする理由もないわ!!」
その声に答えるかの如く突如として地響きが起こり、町の後ろにある大地が大きく盛り上がり始めた。
少しするとスィラが考え込んだような表情をして口を開いた。
「…………君だけでやるつもりなのだな?」
その声に反応するように更に地面が隆起する。
「では私が育て上げたその力を見せてやれ!!」
そして地面から巨大な黄金の蟹が姿を表す。
しかし蟹の部分は殻の鎧であり、中身には………
巨大化したどこぞの飲兵衛ロリオーガよりも大きいスライムが入っていた。
次からいきなり戦闘に入ります。
つか最初の辺りからはしばらく交戦状態に入ります。