~マヨヒガ~
「それで一番警戒するべき相手………
それは『スライダーガール』よ。」
「あいつが…………そういえば『メガボディ』なんだったわね………」
「確かに『メガボディ』というのも強い理由の一つではあるわ、でもスライダーガールの一番強い点は持ってる特性が強力過ぎるところなのよ。」
「どういうことよ?」
「まずスライダーガールの特性で一番ヤバイのは主に二つ。
一つは『ロケットスタート』
戦闘が始まってからしばらくの間全ての攻撃の威力が桁違いに跳ね上がるわ。
ただデメリットとして時間が立てば立つ程効果は失われていき最終的には威力がどんどん下がっていくから出来るだけ時間稼ぎをしておくのを勧めるわ。
二つ目は『超こうどうはやい』
これはスライダーヒーローとかが持ってる『こうどうはやい』の上位に当たる特性で異常系統の耐性が大幅に下がる代わりに『こうどうはやい』よりもとてつもなく早く判断、行動を可能とするわ。
この特性を持つ相手に対して先手を取るのはまず不可能と考えなさい。」
「要は時間稼ごうと対策取る前に動かれるって訳ね………
威力が上がるのもあるから結界だと封じきれそうにないわね。」
「他にも己の愛らしさで相手を『魅力』して動きを封じてくる『ラブリー』。
これはもしも食らった物が紋晶で強化された『ラブリーSP』の場合思考をぐちゃぐちゃにして敵味方の判断を不可能にする『こんらん』も付与されるわ。
さらに死亡時、低い確率で勝手に蘇生する『てんしのきまぐれ』。
他にもたまに味方全ての『テンション』を上げて能力を上げる『おうえん』
最後にまれに2~3回の同時行動を可能とする『1~3回行動』よ。」
「妨害にサポートに攻撃にスピード…………厄介すぎるじゃない………それで?新生配合ってやつで消して新しくするとしたらどれ?」
今まで戦ってきた魔物は"全て"が『新生配合』による強化を受けており、肉体のポテンシャルを大魔王以上にされた上にモンスターが持っている種族的な特性を入れ替えられていた。
霊夢達としてもそれを何回も見せられれば今回の魔物がこの特性が全てではなく、一つが入れ替えられていると気付いていたのだ。
「そうね、入れ替える特性としては確実に『てんしのきまぐれ』を捨ててくるわ。」
そして紫が質問する。
「その根拠は?」
「簡単な話よ。
『てんしのきまぐれ』は別にスキルを使っての後天的な獲得が可能なのよ。」
「スキル………確か魔物が特技を習得したり能力を上げたり特性を習得する為に得る能力よね。」
「そうよ。
今回はメガボディだから4つのスキルを備えてくるわ。
そして魔王や神、それらに匹敵する強さをもつ魔物とかにはだいたいその種族特有の『スキル』を持っている場合が多いわ。
そしてそれには必ずといって良い程最上位の特技が付いてくるのだけど高い確率で『てんしのきまぐれ』が混ざっているわ。」
「それって実質的に交換で捨てた特性は0になるじゃない。」
「えぇ、実質的にそうなるわ。
でも今までの傾向的に一番採用してきて怖いスキルは『スライダーガール』の固有スキルである『スライダーガール』ね。」
「スライダーガール自身も持っているのね。」
「えぇ、でも真面目なモンスターマスターならまず絶対に採用したくないスキルね。」
「どういうことなのよ?能力や特技が増えるのでしょう?」
「えぇ、一際『スライダーガール』のスキルは異質でまず『特性』を6つ獲得する事の出来るスキルよ。
特性を獲得出来るスキルの中では耐性アップ系を覗いて最多ね。」
「なっ!?さらに6つも増えるの!?
なら何で採用しないのよ?」
「その特性のデメリットが大きすぎるのよ。
『スライダーガール』で獲得する特性は
『攻撃力ギャンブル』
『守備力ギャンブル』
『素早さギャンブル』
『かしこさギャンブル』
『HPギャンブル』
『MPギャンブル』
この合計6つになるわ。
これらの特性は該当する能力を戦闘が始まると戦闘が終わるまでの間ランダムな倍率で上げ下げして最大で1.5倍、『SP特性』となると2倍に増やしてくるわ。」
「はぁ!?二倍!?強すぎるじゃない!?」
「えぇ、メリットだけで考えればね。」
「つまりはデメリットとして下がった場合が不味いのね。」
「えぇ、デメリットとしては下がった場合は最大で能力の半分、『SP特性』なら最大1/10まで下がるわ。」
「1/10って…………ほんとにそれギャンブルじゃない………」
「恐らく今回の編成のコンセプトは『運』よ、上手く幸運を引き当てれば良いのだけどね……………」
「運……………となると。」
すると全員が永遠亭の代表である永琳の方を向いて彼女の後ろにスキマが開く。
何をするべきかを察した永琳はその腕を殴るように突っ込んでナニカを『アイアンクロー』で掴んで引っ張り出す。
「ギャァァァァァァアアアアアアアア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛!!!!!!!」
おぞましい悲鳴を上げて引っ張り出されたのは永遠亭に住む『う詐欺』こと『因幡てゐ』であった。