~マヨヒガ~
「パチュリー………さすがに返してあげなさいよ…………デート中にさらうってあんた…………」
霊夢は信じられないものを見る目でパチュリーを見て言う。
「あの時はモンスターマスターを従えたかった上に前回負けたのが悔しくて頭に血が上っていたのよ…………」
「人の恋路を邪魔する奴は馬に蹴られて死んでしまえとは言うけどゾンビに殺られて死ぬのはさすがに嫌ね………」
永琳は辛辣な言葉をかける。
「え、えーっととりあえず今のがスィラ殿のライバルである双子の片割れて良いのよね?」
紫はパープルに対して聞く。
「合っているでござるよ。
殿とのデートの時に途中からやけに機嫌が悪そうだったのはこれが原因だったのでござったか。」
「とりあえずパチェ………さすがに自業自得としか言えないわよ。」
するとさとりがイルに対するトラウマが複数あることに気が付いた。
「おや?どうやらそこのもやしは懲りずに何度も召喚してイルさんをあまり良くないタイミングで何回か呼んでるようですね。
兄のルカさんの戦いもありますけどどうします?
イルさんの方はまだ戦いの範疇ですけどルカさんのはただの蹂躙ですよ?」
「……………蹂躙の方も気にならなくはないけどとりあえずこれ以上はパチュリーが可愛そうだからやめときましょうか。」
「そうですか…………そうですかぁ…………」
さとりはとても残念そうにしていた。
すると霊夢が嫌な予感がしたのか紫に訪ねる。
「ねぇ紫…………今猛烈に嫌な予感がしたのだけど………」
「やめて………これ以上幻想郷のバランス崩さないで………とりあえず一応聞いておきましょうか………」
「これ…………その双子がこっちに来る可能性って………」
「さすがに結界で隠蔽しているし私達幻想を認識していなければ………」
すると全員の視線がパチュリーへと向かう。
「ま、まぁ流石に余程自分から探そうとしなければ……………」
「ねぇ、さっきのイルって娘………スィラが好きなのよね?」
「そうでござるが?」
「スィラって私達が無理矢理こっちに引きずり込んだ上にあの世界の鍵って消滅してるから扱いとしては行方不明者よね………」
「そうでござ………………(ダラダラダラダラ)」
パープルは霊夢が何を聞きたいのかを完全に理解し、そしてそこから何が起こるかを考えて予測する。
そしてそこから導き出される答えに大量の冷や汗をかく。
「幻想は認識されているから隠蔽の効果が薄い。
しかも世界を渡り歩き異なる世界をいくつも旅するモンスターマスター。」
「…………もし向こうで私達の世界の鍵が見つかったら…………。」
「確実に来るわよ…………。」
「ま、まぁ膨大な数ある世界の鍵からこの世界の鍵を見つけるなんてそう簡単には………」
「待って………パープル、あんたなんでそんなに顔を反らしているの?」
「……………………(ダラダラダラダラ)」
「……………どうやら鍵を管理する王族の中に彼らの友人であり、無駄に行動力と幸運を持ち合わせた人がいるようです。」
「ま……まぁでもそう簡単にィ゛イ゛ッ!?」
紫がいきなり妙な声をだす。
「ど………どうしたのよ?」
すると紫は胃をさすりながら言う。
「え…………えーっとね………その………幻想郷じゃないのだけど…………私のスキマ世界の鍵があったみたい………。」
「って事は?」
「私のスキマの中に双子と例の鍵を管理する王族の子供に精霊が来ちゃった…………」
「「「「「へ!?」」」」」
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~マルタの国~『鍵の保管庫』
「お兄ちゃーん!それっぽい鍵そっちにありそう~?」
「うーん、こっちじゃなさそうだなー。」
二人の子供の声が響く。
一人はスィラに恋する少女、『イル』
もう一人はその双子の兄である少年『ルカ』
「少なくとも鍵が消滅したんなら一番考えられるのは世界の統合だー。
世界の消滅についてはあのスライムバカがやられるとは思えねぇし確実に幻想の鍵に近い特徴の鍵があるはずだーー!」
するとピンク色の目付きの悪い綿のような精霊が双子に声をかける。
そして遠くにはいろんな鍵を漁っている褐色の肌に金の装飾が施された衣服を着ている少年がいた。
そして……………
「おーい!この鍵なんか関係してるんじゃないかー?」
褐色の少年、カメハ王子は数多ある鍵の中からスィラ達へと渡した『幻想の鍵』と同じような装飾、目玉の生えた『スキマ』の装飾が施された鍵を見つける。
「そいつは………『スキマの鍵』だな。
確か数百年前からあった『ふしぎな鍵』の一つだな。
だがそいつは確か床が無くてまともに探索することが出来ない世界だったはずだぞ?」
「でも確かに鍵の装飾は似てる……………」
「うーん、イル?
一回その世界を見て探してみるか?」
「うん、わかったよ!お兄ちゃん!」
「俺もついてくぜー!」
「ヲイコラカメハァ!お前また勝手に!?」
そして三人と一体はスキマの世界へと入っていくのであった。