スライム狂による幻想王国建国記   作:クロマ・グロ

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黄金の輝き  その1

 

 

スラバッカ王国~『ヘルクラウド内部』

 

 

 

スィラは今この現象についての考察は粗方終わっており、スライム達が怯えているこの状況に対して激しく怒り狂っていた。

 

それも当然だろう。

 

そもそも不思議な鍵とは、世界その物の存在を意味する鍵であり、その鍵その物がその世界と言っても過言では無い。

 

その為世界に対して大きな改変が行われた際には鍵にも変化が現れたりはする。

 

だが今回は鍵その物が消滅してしまった。

 

これに対する理由の考察として考えられるのは実はそんなに多くない。

 

何故なら、鍵が消滅するパターンは二通りしかないからだ。

 

一つは『世界その物が消滅する』パターン。

 

これは以前にも例があり、有名な物だと幻魔王デスタムーアが倒された際に、デスタムーアが作り上げた夢世界が崩壊した事だ。

 

実を言うとこの世界にも不思議な鍵が存在していたのだが、デスタムーアの消滅と同時に鍵も消滅してしまったのだ。

 

そしてもう一つは『世界その物が、別の世界へと取り込まれた』パターンだ。

 

これについては天魔王オカマげふんげふん。

天魔王オルゴ・デミーラの世界をバラバラにして封印した際の現象が当てはまる。

 

世界がバラバラにされた際に、その各世界の不思議な鍵も生成されていたのだが、その封印が解ける事に封印されていた地の鍵が消滅し、世界を吸収した側の鍵に変化が起きていた。

 

そしてこの幻想の鍵の世界には特に消滅等の傾向が見られない為に当てはまるのは後者のみとなっており、これには基本的に他者が介入しない限りこのような事態が引き起こることは確実に無かったりする。

 

つまり………

 

 

『この世界を吸収させた存在がいてそいつらが原因で世界の結合による地震が引き起こされた上に魔物達を怯えさせるあの空を一時的に発生させていた。

 

……………やったやつを八つ裂きにして回復させてからまた更に八つ裂きにしてくれるわ!!』

 

スィラはかなり激昂していた。

 

彼は基本的には冷静で観察眼と高い判断能力等を持っているのだが…………スライムが関わるとかなり性格が変わる性質を持っている。

つまり今の状態は……………一度でも犯人の話をすればまともに会話出来るような状態ではなかった。

 

辛うじて幻想の地からやってきた二人の人物を魔物達が発見し、それに対応しようと王としての衣装で用意したメタルキングのローブシリーズを装備したのだが………案の定怒り狂ったのがオチである。

 

こうなってしまうと彼はスライムの言葉しか聞こえなくなるのだが………スライム達もスライム達で軽く怒っていたのもあって誰も止められなくなっていた。

 

もはや戦いは避けられないのだ。

 

 

 

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『ピキィィィィィィイイイイイイイ!!!!!!』

 

 

隆起した地面から現れた黄金の蟹を鎧としたスライムは、とても可愛らしいが周囲を吹き飛ばす威力を持った『おぞましいおたけび』を放つ。

 

「ぐっ!?あぁぁあああ!?」

「これは………精神にも影響する攻撃!?

霊夢!心を強く持ちなさい!飲み込まれたら動けなくなるわよ!?」

「ぁぁぁぁあああああ゛あ゛あ゛あ゛っ!!!

はぁ……はぁ……はぁ……

いきなりやってくれたわねあの蟹モドキ………あの甲羅を売り飛ばして神社のお賽銭にしてくれるわ!!」

「はぁ………冷静になりなさいな霊夢、あいつの力は確実に大妖怪クラスはあるわよ。

とりあえず…………スキマボッシュート♪」

 

紫は突如として目の前にスキマを作り出し、その下から何故か紫色のモヤsげふんげふん、紅魔館の魔法使いである『動かない大図書館』ことパチュリー・ノーレッジが落ちてきた。

 

「きゃぁぁぁぁあああ!?!?

なんなのよもう!?

って紫に霊夢、世界の吸収をやってたんじゃないの?」

 

流石パチュリーと言うべきかいきなり空に落とされてもすぐに飛行魔法を使って空を飛び、地面への激突を回避した。

 

「あー、パチュリー?

その落ち着いて聞きなさいよね?

…………新しく住み着いてた奴等に気付かなくてこっちのやったことバレてるのもあって相手が激昂してる………。」

「………なにやってんのよ………せめて確認くらいしなさいよ………。

それで要件は………どう見てもあの『スラキャンサー』ね。」

「『スラキャンサー』?あの蟹モドキの種族ってこと?」

「えぇ、ずいぶんと厄介な奴がいるわね。」

 

パチュリーは呆れてはいたが、何か忌々しそうにスラキャンサーを見ていた。

 

「とりあえず貴女を呼んだ要件なのだけど………」

 

紫はパチュリーに要件を伝えようとするがパチュリー自体が言いたいことは粗方察していたのもあり、すぐに答えてくれていた。

 

「あの魔物のことでしょ?

まず大前提からいくけどあれはおそらく新生配合によって強化された個体ね、通常のスラキャンサーとは格が桁違い過ぎるわ。

まぁ大魔王級かしらね?」

 

「その大魔王級というのが基準が良く分からないけどとりあえずどういうモンスターかだけを教えて頂戴?」

 

パチュリーは軽く溜め息をついて接続を始める。

 

「かなり甘く見てるわね………多分勝てないと思うけど教えるわ。

まず注意するべきはその恐るべき魔法耐性よ。

少なくとも雷、火、閃光、風、氷、爆発等各種属性の攻撃は物理魔法問わず反射されるわ。

唯一闇や地の攻撃が普通に通るけどそもそもの殻が堅すぎてまともにダメージが入らないわね。

それに新生しているならたしか受け流しによる物理攻撃の反射も行えるから柔らかいスライム部分を狙うしか無いでしょうね。

それと状態異常には軒並み弱いのだけれど………新生しているなら少なくともモンスターマスターによって育てられてるしまともに入らないでしょうね。

気を付けなさい。」

 

するとスラキャンサーは完全にその全身を表して襲い掛かってきたのだった。

 

 

 

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