スライム狂による幻想王国建国記   作:クロマ・グロ

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乙女の逆鱗に触れることなかれ  その3

 

 

~スラバッカ王国~『王城ヘルクラウド』

 

 

 

スィラは拐われて紫達と分かれた後ちょいちょいガールによって自室に連れ込まれかけながらもスラ忍衆によってなんとか無事だった。

 

そして今は城の執務室にて国の管理を行っていた。

 

「主~!畑の収穫の結果置いとくよ~。」

「了解、後で目を通しておこう。

まどうスライム、こっちの区画整備を建設班に頼んどいてくれ。

報酬に骨付き肉を用意しておこう。」

「わかった~伝えとく~。」

 

すると執務室にスラ忍レッドが突如として出現する。

 

「殿、パープルから伝言が。

イル殿、ルカ殿、カメハ殿、ワルぼう殿がこちらの世界に来たようです。

正確には紫殿のスキマ世界に繋がったようですがその中でルカ殿が超巨大モンスターを出してしまい紫殿によってこっちの世界に出された模様です。」

「あいつは…………探索するなら超Gはやめとけと何度も伝えてるんだがな…………。

それで?あいつら今どうしてるの?」

「イル殿がパープルを引きずりながらこちらに向かっているそうです。

他の方々は残って紫殿から話を聞くと共にルカ殿が軽く迷惑をかけた為に何か軽く手伝ってくるとのことです。」

「パープル………また余計なことをした感じか?」

「…………拙者としては火に燃料を投下したとしか………後はご自分でご確認された方がよろしいかと。」

「パープルは相変わらずだな……まぁそこが面白いんだが。

お前達は俺が自分で気付くべき事はあえて教えないようにしているよな。

そういうとこが私にとって助かっているよ。

王は全てを頼っていては成長出来ないからな。」

 

確かにスラ忍衆はスィラが成長するために伝える情報を選ぶようにスィラ自身から命じられてはいた。

だがこの時のレッドの心情としては…………

 

『殿……………相変わらずそっちの方向は鈍いのでござるよなぁ………というか恋愛とかするくらいならスライム愛でたいと言うような御人でござるからなぁ………。

出来れば我らの女性衆が報われるようにしたいところでござる。』

 

何だかんだでスラ忍衆は仲間をとても大事にしており、パープル以外は仲間の女性衆がスィラとくっついてくれないかなぁと思っていた。

 

しかしパープルだけは場を引っ掻き回すのが大好きだった。

 

「とりあえず城に着く頃にはパープルの回収とこっちへの案内頼む。

あ、アクアスライムはポグフィッシュの養殖場なんだが個体数もうちょい増やしといてくれ。その次の世代を食用としておこう。

スライムブレス、そっちの牧場のおおにわとりの繁殖も頼んだ。」

 

 

何だかんだでスィラはかなり真面目に王としての役割をこなしていた。

 

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~スラバッカ王国~『城下町』

 

 

…………ァァァァアアアアア゛ア゛ア゛ア゛!?!?!?」

 

港方面から一人の魔物が悲鳴を上げながら引きずられていく。

だがこの国の魔物達からすればこの幻想郷に取り込まれる前までは割といつもの事であり、『またやらかしたか』と思う者達と懐かしく思う者達で別れていた。

 

「おや?イルちゃんじゃないか!久しぶりだねぇ!元気してたかい?」

 

パープルを引きずりながら王城へと進むイルに商店街のおばちゃんのような雰囲気のクイーンスライムが話しかける。

 

「クイーンスライムさん!お久しぶりです!元気じゃなきゃこの世界を見つけられてないですよ!」

「あっはっはっは!そりゃそうか!とりあえずスィラ様の所に行くんだろう?これを持っていきな!」

「これは………あ!スライムまんじゃないですか!良いんですか?」

「いいよいいよ!むしろそれ王様に持っていって一緒に食べてきな!」

「ありがとうございます!」

 

すると違う店から今度はメタルキングが現れる。

 

「おお、久しぶりだなぁ。

どうだい?王様をデートに誘うついでにワシの所のスライムチョコレートは!」

「デ………デートなんてそんな………でも頂きます。

いつも相談乗ってくれてありがとうございます!」

「良いってことよ!王様が誰かとくっついてくれればワシらも安泰だからな!がっはっはっは!」

「もう………そんな大声で言わないでくださいよ!恥ずかしいじゃないですか!」

 

そう、幻想郷に取り込まれる前まではイルは毎日のようにこの国に通っており、スィラとの仲を進展させるために城下町のスライム達を軽く味方に付けていた。

イル自身が友として接しているのもあったが、イルとルカの双子はモンスターにとても好かれやすい性質だったのもあって皆イルを応援していたのだ。

 

「ちょっ!?呑気に話してないで助けて欲しいのでござるが!?」

 

引きずられるパープルは助けを求めるが。

 

「そんだけ元気なら大丈夫だって!」

「なんだ?また何か余計なことやったのか?」

「達者でなー!」

 

街の皆からすれば割といつもの事なのでスルーされる。

 

「ちょぉぉぉぉぉぉぉおおおおおおおおお!?!?!?」

 

パープルは悲鳴を上げるが無情にも無駄な抵抗となっており、どんどん引きずられていったのだった。

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