スライム狂による幻想王国建国記   作:クロマ・グロ

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乙女の逆鱗に触れることなかれ  その4

 

 

~スラバッカ王国~『王城ヘルクラウド』

 

 

スィラがイルが来るまでの間に仕事を軽く片付けているととある一つの書類に目が止まった。

 

「城下町、他の野生エリア全員からの要望で幻想郷を見学しにいきたい………か。

八雲 紫にでも相談するべき案件だな………

スラリン、この書類は一旦保留にするが優先的に片付ける案件にしとく。

一応決まったらさすがに数が多いので何回かに分ける形で人数を割り振ってくれ。」

「あぁ、任された。」

「とりあえず後はなんとかなるか………」

 

すると扉をノックする音が聞こえる。

 

「入ってくれ。」

「失礼します。

城にイル様が御見えになりました。」

 

中に入ってきたのは警備を任せているスライムナイトだ。

 

「そうか、とりあえず適当に庭に連れていってくれ、私も軽く身支度を整えてから向かおう。」

「かしこまりました。」

 

スィラは久々に出会うライバルであり友であるイルとの再開に密かに心踊らせていたのであった。

 

 

_________________________________________________

 

 

 

私はスライムナイトさんの案内で中庭の庭園へと訪れていた。

引きずってきたパープルは気が付いたら他のスラ忍衆によって回収されてブラウンによる『スクリューパイルドライバー』?と言うお仕置きを受けていた。

よくあんな動きができるなぁと常々思う。

やっぱりスィラさんは魔物の育て方がどことなく違う気がする。

でも押さえていたとはいえあんな複雑な動きを決められる程に技術を鍛え上げているスィラさんにはやっぱり学ぶところも多いなぁ………

 

すると城の方からスィラさんがやってきた。

どうやら今日は普段着で会いに来てくれたようだ。

 

 

 

 

 

 

 

でも全身にスライム一杯なのはいつも通りだけど。

 

 

 

 

 

「スィラさん!無事で良かったです!」

「うおっと、危ないぞ?そんな急に抱きついてきたら。」

「えへへ、ごめんなさい。」

 

私はスィラさんにようやく再会出来た喜びでついつい抱きつきにいっちゃった。

スィラさんはそんな状況でもやっぱり私を子供として見ている節があるからちょっと残念だけど。

 

「私が行方知れずの間探してくれていたようだな。

礼を言わせてくれ、お陰で私は故郷であるマルタにいつでも戻れる。」

「あれ?ちょっと疑問に思ったんだけどルーラで戻れないんですか?」

「確かにルーラを使えば帰るだけならなんとかなる。

問題はこの世界に戻れない、つまり今作っているこの国に戻れず放棄せざるを得ないことだな。」

「ふぇ?なんでなんですか?」

「早い話この世界は結界で隠蔽されているからルーラで外から対象にすることが不可能なんだ。

結界の内側なら全く問題無いが外側だとそもそもの対象が見つからなくなるわけだからな。」

「へぇ…………って今気付きましたけどよく私達がずっと探してたの知ってましたね。」

「あぁ、それは『じげんりゅう』が君より先にこっちに帰還して報告していたからな。」

「あぁ、そういえばスィラさんスカウトしてましたね。

………もっぱら移動手段の乗り物として。」

「むしろ私がスライムに関わる魔物以外を限界まで育てるとでも?」

「…………………無いですね。」

 

相変わらずだなぁ…………スィラさんはいつもの事ではあるけどスライムに関わる魔物以外の魔物の扱いが割と雑なんだよね。

まだ移動手段や伝令として使ってもらえてるだけ『じげんりゅう』はマシなんだろうけど…………

 

まぁSSランクの魔物を顎で使う辺りさすがスィラさんと言うべきなのかそれとも呆れるべきなのか迷う所だけど………

 

 

でも確かキラーマジンガが畑の案山子代わりに使われてたからなぁ…………

 

 

「そういえばスィラさんはこっちの世界に来てから何を?」

「ん?いつもの(勝負)」

「…………相変わらずバトルが好きですよね。

ちょっとこっちの世界の人達が可愛そうに思えてきました。」

「なに、こちらが迷惑をかけられた上にスライム達を怖がらせたからな。

とりあえず主犯は全員八つ裂きにするつもりさ。

まぁ二人の内一人はすでに一度死亡させたからだいぶ気は収まったがな。

だかもう一人はちょっとそれなりに強くてな。

久しぶりに燃えているよ。」

 

スィラさんが勝負に燃えているのは本当に珍しい。

それはそれだけ相手に可能性を見いだしているという証拠だからだ。

 

「へぇ………スィラさんが燃える相手なんて珍しいですね?

私の時は確かまともに相手してもらえたのって確かマルタのへそを何とかした後くらいからでしたっけ?」

「あぁ、その辺りだな。

私は既に『しんせいの宝珠』を持っていたから先に『新生配合』を自力で可能としていたしな。」

「スィラさん配合とかそこら辺も全部自力でやっていたから凄いですよねぇ………」

「何が必要かとかはあらかじめ全て調べ上げていたからな。

後は達成出来るまで努力するだけだな。

君の主力な魔王達だってそうして生まれたものだろう?」

「まぁ確かにそうですね。

結局どこまで努力したかになりますよねぇ………エスタークを仲間にするのもかなり大変だったなぁ………」

「くく、だろうな。

はぁ…………やはり楽しいな、君とこうして話すのは。」

「そうですね………私もその………嬉しいというか……」

 

 

だいぶロマンチックな雰囲気になってきちゃった………

 

「その………スィラさん………ってあれ?」

 

私はもっと距離を詰めようとする………だが何やら城内が騒がしくなっている事に気付く。

すると城から『ももんじゃ』の『シドもじゃ』さんが慌ててやってきた。

 

「た、大変だもじゃ~!?!?

スラブラスターが月から大量の攻撃を受けているもじゃ~!?!?」

 

あうぅ………せっかくのチャンスが……………

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