~月~『月面都市』
スラブラスターの主砲により月面都市全域に『いてつくはどう』の効果が発揮される。
主砲の直撃と同時に月面都市の主電源が落ち、結界が強制解除され、魔法は根こそぎ解除された。
「ツクヨミ様!緊急事態です!
あの衛星からの報復攻撃により月面都市の全結界が消滅、主電源は発電期間が破損、さらに魔力炉の魔力が消失しました。」
「…………幻想入りの方でしたか………今の幻想郷にここまでのことが出来る者はいません………。」
実をいうとツクヨミはちょいちょい永琳と連絡を取り合っており、過激派の動向を教えたりしていた。
その際に前回の連絡で紫の失態により強力な人物が幻想郷に閉じ込められる事になったという事だ。
「スィラ………確か永琳はそのような名前と伝えてましたね。」
「ツクヨミ様、現在綿月姉妹が迎撃のため出撃しております。
なお過激派のリーダー格である八幡(やばた)尼炎(にえん)将軍が死亡しました。現在被害は多く出てこそ居ますが死亡者はあの者のみとなっております。
過激派のメンバーは現在順次拘束中でございます。」
「至急綿月姉妹を呼び戻してください。
降伏の準備を」
ツクヨミの言葉で月人達がざわめく。
当然だろう、圧倒的な技術力を持つはずの彼らが敗けを認めざるを得ないのだから。
「なっ!?降伏すると言うのですか!?」
「はい、我らのレーザー施設による攻撃で傷一つ付かないどころか反射された上に先程の主砲による攻撃で都市部の機能が軒並みダウンしました。
これ以上被害を増やすわけには参りません。
それに加えて非は全てこちらにあります。」
「くっ………わかり………ました。」
「報告!通信障害が発生しており綿月姉妹との通信途絶!先程の主砲により通信施設をサブ電源のみで無理矢理稼働させた為に影響が出たと思われます。
なお最後に確認された綿月姉妹の座標は衛星内部と思われます。」
「…………間に合えば良いのですが……」
_________________________________________________
~衛星軌道上~『スラブラスター内部』
『侵入者あり!迎撃せよ!迎撃せよ!
侵入者あり!迎撃せよ!迎撃せよ!』
「姉上、今回は非は全てこちら側にある!
出来るだけ捕縛だけに止めてください!」
「そうは!?言われても!?兵士の実力が高すぎます!?」
「スライムナイト部隊!これ以上進めさせるな!
メタルライダー部隊!持ち前の素早さを生かして撹乱をせよ!ダークナイト部隊は体技準備!」
綿月姉妹は姉の能力によるワープでスラブラスター内部へと直接乗り込むという行動に出ており、先程から通信が出来ない為に慎重に動こうとしていたのだがすぐに発見されてしまい、防衛部隊の攻撃を耐え忍んでいた。
防衛部隊の指揮をスライムナイトの転生モンスターである『ハートナイト』が取っており、そのハートナイトにはスライムナイトが4体、メタルライダーが4体、ダークナイトが4体従っており、ハートナイトがある魔法を使ってからと言うもの全員の"れんけい"がとてつもない頻度で行われていた。
魔法を避けようとしても避ける方向に斬擊が飛んでくる。
豊姫が能力を用いたワープによる回避をしても移動する場所をある程度予測しているかのように全域をカバーする範囲攻撃が飛んでくる。
「スライムジェネラル殿の元へはたどり着かせるな!
居住区避難急げ!」
ハートナイトは非戦闘員達の避難指示も同時に取っており動きを見せない。
「ジェネラル………将軍!姉上!」
「えぇ、私が貴女を守りながら無理矢理移動するので将軍の元へと早く!」
「しかしそれでは姉上が!?」
「良いから行きなさい!このままでは私達二人とも拘束されるか殺されるのがオチです!」
「くっ………わかりました!」
「ダークナイト!『ビッグバン』準備!」
会話を軽く聞いていたハートナイトはワープによる移動が来ると予測し、広範囲を攻撃する体技での迎撃を狙う。
「行きますよ!」
「頼みます!姉上!」
豊臣によるワープで二人はハートナイトのいる方向に移動する。
その先にスライムジェネラルがいると予測した為だ
「「「「ビッグバン」」」」
そして四発のビッグバンが四方をカバーするように放たれ、その内の一発に豊臣は直撃してしまう。
「きゃぁぁぁあああ!?!?」
「姉上!?」
「良いから!貴女は!先に行きなさい!」
豊臣は自分を囮とする為に自分を残して妹の依姫のみを先にワープさせる。
そのワープによってハートナイトの防衛部隊は依姫を見失ってしまう。
「モニター室!先程もう一人はどこに行きましたか!?」
ハートナイトはワープにより消えた依姫を探すべく、スラブラスター内部の監視を行うモニター室へと通信を繋げる。
「っ!?スライムジェネラル殿の所だと!?」
豊姫は一か八かの賭けで天井の上へとワープさせたのだが、どうやら運良く『スライムジェネラル』の所へとワープさせる事に成功していたようだ。
だが彼女の周りには13体の騎士が囲んでおり、状況はすこぶる悪くなっていたのだった。
『依姫………任せましたよ。』
綿月姉妹がこのスラブラスターに無理矢理乗り込んだ理由、それはこのスラブラスターを操る司令官を捕縛、もしくは一騎討ちを挑む事によってなんとか被害を押さえようとしていた。
そして囮となることによりこれ以上攻撃をさせず避難する時間を稼ごうともしていたのだった。