~衛星軌道上~『スラブラスター内部』
スライムジェネラルの両手から闘気の塊が生成されて渦を巻く。
やがてその渦は竜巻となって放出され、二つの竜巻が二重の螺旋を作り出して全てを凪払う暴風となる。
『獣王げきれつしょう』
とある世界のピンク色のワニが生み出した体技であり、己の闘気を両手に集中してバギとベタン属性での大ダメージを与える体技である。
元は『獣王会心撃』または『獣王痛恨撃』という片手で一つの竜巻を作る技だったが、それを進化させて生まれた技がこの『獣王げきれつしょう』になる。
そしてその二重螺旋の竜巻が今依姫へと襲いかかろうとしていた。
「っ!?」
依姫はその激しい竜巻を避けるために反動の強い弾幕を横に無理矢理放ちながら移動し、その反動による加速することでギリギリ回避する。
しかしその無理矢理使ったことによる反動は決して小さくなく、片腕が軽く上がりにくくなっていた。
「ぬぅ、確実に当てられるように誘導したがあの土壇場で避けるとは………。」
「かなり………あぶなかった………ですよ………。」
「とはいえその様子………何か無茶をして避けたと言った所か。」
「そうですね………それなりの無茶はしましたよ。
でも………直撃するよりはマシです。
それに………貴方相手にはダメージを覚悟してでも無茶を通さなければ勝ち目などありませんから!」
「イイゾ!イイゾ!もっとだ!もっと私達を楽しませろォ!」
スライムジェネラルはさらに闘志を燃やしてテンションを上げている。
「愛宕様!祇園様!」
依姫は己の力を限界を超えて使うことで二つの神を同時に扱う。
しかしこれは己の限界を無視しているために使えば使うほど反動でダメージを受ける。
しかし強い特技とは基本的に反動が付きやすい物だ。
その反動とどう付き合うかによってその個人の実力は大きく伸びるといっても過言ではない。
依姫の力によって炎を纏った剣による檻が出来上がる。
それは中にいるものの動きを封じながらその炎の熱でダメージを与え続け、動いた者は祇園様の怒りを買って炎の剣によって体を刻まれる。
「ガハッ!?」
依姫は反動で血を吐くが根性で堪える。
「ふぅ………ふぅ………剣を投げた状態で………簡単に抜け出せますか?」
「ぬぅぉぉぉぉおおおおお!!!舐めるなぁ!!」
スライムジェネラルは呪文を唱えながらその場で高速回転を行う。
スライムジェネラルを中心として風が渦を巻き始めて巨大な竜巻を生み出し、極大暴風呪文『バギムーチョ』と合わさって全てを凪払う暴風を生み出す。
二回行動の利点は二つの動きを同時で行えるという点にある。
その二つの行動を一つの行動に集約させた場合、その力は想像を絶する物となる。
これは強いていうなら本来の半分しか動けなくなるという反動を抱えた技であり、モンスターマスターの本気で育てた魔物はこれをいかに使いこなすかが勝負の鍵になりやすいのだ。
その巨大な竜巻は祇園様の剣を全て吹き飛ばす。
しかしこれによりスライムジェネラルは祇園様の怒りを買って吹き飛ばされた剣は全てスライムジェネラルへと向かう。
これによってスライムジェネラルの上にいる将軍は全身に剣を生やしたオブジェとなる。
だが依姫はこの真実を知らなかった。
「私の本体はこっちだぞぉぉぉおおおお!!!『空裂斬』!!!」
そう、スライムジェネラルは下のスライムが本体であり、上の将軍は人形なのである。
そして地面に突き刺さる己の獲物を抜き取って暴風を纏った剣による空を切り裂く一閃『空裂斬』を放つ。
これにより『トルネード』『バギムーチョ』『空裂斬』による風による"体技"、"呪文"、"斬撃"の全てによる攻撃が合わさって更に『空裂斬』に含まれる爆裂の呪文、『イオ』による爆発的な加速によって音を捨て去る攻撃となる。
「ガハッ!?ぐぅぁぁぁぁぁぁぁぁあああ!?!?」
依姫はその一撃を避けることは叶わず直撃する。
それにより全身はズタズタにされて暴風によるとてつもない風が依姫を壁に押さえつける。
だが依姫の目は今だ闘志を燃やしていた。
「『火雷神』!!」
依姫はその動けなくされた体で『火雷神』をその見に宿し、スライムジェネラルへと雷を放つ。
「ぬぐぉぉぉおおおおおおお!?!?」
「まだ…………まだぁぁぁああああ!!!!」
更に7頭の炎の竜の首がスライムジェネラルを襲う。
スライムジェネラルはその口に掴んだ剣で次々と凪払うが、全てカバー仕切れずにどんどん噛みつかれて炎に包まれていく。
「ぐぬぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああああ!?!?!?」
スライムジェネラルはダメージを受けすぎて暴風を思わず解除して倒れてしまう。
依姫はまだ油断せずにその刀によるトドメを刺すために突撃する。
するとスライムジェネラルは突如として復活して依姫へと突撃する。
『てんしのきまぐれ』
これもSSランクの固有スキル殆どに付いており、これによってとてつもなく低い確率ではあるがまれに死んだとしても蘇るのだ。
「ハァ!!!」
「セイヤァァァアアア!!!」
一閃が二人を貫く。
そして立っていた者は……………依姫だった。