~衛星軌道上~『スラブラスター付近』
ツクヨミ達月の代表達は謎の機動攻撃衛星の付近まで出向いていた。
「ツクヨミ様、まもなく敵機動攻撃衛星付近となります。」
「うむ、了解した。マイクの準備を。」
すると家臣の一人である玉兎がマイクを差し出す。
「ご苦労、総員はいつでも防衛だけ出来るように準備しておいてください。
決して反撃だけはしないようにお願い致します。」
「「「仰せのままに」」」
「それでは…………『機動衛星、この声が聞こえているなら返答を願います。』」
『READY・>
ボクは・・スライム型機動衛星『スラブラスター』
アナタ方ハどちら様でしょうカ?』
月の面々は驚愕していた。
確かに何かしらの反応はあるとは思っていたが、反応をしたのがその機動衛星自身であり、その人工知能が自分達の予想が正しければかなりスムーズに受け答えを出来る程に進化したその人工知能は月の技術を上回る可能性を持っていたからだ。
『私の名はツクヨミ。
この月面都市の代表と認識してもらって構わない。
貴殿は………その機動衛星の人工知能と認識で合っているだろうか?』
『ソの認識デ構いまセン。
ではゴ用件をドウゾ』
『ではスラブラスター殿、単刀直入に伝えさせて頂きます。
我々月は降伏致します、その為現在貴殿の内側で起きているであろう戦闘行為を中止して頂きたい。
そして貴殿へと侵入した二人の月人の現状をお教え頂いても?』
『・・・・・・エ?』
するとスラブラスターは想定外過ぎる事態に思考が少々乱れる。
『如何されたか?』
『・・・・少々想定外ノ事態が発生しテおりまシタので。
少々マスターに連絡を入れても構わないでしょうカ?』
『マスターというと貴殿の生み出した者で大丈夫だろうか?
それとも貴殿へと指示を出す権限を持つものという認識で大丈夫だろうか?
それと連絡はしてもらって構わないんだがとりあえず戦闘行為がまだ行われているようならば先に中止して貰いたい。』
『・・・決着ナラ付いておりマス。
個体名:綿月豊姫は確保、ただし個体名:綿月依姫は現在ボクの指揮をしていた者は個体名:綿月依姫によって撃破されております。』
『なっ!?それは本当でしょうか!?』
『ハイ、その為アナタ方の降伏を受け入れるべきがどうか少々ワタシには判断しかねマス。
とりあえずは停戦ト言う形でワタシが通信ヲ終えるまで双方の代表者がお互い監視シ合いながら情報のすり合わせを行っては如何でしょうカ?』
『ふむ、承った。
場所は………そうだな、貴殿達によって跡形もなく消滅しているレーザー攻撃施設跡地で如何だろうか?』
『了解しましタ。
今回の指揮官である『スライムジェネラル』ヲ蘇生させたら向かわせまショウ。
とりあえず綿月姉妹をソチラに引き渡しますノで少々お待ちくださイ』
するとスラブラスターの口の部分のシャッターが開き、中から体を大砲の砲身の中に押し込まれた綿月姉妹が姿を見せる。
『3・・・2・・・1・・・Go!』
そして二人は凄まじい威力で発射されて月面へと突き刺さった。
だか何故か二人には傷一つなかったのはどういう技術なのか気になって仕方がなかったツクヨミだった。
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~月面都市~『レーザー施設跡』
消滅したレーザー施設跡にはツクヨミ、綿月姉妹、その他数人の月上層部の者達が用意された席に付いていた。
その正面にはスラブラスター内部にいた指揮官のスライムジェネラル他、副官のまどうスライム、防衛隊長のハートナイト、メカニックのスライムボーグがいた。
スラバッカ王国では、どうしても大型の機械の魔物が多かったり、建築作業も手が足りないのもあって建築及び整備、メカニックとして多くのスライムボーグが仲間となっており、魔法関連の技術や資料の作成、整理等には知能の特に高いグランスライムやまどうスライムが重宝されていた。
その為何かしら交渉等があるとだいたいこの二匹のどちらかは確実に居たりする。
「いやぁ、まさか一度殺されるとは思わなかったわ。
私もやはりまだまだと言った所であるな。」
「いえ、正直かなり僅差の戦いでした。
私も一歩間違えば簡単に殺されていたと思いますから。
それにしても……………その…………」
依姫とスライムジェネラルは一瞬で意気投合しており、お互い武人気質な物もあり、とても良い関係を気付けていた。
そして依姫の………いや、ほぼ全員の視線がスライムジェネラルのとある部分へと向いていた。
「その騎士の部分はそれで良いのですか?」
そう、スライムジェネラルの騎士部分は依姫によってズタズタに切り裂かれており、いろいろともげたり穴が開いたり裂けたりしていた。
「問題しかないから帰ったらスペアに変えて修理に出すぞ?」
そう、スライムジェネラルの今の騎士は…………セロテープや絆創膏等で応急処置だけしたなんとも可哀想な状態となっていたのだった。
心なしか全員の目には騎士の部分が泣いているように見えたそうだ。