~スラバッカ王国~『闘技場』
戦闘が始まってすぐにスィラが動きを見せた。
「っ!?速い!?もう背後を取った!?」
「あれって………『こうどうはやい』?であってたかしら?」
永琳はパチュリーから聞いた情報にある『こうどうはやい』という特性には注目していた為にスラリンがどうやってあの動きの速さを見せたのかを見抜く。
「あってるっちゃあってるんだがちょい惜しいな。
『こうどうはやい』って実はこれの上位特性があってな、まぁ詳しい説明は省くがデメリットがデカくなる代わりに更に速く動ける『超こうどうはやい』ってのがあんだよ。
スィラが採用してるのはこっちだな。」
「デメリットってたしか妨害を受けやすくなるのよね。
それはそれで致命的な弱点じゃないの?」
「そうだな、スィラから聞いた話なんだがよ。
あいつがあれを採用する理由はいくつかあるんだが………
まず大前提としてモンスターマスター同士の戦いってのは特に『超ギガボディ』のモンスターと相対する時に先手を取れなかった場合一撃で全滅なんてことが普通にありえちまうんだよ。」
「んな!?私達が戦ってあれだけ苦労したような奴らよりも強いのに一撃!?」
「そう、『超ギガボディ』を持ったモンスターの一番恐ろしい所はたった一撃で相手を壊滅させる可能性のあるその火力の高さにあるんだよ。
ただ弱点も多いから先手を取られた場合普通に辛いってのもある。
だからこそモンスターマスターは小さいサイズの魔物を採用する時はこういう特性を使ってでも絶対に先手を取ろうとするんだよ。」
「『超ギガボディ』………たしか私のスキマに出てきた飛んでもない大きさの奴らよね?」
「あぁ、確かにミラクレアも『超ギガボディ』を持ったモンスターだな。
だけどあいつは比較的小さい方だ。」
「はっ!?」
「でかいやつはあいつよりももっとデカイ。
体内がちょっとしたダンジョンになるやつもいるからな。
さて、話を戻すんだが別にデメリットがあるっていってもモンスターマスターはそれをメリットに還元する方法はいくらでもあるんだよ。
基本的役割をしっかりと分担出来るように育成するのが今のトップマスター達で汎用性を高めようとするのはだいたいアホ呼ばわりされるな。」
「っ!話し込んでる間にだいぶ動いてるわね………って何であのなまずみたいな奴だけスラリンに注意を向けてるの?」
「あぁ、あれは作戦封じ状態になってやがるな。
あーあーあー、スラリンにそんな状態異常ぶつけてしらねぇぞ…………」
「へ?それはどういう…………ん?スライム………妨害…………あ゛………」
そう、紫は気付いてしまった。己がスィラに対して最初に戦った時のスラキャンサーの事を…………
「気付いたか?系統バーンだよ。
ついでにスラリンの持つ一族の誇りはこれを引き起こしやすい。
んで今スラリンが受けた妨害は四種類
猛毒、眠り、こんらん、呪い
つまりスライムバーンの発動出来る最大回数は4回。
んでテンションは4段階。
こりゃイル詰んだかもしれねぇな。」
するてやかましい実況席から状況の解説か軽くされていつた。
「スーパーハイテンションになるまでテンションがあんだけあがっちまったら下手してらこの次の一撃で全滅もあり得るなっと『青天の霧』か」
今度はドラゴスライムから青い霧が出て来はじめる。
「基本モンスターマスターの戦いは如何にしてフィールドをこちらの物にするかだがな。
別に霧の取り合いで先手とる必要はそんなにねぇんだよ。」
「それってどういうこと?」
「あの霧は特性とかによるものじゃなく特技なんだよ。
まぁ特性と違ってほぼ確実に取れるのもあるからマスターにもよるが自分で特技として使って手もある。
霧は上書き事態は簡単だしな。」
そしてドラゴスライムの『れんごく火炎』が炸裂する。
「なっ!?熱戦吐いたと思ったら直撃した地面から灼熱の壁が現れるとは………なんだそれは!?
あれは妹紅の炎とは比べ物にならないぞ!?」
「落ち着きなさい慧音。
あれはテンションが上がった状態だからあんな威力になってるのよ。」
「ま、そういうことだな。
だがテンション無くても熱戦とそこから吹き出す炎の壁はテンション関係ないがな。
スーパーハイテンションで使ってるからダメージは通常の四倍ってとこだな。」
霊夢達はテンションという現象の恐ろしさを思いしらされる。
さらにスライム達と戦ったメンバーだと下手に弱体化させられない分スライム系がどれだけ恐ろしいのかを実感していた者も多い。
そして続けてスライムベスによる絶大な威力の『轟雷滅殺剣』が発動する。
「「「「………………」」」」
「な…………によ…………あの威力………」
「うっわーえげつねぇ………カメハ?喰らってみるか?」
「いやどうあがいても死ぬだろ!?
ミンチ通り越して塵も残さず消滅しちまうよ!?」
「まぁ、あれがスィラの本気だな。
つってもイルの悪手が入りすぎてたから本来なら威力はもっと低いな。」
霊夢は今初めてその絶対的な強さに恐怖したのだった。