~魔法の森~『魔理沙の家』
あの戦いの観戦が終わったあと私達はとりあえず一度帰って考えることにした。
魔法だけに特化していてはそれ用に対策された魔物には勝てない。
物理だけに特化しても同じ。
何かしら別の手段での攻撃方法を模索するべきか……………。
「『悪夢のよびごえ』って言ったっけか?」
魔法をメインに戦うまどうスライムって奴らに片っ端から聞いたんだが、魔法を反射したり吸収するやつ相手にはどう戦っているのかという問いに対して殆どのやつらが答えたのが『悪夢のよびごえ』を使うっていう奴らだった。
一部『呪いの鉄槌』という技を使って倒すというのも聞いたんだがあれはどうやら自分の全魔力を使うのであまり私のスタイルには合わなそうだ。
そして『悪夢のよびごえ』という特技はどうやら魔法の威力に関わってくる『かしこさ』という能力が高ければ高い程威力が上がる技であり、これは魔法でも物理でもなく『ブレス』や『笛』といった属性の為にほぼほぼ対策出来ないらしい。
魔法の威力が上がれば上がるほどこの『悪夢のよびごえ』の威力も上がるためにかなり私向きの能力だと思ったんだが…………
「あぁぁぁ~~!?!?どうやったら使えるようになるかわっかんないんだよなぁ!!!」
パチュリーのとこから盗………借りてきた本にはそれらしいのはないしもしパチュリーのとこにあったとしてもどうせ見せてくれないだろうからなぁ(自業自得)
「おや?どうされましたか?魔理沙殿?」
すると隣で私の家の魔術書を読み漁っていたまどうスライムが話しかけてくる。
向こうで話してたらとある一匹とかなり意気投合したもんで私の家に誘った所あっさりOKしてくれたのだ。
スィラにも確認を取ったんだが『まどうスライムが望んでるならそれを阻む理由は欠片も無い』とキッパリ言われた。
ちなみにこいつは♀の個体で名前は『マドレーヌ』らしい。
「あぁ、どうにかして『悪夢のよびごえ』ってやつを覚えられないかなぁって思ったんだがどうにもそれらしい記述のありそうなのが無くてなぁ………。
お前らの所の図書館も見てみたんだが配合?ってのを頼るくらいしか方法が無さそうなんだよ。」
「ふむ………確かに『悪夢のよびごえ』は本来魔物しか覚えない特技であり、その習得方法も基本的にはスキルを頼るか己の肉体で使えるように訓練するしか無いですからなぁ。
とはいえスキルを用いれば例え手足が無くとも斬撃やパンチ等を行えるので配合の可能性は無限大とも言えます。」
ほんとどういう原理なんだか………ついでにマドレーヌ達にも分からないらしい。
「確か魔理沙殿は種族としては人間でしたな。
そうなると配合を頼るのは危険かと思われます。」
「あー、やっぱりか?配合関係も調べて見たんだがもし私を母親に雄の魔物と掛け合わせて新しい肉体を産み出すとなると私の魂その物に悪影響が出そうな感じがあったからなぁ。」
「その予想は概ね合ってますよ。
魔物は基本的に大半が魔に属しているためにそのエネルギーを肉体、魂に取り込みすぎてしまうと精神に何かしらの異常を起こします。
まぁ狂人の類いであれば元々イカれてるので気分が良くなる程度で済むのですがね。
とはいえ魔物は基本的に闘争本能があるのでどうしても好戦的になってしまうので人格を完全に保つのは人間やそれに近い種族以外になりますね。」
あー、やっぱりそうなるよなぁ………
「妖怪とか妖精はどうなんだ?」
「妖怪でしたら我々魔物と性質がほぼ同じなので全く影響は出ないかと。
なんなら我々よりも肉体を捨てかけているので人格も確実に妖怪側になるでしょうね。」
「ん?肉体を捨てかけてるってどういうことだ?」
「魔物は霊体とかそういうのを本体にする魔物もそれなりにいるのですが結局肉体その物が無い魔物っていないんですよ。
たとえばゴーストとかも棍棒で殴り倒されますから。」
「幽霊が棍棒でって………こっちだとすり抜けるだけなんだよなぁ。
まぁ霊力とか込めてりゃ普通に殴れるけど。」
「我々魔物はそういうの抜きで殴れてしまうのですよ。
なんなら子供にゴーストが倒されるなんて割と普通ですね。」
「ほんとどういう世界なんだか…………」
「ただ妖怪は肉体をそもそも持たない上に憑依した物が攻撃を受けてもダメージを負うのは憑依された側だけ、しかも認知されなければ消滅してしまう。
そして己の伝承を否定されればどんどん弱っていく。
魔物にはこんなのいませんよ………ただ恐怖や絶望を主食とする魔物はそれなりに居ますけど。」
ほんと似てるようで違うよなぁ。
すると玄関からゴンゴンとドアをノックする音が聞こえる。
「なんだ?叩きかたをチルノっぽいけど……ってか力強いんだよ!?」
あれ?そうなると鬼の連中とかそこら辺か?
「はいはいどちら様だ…………ってチルノ………なのか?」
目の前に居たのはチルノが少し成長したような少女であり、背中の氷の羽根は割れてそこから水が吹き出しているように見える。
耳の部分が魚のヒレのようになっており、その腰には膜が水が吹き出すことによって出来た背びれと尾びれの付いているかなり長い尻尾。
そして腕には蛇を模したような盾を付けていた。
「久しぶり魔理沙。
さっそくで悪いけど………アタイと勝負してくれない?」
ほんとにこいつチルノか?
紫モヤシ「そう言えば向こうの図書館の本は盗まなかったの?」
ドスメラルー「本が全部魔物になってたんだよ…………」
紫モヤシ「あぁ、『悪魔の書』と『悪魔の黙示録』の中身のページに他の本の内容を移したわけね。
確かに良い泥棒対策ね。」
ドスメラルー「借りようとしたら手を噛み千切られると思う………」
紫モヤシ「貴女の場合は借りるじゃなくて狩りるでしょうが………」