~魔法の森~『上空』
「うぉりゃぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
チルノは羽根から水の弾幕を噴射して急加速しながら突撃する。
羽根から噴射された水の弾幕は途中で凍りつき、氷の刃となりながら結界内部を反射し続けてこちらへと向かってくる。
「当たってたまるか!」
私はすぐに上へと飛び去る。
横に移動するとおそらく水の弾幕の方が避けきれないからだ。
そして案の定チルノは突撃しか知らないようで避ける私を追うために方向転換しようとはしない。
そのまま結界にまで激突したと思ったその瞬間………
「うりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃぁぁあ!!!!」
チルノが結界に突き立てた剣の先端から間欠泉のように一瞬で水が大量に吹き出してそれが瞬時に凍って巨大な氷塊となり、砕け散る。
更に砕け散った後にまた水が間欠泉のように吹き出しを高速で繰り返していた。
これによって大量の氷の刃が周囲を跳ね返り続け、先程の弾幕とは比べ物にならない難易度になっている。
チルノの場合狙って当てるという事をどうしても苦手としていたのだが、そんな中ルカがこんなアドバイスをしていた。
『むしろ狙って当たらないなら跳ね返るような攻撃をあえて狙わずにばらまいてれば予想外の所から攻撃が来るだろうからそのうち当たると思うよ?』
そしてこれは弾幕ごっこというルールの使用上直撃=アウトな為にかなり刺さる。本当の戦闘であれば、いくら避けにくいとはいえ当たっても大したダメージにはならないので意味はないのだが………弾幕ごっこに限って言えば威力は一切関係ない為に本来威力に割くべき力を全て分散させて手数に割くことが可能となるのだ。
これによって魔理沙は回避にとてつもない集中力を必要としており、徐々に消耗していた。
「ヨイショッ!ぬおりゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああああ!!!!」
しばらく氷の弾幕を出した後にチルノは剣を引き抜いてぐるぐるとコマのように回転し始める。
この回転によって羽根から噴射される弾幕がさまざまな方向へと飛び散りながら回転を更に加速させる。
「くらぇぇぇぇぇえええええええ!!!」
チルノはその回転を維持しながら魔理沙へと突撃していく。
「ぬぉっ!?あぶねっ!?」
魔理沙はまたしてもギリギリで回避する。
しかし全方位から無差別に襲いかかる氷の刃は数を減らすどころか増えてすらいた。
「くそっ!このままだとじり貧なんだぜ………。
ならリスクは高いけど………恋心『ダブルスパーク』!!」
魔理沙は得意のマスタースパークを二発同時で発射しながら向きを変え続ける。
これによって結界内部を跳弾し続けていた氷の弾幕が次々と凪払われて少しずつ姿を消していく。
だが二方向にしか撃てないというこのスペルの特性上どうしても死角となってしまう場所が複数出来ており、魔理沙はダブルスパークの反動を押さえるのに力を使っていてあまり大きく動けない。
その為体を捻る等してなんとか避けていた。
そしてそのダブルスパークによる攻撃がチルノにも一部当たっており、チルノはついにこのスペルを解除してしまう。
「うし撃破!かなりあぶなかったんだぜ。
それで?まだやるか?」
「まだだよ!『りばいあさん』!」
チルノがそう叫んだ瞬間、彼女の背後からまるで島すらも飲み込めてしまいそうなとてつもなく巨大な海蛇ようなの竜が現れる。
『ギュァァァァァァアアアアアアアアア!!!!』
あの竜こそが『みずの世界の守り神』、『海の海竜リバイアさま』である。
"さん"ではなく"さま"なのである。
「始海『かいはざん』!!!」
チルノは配合によって氷結と状態異常に特化した性能となっており、今のチルノは己が元々持っていたその氷結の力と配合によって得たリバイアさまの氷結の力を合わせて所持している状態で戦っていたのだが、リバイアさまの盾に眠るリバイアさまの力を解放する事によって氷結よりも海の力が強くなり、状態異常に特化するようになる。
そして最初に出していた大津波を再度発生させてからチルノはその手に掴んだ巨大な氷剣を更に巨大化させて振りかぶる。
「げっ!?」
「アタイはもう負けないんだぁぁぁぁぁぁああああ!!」
チルノによる"海"を"破"裂させて"斬"り裂く一撃が大津波へと直撃する。
これによって津波がとてつもない勢いで弾かれながら凍っていき、全てを飲み込んで凍てつかせ、"毒"を与えて"麻痺"させて"眠り"に誘い"こんらん"させる大津波が二つの方向から襲いかかる。
「魔砲『ファイナルスパーク』!!!!」
魔理沙は己の使える最大威力のスペカを持って対抗するが、その弾幕すらも大津波は飲み込み、凍てつかせる。
「うぉりゃぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
チルノは己が新しく手にいれた力をごり押し気味に使って魔理沙の最大火力を上回ったのだ。
「魔理沙殿!?」
マドレーヌが咄嗟の判断で物理以外の耐性を全て上昇させるマジックバリアと、防御力を大幅に向上させるスカラを魔理沙に付与する。
「ぐっ!?うぁぁぁぁぁぁあああああああ!?!?!?」
魔理沙は全てを凍てつかせる大津波へと呑まれたのだった。
⑨「アタイ最⑨!!」