スライム狂による幻想王国建国記   作:クロマ・グロ

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死神と死神

 

 

~スラバッカ王国~『闘技場』

 

 

上司からの死刑宣告を食らった小町は大きく落ち込みながら戦ってはいたが、その一撃一撃が命を狩り取る死神の一撃としてスライダークに襲いかかる。

 

対するスライダークは小町の鎌を使った巧みな連撃に多少苦戦しており、ある程度受け流したりカウンターを入れているがその度にスライダーク自身も直撃を貰っていた。

 

すると自身の横を何かが吹き飛ばされたような強風が横切る。思わずスライダークと共に目で追うと吹き飛ばされた者の正体は風見 幽香であり、小町は驚きを露にする。

 

「んなっ!?あの風見 幽香がパワー勝負で吹き飛ばされたのかい!?」

「おそらく今のはスライダーヒーローの『まねまね』だな。

あいつの攻撃力であそこまで吹き飛ぶとなれば痛恨の一撃でも出したかそれだけとんでもない威力の攻撃をその幽香という者が出したのだろう?」

 

驚く小町に対してスライダークは冷静に状況を見極めていた。

これもスライダーズ達が己よりも圧倒的に強い魔物と連戦に連戦を重ねた結果身に付いたものであり、この国の魔物はほぼ全てがどのような状況においても冷静に状況を判断することが出来るようになっていた。

とはいえ突然の事にはまだ弱い個体も多く、パニックになる時は普通になるので完全とは言えないが。

 

そして小町はゆっくりと足を後ろへと動かし後退しながら能力を使ってスライダークの背後に突如として現れる。

だが……

 

『スライダーク、まわしげり』

 

全体の状況を把握しながら指示を出していたスィラの的確な指示により最高クラスの威力を誇る物理体技の一つである『まわしげり』を放つ。

 

突如として放たれる『まわしげり』に小町は鎌をなんとか構えて受け止めるが大きく吹き飛ばされる。

直撃はしなかった上に武器でガードした為にダメージこそ無いのだが武器で受け止めた際に受けたダメージは相当なものであり、とんでもない衝撃を腕を伝って浮けてしまい、小町の腕はかなり痺れていた。

 

「うっわ的確だねぇ…………スィラってやつの目と頭のなかはどうなってるんだい?」

「愚問だな、今の主にはこの闘技場の戦闘フィールドの情報以外なにも受け取っていない。

己の意識の何もかもを全て戦闘に集中している故な。」

 

さらに追撃とばかりにスィラは続きの指示をスライダークへと出す。

 

『スライダーク、ばくれつけん。』

 

その指示に従うスライダークは己の拳を叩き込むべく一瞬で小町の目の前へと移動して四発強烈な拳を小町の腹部に叩き込む。

 

小町はその攻撃を貰って壁に叩きつけられる。

 

「ぐぬっ!?」

 

すると咄嗟の判断で小町は目の前に能力を使って距離をとてつもなく長くする。  

 

これによってスライダークはとんでもない速度でこちらへと突撃してきていたが小町が能力を用いた空間に入ると同時に止まる。

いや、移動はしているが完全に動きを留めている。

この理由は実はそんなに難しいわけではなく、小町の能力にある『距離を操る程度の能力』にある。

 

これは死神としての種族的な能力でもあるのだが小町は死神達の中でも特に戦闘での能力の扱いに長けており、一部の空間の距離を伸ばすことにより敵の移動を妨害したり、逆に直線距離を大きく短くすることにより擬似的な瞬間移動を行う。

その為に死神としての腕"だけ"は確かなのだが………サボり魔気質がどうしても邪魔をしており、度々説教を食らっている。

 

だがそんなサボり魔が今はその能力を全力で用いる程に本気で戦っている。

この理由は何故か。

 

 

それは…………

 

『なんとしてでもこの戦いで活躍して少しでも説教の時間を短くして貰う!』

 

この一つに尽きた。

 

だが本気を出した小町にスライダークは徐々にではあるが翻弄され始めていた。

 

スライダークが突撃しても能力によって近付けず、逆に小町はスライダークが認識出来ない速度で近付いてくる。

 

だがスィラはそんなスライダークに的確な指示を飛ばしていたのもあり小町は中々決定打を出せずにいた。

 

さらに小町が弾幕を出そうとしてもスライダークが定期的にマホカンタという魔法反射結界を作り出して弾幕を全てこちらに跳ね返してくる為に接近戦に持ち込む他無いのだ。

 

そして状況は動き出してついに小町の大鎌がスライダークへと直撃したその時だった。

 

「っ!?」

「よし!これでどう?」

 

『ピッ!小野塚 小町 の 攻撃!

死神スライダーク に 349 の ダメージ!』

 

するとスライダークの目が怪しく輝き切り裂かれた腕でその鎌を掴んで今までの倍の威力を誇る蹴りを入れる。

 

「ガッ!?」

 

『ピッ!死神スライダーク の 特性 ギャンブルカウンター 発動。

小野塚 小町 に 999 の ダメージ!』

 

小町は全てを粉砕するかのような威力の蹴りを貰って鎌の柄を真っ二つにへし折られ、肋を数本持っていかれた。

 

「がっ………がはっ!?

警戒しろ……とは………言っていたけど………なんつう威力………」

 

小町は死神として生と死の狭間に存在する種族の為に粉砕骨折程度ならまだ戦闘続行可能なのだがしばらくは回復に力を裂く必要が出てきてしまった。

 

果たしてこの勝者はどちらの手に………

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