スライム狂による幻想王国建国記   作:クロマ・グロ

83 / 100
死神と死神  その2

 

 

~スラバッカ王国~『闘技場』

 

 

『小町』

 

スライダークの強烈なカウンターを直撃してしまった小町に対して観戦席にいた映姫は声をかける。

 

『まだ………やれますか?』

 

「っ!はい!」

『そうですか………では勝てたのなら………ボーナスとして休日を1日だけ差し上げます。』

 

その言葉を聞いた瞬間小町は爆発的な加速を見せてスライダークの目の前に現れて自分の妖力を限界まで注ぎ込んだ大鎌を高速で振り回す。

 

そして映姫の言葉に反応するように叫び始める。

 

「映姫様……………1日だけって短すぎませんかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああああああああああ!?!?!?」

 

そんな小町の顔には涙が浮かんでおり、直接戦っているスライダークとしてもとても微妙な気分となっていた。

 

『無茶を言わないでください。

ただでさえ冥界は人手不足です。

休日を1日上げるだけでも感謝してください。』

「ありがとうございますよコンチクショォォォォォォォォォォォォォォォオオオオオオオオオオ!?!?!?!?」

 

小町はヤケクソ気味に鎌を振るってはいるがスライダークはかなり苦戦を強いられていた。

 

何故ならスライダークがへし折ったはずの大鎌は小町の妖力で完全に繋がっており、さらに刃の外側には実態の刃とは別に妖力で作られた刃が発生していてリーチが読みにくくなっているのだ。

 

『ピッ!小野塚 小町 の つるぎのまい!

死神スライダーク に 200 の ダメージ!

死神スライダーク に 200 の ダメージ!

死神スライダーク に 200 の ダメージ!

死神スライダーク に 200 の ダメージ!

死神スライダーク に 合計 800 の ダメージ!』

 

 

尚この時小町は気が付いていなかったのだが、小町のヤケクソの攻撃は特技として判定されており、この時始めて幻想郷の者が魔物世界の特技を習得した瞬間でもあった。

 

さらに限界を超える量の妖力を注ぎ込まれた大鎌は徐々にヒビが入ってはいるのだが、その隙間に入り込んだ妖力が力強くくっ付けて例え折れても持てるようになっていた。

 

更に言えばつるぎのまいで出せる一撃のダメージで壁である限界ダメージを出せており、もしもこれで最大回数である7回直撃をしていた場合ダメージは1400というスモールボディのモンスターではとても耐えられない量のとてつもないダメージとなっていた。

 

「ぐっ!?がっ!?このっ!?」

 

更に言えば踊り系特技であるつるぎのまいに対して受け流しは発動することが出来ず、ギャンブルカウンターはこの連撃に対して一回の攻撃と判定される為に発動がかなりの低確率となっている。

 

何故小町がここまでの頑張りを見せているのか。

それはこの一つに尽きた。

 

冥界には閻魔である映姫含めて土日や祝日の休み等存在せず週に一度の休みしか取れないのである。

 

冥界の人手不足が深刻となる最大の理由、それは………人手不足によって減らさざるを得なかったこの休みによって就職を希望する者が余りにも少ないからである。

 

この時の小町の心の中はというと………

 

『休みをサボりとは別に1日貰えるだけマシ』

 

小町はとことんサボり魔ではあるのだが切実な話ちゃんとした休日は欲しかったのだ。

 

『スライダーク!てんぺんちい!』

 

スィラはこのままでは攻撃をまともに当てるのも難しいと判断して固定ダメージを与える超広範囲の体技を用いる。

 

空から巨大な隕石が複数落ちてきてスライダークを巻き込みながら大爆発を引き起こす。

 

小町はこれを避けることが出来ずに直撃を貰ってしまい身を守る為に振るったその大鎌に更に大きな亀裂が入る。

 

『ピッ!死神スライダーク の てんぺんちい!

小野塚 小町 に 256 の ダメージ!

博麗 霊夢 には 当たらなかった!

風見 幽香 には 当たらなかった!

因幡てゐ に 267 の ダメージ!』

 

何故かてゐが巻き込まれてはいたが自分ごと巻き込んだはずのスライダークには一切のダメージがない。

 

どうやらスィラはギャンブルカウンターによって死にかける程の痛手を一度負った小町を確実に倒すために基本的に避けられない攻撃を用いて止めを刺すつもりのようだ。

 

だが小町は倒れない。

今の小町は休日という貴重な日をなんとしても手に入れる為に覚悟を決めていたのだった。

小町は確かにサボり魔だ。

普通ならば即クビにしてもおかしくない程の事をずっとやらかしてはいるのだが、まだクビにされずに働けているのには理由があった。

 

そう、本気を出した小町には例え映姫であったとしてもかなりの苦戦を強いられる程に小町は冥界において強者として知られているのだ。

確かに仕事はサボるしよく説教されてはいる。

 

だが強さだけで見れば小町は間違いなく閻魔殿で二番目の実力者であり、冥界でも指折りの数少ない実力者の一人なのだった。

 

そして命を狩り取る死神の大鎌がついにスライダークを捉えた。

 

『ピッ! 小野塚 小町 の アサシンアタック!

死神スライダーク は 即死しなかった。

死神スライダーク に463 の ダメージ!』

 

ついに小町はスライダークに致命傷を負わせたのだった。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。