スライム狂による幻想王国建国記   作:クロマ・グロ

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ドSとヒーロー

 

 

~スラバッカ王国~『闘技場』

 

 

スライダーヒーローと幽香によるパワー勝負は未だに続いていた。

 

単純なパワーだけならスライダーヒーローに軍配が上がるのだが、スピードと耐久力ではどうしても妖怪である幽香に遅れを取っていた。

幽香は持ち前の脚力と飛行の合わせ技によってスライダーヒーローを圧倒する程の速さで動き、的確にスライダーヒーローへとダメージを蓄積させていた。

 

だがスィラの指示によって状況を一気に覆す程の効果を持った呪文が発動される。

 

『スライダーヒーロー、アタックカンタ』

「承知!」

 

するとスライダーヒーローを覆うように球場の目に見えない結界が生成される。

 

「アタックカンタ………たしか物理反射結界だったわね。」

 

幽香は威力を無視して反射する"カンタ"系、限定的ではあるがカンタ系では反射不可能な攻撃すら反射する"よそく"系の特技だけは印象に残っており、警戒していた為に物理攻撃をやめて弾幕による牽制とマスタースパークを中心とした高火力スペルカードによるダメージを中心に戦いを始める。

 

だがそんな幽香のマスタースパークすらも………

 

『スライダーヒーロー、呪文よそく』

「承知。」

 

スライダーヒーローは己の右腕の槍を盾へと変形させて身を守る。

マスタースパークの範囲であればただ身を守る程度では全身を妖力と魔力による高出力の砲撃に呑まれるので意味がないのだが………

 

「まずっ!?」

 

『呪文よそく』と呼ばれる特技は全ての呪文、魔法を威力や効果を無視して全て反射するという反則級の特技であった。

 

幽香は反射されるマスタースパークをその身体能力と飛行能力を最大限活かしてなんとか回避することに成功する。

 

「やってくれたわね………まさかその物理反射を維持しながら別の反射系を使うなんて………アタックカンタとやらを使ってから動く様子が無かったから動けないと思っていたのに……」

 

「事前に主と作戦を決めていたのだよ。

せ世界の住人は私達の世界の特技の情報をそこまで知らないからこそ普通に考えれば刺さらないこの戦法が刺さるのではとね。」

 

そう、スィラはわざわざ植物系の魔物や花等がない所を選んで作戦を軽く練ってきており、その時に提案された作戦がちょうどこれに当たるのだ。

 

本来モンスターマスター同士での戦いにおいてカンター系の呪文はハッキリ言って"意味がない"。

何故ならばモンスターマスター同士での戦いでは確実にいてつくはどうを覚えさせている為にバフとして扱われる為にいてつくはどうを使われてしまい、一撃でカンタ含めてすべての補助効果を問答無用ではぎとられてじう。

一部例外こそあるが、基本的にモンスターマスターの戦いとはにらみ合いであり、如何に敵を術中に嵌めるかを与えるも戦術の一つと言える。

そして幽香はアタックカンタのとマホカンタの両方がある場合の攻撃方法も一応考えてきてはいた。

 

幽香は突如傘を持つ手とは反対のその手にナニカを掴んで、スライダーヒーローへと急接近してから傘を目の前で"わざと"構えて………

 

「マスターっ!!」

『呪文よそく!!』

「来るがいい!!

また反射してくれる!」

 

「スパーク!!」

 

と言いながら傘を持つ手とは反対のナニカを掴んだ手をスナップを効かせながらゼロ距離で投げつける。

 

「へぶっ!?!?」

 

スライダーヒーローは間抜けな声を出しながら後ろへと吹き飛ばされる。

 

そう、幽香がその手に掴んでいた"ナニカ"とは………拳に掴んで砕いていた"石つぶて"だったのだ。

 

『ピッ!風見 幽香 の 石つぶて!

スライダーヒーロー に 167 の ダメージ!

スライダーヒーロー の くじけぬ心 が 発動!

スライダーヒーロー は こらえた!』

 

今の一撃により元々ある程度死にかけになるまで削られていたスライダーヒーローの体力が完全に削られたのだが、スライダーヒーローから金色のオーラが現れてなんとか耐える。

 

そして………

 

「あら?反射してくれるんじゃなかったのかしら?

それにもう虫の息みたいだけど大丈夫なのかしら?」

 

思いっきり煽ってくる。

 

「侮辱してくれるな………『ギガクロスブレイク』!!」

 

スライダーヒーローは挑発に乗ってしまい盾を槍に戻して雷を纏わせてから十字に斬る。

 

斬ると同時にX状に生成された雷の刃が幽香へと襲いかかる……………のだが…………。

 

「その程度じゃ当たらないわよ!!」

 

 

弾幕ごっこに慣れている幽香相手に遠距離から面や量での攻撃ではなく範囲の狭い十字での攻撃は悪手だった。

 

幽香はひらりと回避してまた石つぶてをぶつけると見せかけて傘ではなく手からマスタースパークを放つ。

 

「なにっ!?」

 

この一撃によりスライダーヒーローは体に大穴を開けて死亡した…………だが天使の輪が現れてスライダーヒーローの死体を浮かび上がらせてスライダーヒーローは復活する。

 

「なっ!?」

 

そして復活したスライダーヒーローには星のが体から溢れるようなエフェクトが付いていた。

 

『ピッ!スライダーヒーロー の 特性 『ラッキーSP』 が 発動!

スライダーヒーロー は ラッキー状態 に なった。』

 

スライダーヒーローの本領が今発揮される。

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