~スラバッカ王国~『近海』
「マ ・ ダ ・ ン ・ テ !」
メタルゴッデスの持つ全ての魔力が収束する。
あまりにも膨大な魔力が一ヶ所に集まることで周囲の重力が歪み始める。
臨界に近付くに連れて魔力の収束点へとチルノは強く引き寄せられていく。
メタル系の共通の能力的特徴として
HP:低
MP:超高
攻撃力:低
防御力:トップクラス
素早さ:トップクラス
かしこさ:トップクラス
という極端な能力値となる。
とある一体だけは攻撃力も高いのだが、基本的にほぼ全てのメタル系はこのような形になるのだが、スィラのメタルゴッデスは行動回数を減らすことによってステータスを大幅にあげており、MP量がとてつもなく多く、例え超ギガボディの魔物の体力でも一撃で死亡、もしくは致命傷を与えられる威力のマダンテを放てるように調整されていた。
元々マダンテとはとある魔法都市で生まれた究極の攻撃呪文であり、全ての魔力を解き放ち、わざと魔力暴走を引き起こす事で魔王にすら致命傷を与えられる固定ダメージを叩き出すハイリスクハイリターンな呪文だった。
とある魔王はそのあまりの威力に恐れて封印したのだが、その呪文の封印はかなりあっさりと解除されて各世界へと伝わったのだ。
本来は人間が唱えるために産み出された呪文であるために魔物側が習得するのには時間がかかり、人間は唱えればすぐに発動するのだが、魔物は育ち方によっては人間の持てる限界の魔力の9倍近い量を持ててしまうために人間の許容力を越える魔力で放つとなると時間がかかってしまうのだ。
あまりに膨大過ぎる魔力の暴走は諸刃の剣であり、自分すらも巻き込んでしまう危険性もあるのだ。
だがマダンテは属性としては魔物が放つ炎ブレスと同じ属性となっており、メタルゴッデスは炎ブレスを無効化する!
暴走した膨大過ぎる魔力はメタルゴッデスごとチルノを巻き込んで極大爆発を引き起こす。
その日、幻想郷の海の一角が一時的に消滅した。
爆発が起きた跡地にはボロボロになりながらも神々しく羽ばたくメタルゴッデスの姿と…………黒焦げになりながらも元の大きさと姿に戻った氷の妖精と小さい蛇の姿があった。
なおチルノはどうやらマダンテにより死亡まではしなかったらしく、風前の灯火となりかけては居たもののしっかりと生存していたらしい。
実は爆発の瞬間にリバイアさまの盾がメタルゴッデスから引き抜かれてチルノを庇うようにマダンテの爆発を受け止めていた。
とはいえメタルゴッデスのマダンテを耐えるには強度があまりにも足りずに盾は崩壊してしまい、マダンテの威力を大きく減衰するのが限界だったようで、チルノとの配合で融合していたリバイアさまは核となる盾が崩壊した事によって一時的に融合状態が解除されてチルノは元の姿に戻ってしまっていた。
とはいえ完全に戻った訳でもなく、リバイアさまはもはやチルノの一部となってしまっており、チルノはいつでも融合した姿に戻れるようになっていたらしい。
とはいえマダンテのダメージはとてつもなく大きく、妖精としての肉体が崩壊しかけており、今は永遠亭で魔理沙と共に仲良く入院となっていた。
その病室には毎日のように大妖精と、妖精の翼と細長い嘴を持った少しファンシーな小竜が御見舞いに来ていたらしい。もはや小型のヘビくらいにサイズを落としたリバイアさまも状態はチルノとリンクしているらしく、チルノが元気になるにつれて少しずつ大きくなっていた。
そして元凶のルカはと言うと…………
「まってまってまってまって!?!?俺が悪かったから!?俺が悪かったから魔物無しで超ギガボディのぶちスライムベスとタイマンは許してよぉ!?!?」
スィラとそのスライム達によるお仕置きフルコースを受けており、1週間は満身創痍となることが確定した。
なおルカの魔物達は………
「自業自得です。」by聖なる竜
「あのバカには良い薬だな」byオアシス背負った竜
「少しは反省してください。」by海蛇
「日頃の行いじゃな。」byマンモス
との事だった。
ルカの魔物達は、ルカの育成の速さや戦闘のセンス、正義感等は好ましく、認めてはいるのだがたまに天然でアホな事をやらかして周囲に迷惑をかけていたので全体的に自業自得と見ていた。
スィラのお仕置きによってしばらくの間幻想の地ではルカの悲鳴とスィラの怒鳴り声、イルの呆れた声と甘ったるい砂糖の気配がしたと言う。