兄が妹にガチ恋してると勘違いされた件 作:(兄
血と汗を滾らかせ(る女の子を眺めながら)プロットを再考して妹のキャラを捻じ曲げてやった。やったぜ。
代償に数万文字消えた。泣ける。
ひ、評価10……だと……
一つ言うなら、隠してるつもりはないです。
桜色の空をプレイ中、ふと机の上のデジでタルな時計を見ると7:56を指していた。
「……ん、そろそろか」
一旦プレイを中断し、パソコンを閉じる。キリがいいしプレイ中に親襲来よりはマシだろう。
ちなみに俺の最推し桜リセには遂に告白されて今は恋人状態だ。本当はなるつもりは無かったが、あまりにも可愛くて衝動的にYESを押していた。反省も後悔もしていない。相変わらずの無垢っぷりで、だがそこに『大好きだよ、ハヤトくん(本名プレイ)』が加わって俺のムスコもムクムクである。相変わらず家族のような距離感でそう言ったふいんき(なぜか変換できない)にはなってないが、これはこれでめっちゃ楽しかった。あれ?これほんとにエロゲー?(ぜんぶ早口)
パッケージの裏には18禁絵。エロゲだな!よし!(現場猫)
と、ゲームの話はともかく、俺がすぐにでも先を見たいのを中断したのは、母親が来るからだ。
「『8時に部屋居ろ』ってなんだよ。このメッセージ」
サークルの集まりで飯食ってから家に帰ると、謎のメッセージが母親から送られていた。それ以外に文面は無く、理由も添えられていない。ただ、なぜか返信を許さない圧をメッセージから感じ、返信も直で訊ねることもできずにいた。母親ナニモンだよ。いや、あの父親と上手くやってる時点で只者じゃないんだろうけど。
「……まだか?」
早くしろという思いと、なんだか怖いという思いが混ざり合い、結合して水になった。おそらく怖い感情が水素だろう。爆発しそう。
しょうもないことを考えつつ、時間が過ぎるのを待っていると気付けば8:02。あくしろよ……。
そして遂に、
トントン、ガチャ
「やっと来たのかよ母さん、待ちくたびれた……え??」
扉を開いて部屋に入って来たのは、母親でもなければ大穴の父親でもなく…………レース不参加のはずの妹だった。場外から飛び入り参加しやがった。
「え、えーと……お邪魔します……!」
……ひどく緊張した様子の妹の久原理瀬が、パジャマ姿で俺の部屋の中にいる。訳わかんねぇなこの状況。
え、なんで妹?めっちゃ足震えてるし、大丈夫?部屋間違えた?いやお邪魔しますとか言ってたし違う?なんで?母親の刺客?いやむしろ刺客の方が倒れそうなんだけど。刺客失格だな(げきうまぎゃぐ)。ていうか俺は妹に嫌われるように振る舞って来て、ちょっと悲しいけど色々と自制して頑張って来たのに……え?どこで襲来フラグ立った?
……はっ、フラグ……親父!?
ヤバい、汗かいてきた。こんなん父親に見られたら全て終わる。つい最近ねだりまくってお小遣い増額をゲッチュしたのに……これを見られると減給……最悪約束を無しにされてしまう……!入らないよう鍵閉めなきゃ……ってそれはもっとヤバい。
妹には悪いが部屋から一旦出てもろて
ガチャ、ガチャ
「……エッ」
一つ目のガチャは妹がドアを後ろ手に閉める音、二つ目のガチャは……
やだぁもう〜鍵かかってるぅ(オネェ風)
俺の代わりに閉めてくれてありがとう。……………ってはぁ!?ナンデ!?カギナンデ!?イェェア!?
ちょっと落ち着こう。そう……冷静に、心をクールに冷ますんだ。一旦最初からスタートして始めよう。今の俺は政治家にもなれそうだ。えっと、妹はなんだ、嫌いなはずの兄の部屋に来て、無言で鍵を閉めた。……ごめんやっぱわかんね。
って気づいたら妹が目の前にいるぅ!?
…………え?縮地?妹は縮地の使い手だった……!?
妹が顔をあげ……ヤル気満々ですねクォレワ。やっぱ刺客なの?鍵閉めたのは簡単に逃げられないように!?足震えてたのは演技?演技なのか!?今めっちゃちゃんと立ってるやんけ!!うっそだろおい。
たいへんご立派なお立ちぶりで……(うっそだろおい)
ってそんな場合ちゃうぞ。妹のこのケツイがみなぎってる表情。何か心当たり……っは、父親との契約がバレた!?それで俺を非難しに来た!?た、確かに俺は妹よりアニメの
え、ま、ちょ、まてまてまて!?
なんで泣いてんの!?
きゅ、急に俯いたら頬に光る物見えてあ、涙やこれってなってって……ええ!?
と、とりあえず落ち着こう。ひっひっふーってそんな古典的ギャグしてる場合じゃなくてえっとその。たすけてマイキー!
い、妹が泣いててほっとく兄なんていねぇよなぁ!(つよがり)
えーと、どうすれば……あ、そうだ昔これやったら泣き止んだっけ、えっとたしかこう手を
ぽん
俺は、そっと妹の頭に優しく手のひらを置いた。
「おにい……ちゃん?」
懐かしいな、妹からそう呼ばれるのも。いつのまにか「にいさん」呼びになってたし。というか会話自体久しぶりまくりだが。
昔やった……と言っても妹は幼稚園児でもう覚えてすらないだろう。しかし、効果はあったのか、妹は目に涙を溜めつつも顔を上げて泣き止んでくれた。
……あれは10年以上前のこと。両親の帰りが遅く、それに雷が鳴るような悪天候だった。そしてひどく怯えて泣いてしまった幼い妹のために、その兄は自分も雷苦手で怖いくせに、精一杯の強がりをして妹を安心させるため、頭に手を置いてこう言ったんだ。
「大丈夫だよ。理瀬」
その思いは、10年経っても、いくら会話しなくなっても、嫌われていようとも関係ない。
「
兄とは、妹を守る存在なんだから。
………………ん?あれ?俺は妹を何から守るんだ????
いや、10年前は雷だったんだけど、今回は何?正直なんで妹泣いてるかも分からんのよ??えっていうか雷から守るとか不可能やん。人間が自然の脅威に勝てるわけないやんいい加減にしろ!!いやー今も昔も相変わらず虚言しか言わず嘘ついてばかりで、こんな兄に対していい加減妹は…………
「お兄ちゃん!大好き!」
……ほほーう。なるほど?
【悲報?】実の妹から抱きつかれて告白される【断じてシスコンではない】