兄が妹にガチ恋してると勘違いされた件 作:(兄
圧倒的赤!赤!赤!
圧倒的感謝!
無色とか恥ずかしくないの?
「感想と評価はモチベに繋がる」by日本書紀
あ、今回シリアスっぽいふいんき醸し出すんで、求めてねーよって方は親父登場までスキップ推奨。
「もうこんな時間か」
机の上の9:30になった時計を見る。今日も今日とて午後スタートの俺は、だいぶ遅い朝を迎えた。
しかし、それは万全に寝れたかというとそうでもなく。
「……ふぁぁぁぁ」
特大のあくびが出てしまう。確実に寝不足だった。
そりゃそうだ。昨日は妹から大胆な告白を受けたのだ。もちろん、そこから『昨夜はお楽しみでしたね』みたいな展開になった訳もなく、色々と限界だった俺たちは「おやすみ」「また明日」というセリフと共に別れることになった。妹は明日も来るつもりなのかと驚いたが、その後、一人で悶々と……じゃなくて黙々と考えた結果、なんとなくだが妹の行動に一つの結論を出すことができた。
……今まで妹は俺のことを嫌っていると思っていた。しかし、それは大きな間違いで、実は妹は寂しい思いをしていたのではないか。
昔を思い返すと、小学生の頃の俺はアウトドア派であり、妹を連れては冒険と称して様々な場所に行った。もちろん、小学生の足なのでたいした遠出でもなければ、行き先を決めていた訳でもない。当てのない散歩のようなものだった。
今はもうどこに行ったのかほとんど忘れてしまっているが、それでも妹は一言も文句を言わずについてきていたのは覚えている。インドアになってから『よく兄の我儘に我慢できたていたものだ』と考えていたが、本当は逆で、妹も楽しんでいたのではないだろうか。
やがて、厨二病からオタク文化に触れた俺が妹を誘う機会はメッキリ減って……残された妹は、どうしていいのか分からなかったのではないだろうか?
いや……何度か『今日は行かないの?』と聞かれたが『(アニメ見るのに)忙しいから』というクソな理由で断っていた気がする。
……それで、妹は俺に話しかけて断られるのが怖くなり、俺はあの約束もあって妹に話しかけなくなり……今の疎遠な関係になっていたのか。妹は別に俺を嫌っていたんじゃない。ずっと待ってたんだ。俺が話しかけてくるのを。
一つ疑問なのは、ならどうして昨日は俺の部屋に突撃したのか?ということだが……父親はまぁ有り得んだろうし、母親の線が濃厚だが……良くも悪くも放任主義の母親がそこまでするとは考えられなかった。……鍵閉めとか明らかに誰かの入れ知恵だろうし。友人の線が濃厚だが……大丈夫なのかその友人は。妹とまた話す時聞いてみるか。
ともかく原因は不明だが、妹は勇気を出して俺との関係を改善しようとした。それだけは間違いないだろう。
「はぁ…………」
妹に寂しい思いをさせておいて、あまつさえそれに気が付かないとは兄失格だな。
親父には悪いが、あの約束は反故させてもらう。ま、大学生にもなったしバイトを経験するのも悪くないだろう。寂しがり屋の妹と金、当たり前だが妹一択だ。
……だから、俺は、おれ……は……
「よぉ……待って居たぜバカ息子」
一階に降りたら
あまりの迫力につい目線を逸らし、食卓の上を見ると普段の朝食の他に……プリンを食べた跡が見える空のカップと、『お兄ちゃんへ』という可愛らしい付箋のメッセージがあった。
「おう、なんだコレは。めっちゃ美味しいかったぞ。んで、妹にナニしやがったてめぇ。さぁキラキラ吐いてもらおうか??」
「いや深く考えずとも妹から俺に送られたプレゼントだろ、あとなんで空なんだよさては食ったなクソ親父。どうゆうつもりだああん??」
あと最後のやつ正しくはキリキリ吐くだろ。キラキラはもう胃の中身出ちゃってんだろ。いや、父親の気迫を考えるとあながち間違いでもないのか……?
「やるってんだな」
「腕が鈍ってたところだ。勘を取り戻すのに丁度いい」
そして、もうこうなったら俺たちは止まらない。殴り合い蹴り合いなんでも有りの非道な喧嘩が幕を開ける……!
「「スマブラ3先勝負だゴラァ!!」」
普通に負けた。
「…………」
「ククク、カズヤとか使うくせに対して上手くねぇなぁおい」
「ルイージは卑怯やん……即死は反則やん……」
「勝てば官軍なのさ」
「やたら上手いし、さてはまた会議中にコンボ練習してただろ」
「なんのことやら」
「まあいい、負けは負けだ……ん?」
てかそもそも何か賭けてたっけ?
「あー、んじゃ昨日妹と何があった」
そんなに興味が無いのか、投げやりに聞いてくる父親にイラッとして……俺は父親に言おうとしていたことを思い出した。
「お、そういや言いたいことがあるんだよ」
「ナチュラル無視すんじゃねぇ」
「あの約束、取り消してくれ」
「………………は?」
「実は、かくかくしかじかでな」
「いや通じねぇから」
「なん……だと……」
「こっちのセリフだ。え、急にどうした。マジで、頭打ったか?」
「……頭打った方がマシだったかもな」
俺は昨日あった出来事をざっと話す……のはらは面白くないため少し過剰に盛って話してやった。
お互い嫌われていると勘違いしていた兄妹が(あってる)、相手の好意を感じたから勇気を出して向き合い(間違ってもない)、気持ちを告白で確かめ合い付き合い始めた(半分あってる)
という何処の俺妹だよと言いたくなるストーリーを即興で作って父親に聞かせてやった。
「んで、俺は妹に言われたわけ。『お兄様、愛してます』って。だいしゅきホールドされながら」
「…………」
「そんで『俺も愛してるよ』って返事しちゃってさー。てな訳で約束の件は無効にしてくれ」
「…………」
「あ、もう大学行く時間だわ。じゃーな。仕事ちゃんとやれよ」
「…………おう、いってら」
一通り話し終え、俺は玄関に向かいながら、親父な反応を振り返った。
あれ?……うーん。イマイチ受けなかったな。兄妹で相思相愛とかいう有り得ない想定で話したし、もしかして嘘なのが分かり易すぎてつまんなかったか?まぁでも、これで仲直りしたのは伝わっただろう。
小遣いは無くなったものの、どこか清々しい気分で俺は大学に向け歩き出した。
「……やっべ遊びすぎた」
やっぱ走り出した。現実ってクソだわ。
[一方そのころ]
颯人が出ていった後も、父親は驚愕で体を動かせずにいた。
(……マジか、アイツら本当に付き合いやがった)
そう父親は、先程の颯人のセリフを全て信じていた。それには、幼い頃の兄妹の記憶が原因にあった。
(幼い頃から、アイツらは仲が良い……いや良すぎた。同じ皿で食事を食べ、同じ水筒で水を飲み、同時に登校し同時に下校、そのままどこかに2人で出かけ、一緒に風呂に入り、一緒にベッドで寝る。危機感を感じるのには十分すぎた)
今時、兄妹以外の一切と遊ばない小学生がいるだろうか?四六時中一緒にいて、まるでお互いに依存しあっているようだった。
(だから、颯人は多感な思春期を利用してアニメに縛り付け、理瀬は学校を女子校にしたり習い事をさせたりして無理やり距離を離したんだ)
うまく行ったと思っていた。これで、それぞれの世界が広がって行き、それぞれに恋人でも伴侶でも見つけ出来るのだろう……と。
(なのに………………なのに、なんで元に戻ってんだよ!?てか前よりひでぇよ!?兄妹で付き合うことにもっと疑問を持てよ!!!あれか?離しすぎて寧ろ愛が深まっちゃったのか?胸の内でずっと燻ってたのか!?!?聞く限り、勘違いが解けてお互いの愛を確認しあったパターンだもんなチクショウ!!」
颯人が話した内容は、奇しくも父親の考え得る想定の最悪パターンとピッタリ一致していた。
(…………どうしよ、、、、)
一向に対処法を考えようともはや手遅れにしか感じられず、もういっそ祝福でもしようかと現実逃避を始めていた。
その日の夕食にて
「あれ?夕食の席変えた?」
「あ、お兄ちゃん。父さんに代わってもらったの。えへへ、お隣だね」
「お、おう。よく親父が許したな……って親父?」
「……娘に嫌われた……娘に嫌われた……娘に……」
「あは。父さん、お兄ちゃんのプリン間違って食べちゃったんだって。ちょっと叱っちゃった。また今度作るから待っててね、お兄ちゃん」
「お、おう。手間かかるなら無理はするなよ」
「……ちょっと?」
「お母さん?何か言った?」
「……きっと親父も理瀬のプリン食べたいんだろ。無理じゃなきゃ親父のも作ってあげてやれ、な?」
「……ほんと優しいなぁ、お兄ちゃんは」
「ダ、ダイジョブ……オデ、プリン、イラナイ……」
「ね、ね、お兄ちゃんはどんなプリンがいい??」
「近い近い。離れろ。膝当たって食べられん」
「……分かった。なら、今日も行っていい?」
「俺の部屋か?ま、もういつでも来ていいぞ。あ、でもノックはしてくれよ」
「ほんとっ!ありがと、お兄ちゃん!」
一つ言えるとしたら…………このセリフを後悔する日がこれから毎日くることは、当時の俺は全く理解していなかった。
実験的に分けて見ました。これはコレで……
-
アリ
-
ナシ
-
おもしろければどっちでも
-
ヒント増やせば?