兄が妹にガチ恋してると勘違いされた件 作:(兄
2章は、兄妹のほのぼの日常会のつもりだから安心して読んでくれよな。
B5.妹とアニメ
「……なあ、理瀬」
「なーに?お兄ちゃん」
「アニメ、見てみないか?」
大半は『お兄ちゃんに会いにきた』なんだが、最近は『自分の部屋では集中できないから勉強しにきた』『勉強教えてもらいにきた(もちろん禄に教えられない)』『学校のことで相談しにきた(ボッチに相談することはない)』などとバリエーションを増やしている。
これも俺が妹を無視し続けてきた反動なのかと考えると、罪悪感もあって真剣に対応せざるを得ない。
だが……会話しない間もやたらとこっちを見てきたり、スキンシップが多く妹に対して意識しないよう意識している(矛盾)他……更には休日の朝に半裸で俺が寝ているベッドに入り込もうとしたりする(B0参照)ために落ち着けられない時間が多く、妹が居ないときでさえも疲れのせいか「桜色の空」を始めとしたゲームの類がほとんどできず、専ら俺の悩みとなっていた。
特にゲームのリセまでも『お兄ちゃん』と呼ばれると
こんなことサークル仲間に相談することもできず……いやしたとしても『妄想乙』で流されるだろうが、ともあれ早急な解決案が必要だった。
「アニメ?アニメってあの、朝とか夕方にテレビでよくやってるのだよね」
「そうそう。ま、俺が持ってるのは深夜アニメっていう深夜帯に放送されるやつだけどな」
そこで思いついたのが、『妹をアニメで釘付け作戦』だ。
「へぇ、そんなのがあるんだ……でも、今は深夜じゃないよ?」
「大丈夫。(親父の部屋からパクってきた)DVDがあるから」
その名の通り、妹にアニメを見せて夢中にさせ、俺は自分のヤりたいことに集中できるという誰がどう見ても完璧な作戦だ。妹がアニメに夢中になるかは、父と俺の遺伝を受け継いでいる以上問題ないだろう。
試しに5個ほどのディスクを見せると、妹は興味津々という風にディスクとパッケージを眺めていた。
「どれも知らない……」
「これらは俺のオススメなんだが、リビングのテレビこれを見てくるってのは」
「えっ……」
……『どうだろう』と言いかけて、泣きそうな顔の妹を見て中断する。半ば分かってはいたが、妹も妹で重症だな。俺に依存したりしない……よな?(手遅れ)
「なんて、冗談だよ(震え声)
「あ……良かった……」
悪かったからそんな安心した顔しないでほしい。罪悪感で泣けてくるから。
でも、これで妹がアニメ見ている間はゲームの続きができる(希望)
「んじゃ、何見たい?」
「………………。……お兄ちゃんが見てないものはある?」
「ん、この中は無いぞ。まぁ
妹は長い間悩んだ末、結局決まらなかったのか逆に俺に質問してきた。俺の感想かオススメでも聞きたいのかと思い、つい気楽に答えてしまったが……直後、自分の発言を物凄く後悔することになる。
「それなら……そのアニメを一緒に見よう?お兄ちゃん」
「あっ(察し)」
断ればどうなるのかは、妹の顔を見れば一瞬で理解した……してしまった。
「…………ああ、そうだね、一緒に見ようか(精一杯の強がり)」
『全部見た』と言えば違う未来もあり得たのだろうか。聞かれたときに予想できたことではないか……もう今となってはもはや後の祭りだが。俺のバカ。
「ま、俺も見てなかったのを見るいい機会だな(って考えよう)。アニメは俺が選んでいいのか?」
「お兄ちゃんとなら、なんでもいいよ」
「……オレモダヨ」
いい笑顔だ。俺はきっと泣きそうな笑顔なんだろうが。
「えへへ……そんな、照れるよお兄ちゃん……」
「んー、これにするか」
俺の見てないやつから適当に選んだアニメは、ガワを見た感じでは女の子だけのユルいほのぼのアニメって風で、俺の好みではなかったからスルーしていたものだ。妹にいきなりファンタジーを見せても分からないだろうし、ハーレムものなんて以ての他だから寧ろちょうどいいだろう。人生何事も挑戦だしな。(ただしがっ○うぐらし、テメーは駄目だ)
見るアニメも決まり、パソコンにディスクを入れていざ見始めようとしたところで……1つ問題が発生した。
「……画面小さいな、これ」
「うん……ちょっと見づらいかも」
パソコンと行っても元父親のノートパソコンの余り、当然画面は大きくなく、ローテーブル(妹が勉強用に持ち込んだやつ)に置いて床に座って見ようにも二人並ぶと斜めから見ることになってしまう。まぁ、肩を寄せ合ったらなんとかなるか……
「え、えっと……そうだ、お兄ちゃんここ座って」
「ん?……まぁ良いけど」
何かを思いついたのか、妹はいつも使っている座布団っぽいやつを指差して座るように頼んできた。まぁ、反対する理由もないので大人しく胡座かいて座ると、
「私はここ」
「うぉも……」
俺の足の上、股の間に妹が降ってきた。突然の重みに俺はよくわからないうめき声を上げてしまう。
「えへへ、ぴったり……って今お兄ちゃん『重い』って言った?」
「いや、軽すぎるくらいだ。ちゃんと食ってんのか」
「そっか……ならいいけど」
チョロい。
ちなみに軽すぎるというのは本音だ。逆の意味でびっくりしたほど。
妹はそんな俺の回答に満足したのか、俺の胸を背もたれにして寄りかかった。俺の胸に妹の頭がすっぽり収まるが、やっぱり重みはほとんど感じない。ロリ体型だとは思っていたが、高校生でこれは小さすぎやしないか?
「お兄ちゃん。背、高いね」
「まぁな、お前は相変わらずちっさいがな」
妹は寄りかかったまま俺の顔を見上げてそう言った。軽く流しはしたが、これでも180超えてるのは密かな自慢。普段猫背で高身長に見られることはないけど。
「こ、これからおっきくなるもん……背も……む、胸も……」
「ん、なんて?」
「何でもない!」
「そ、そっすか。んじゃアニメ見るか」
「……お兄ちゃんのバカ」
どこか妹の様子が変なのが気になるが……ともかく、画面が小さい問題は解決したし、この体勢も兄妹にしか見えないので問題なし。
ということで、ようやくアニメを再生して………………俺はその日一番の後悔をすることになる。
「わっ、わっ……」
「…………(無心無心無心無心無心)」
……俺が適当に選んだアニメは、ほのぼのアニメのガワを纏ったガチ百合アニメだった。ふざけんな。
いやさ……最初はまだ女の子同士イチャイチャしていて、ゆる百合要素もあるのか程度に考えていたが、そのまま止まらず甘ったるい吐息と肌色が多いシーンとなり、目はとろんと溶けてお互いの服を脱がせ合う。そして今はギリギリな描写でベッドシーンが流れていた。ちなみにまだ一話目である。何だこのアニメ。
妹は顔を真っ赤にしながらも、つい気になってしまうのか顔を手で覆っては指の隙間から覗き、体を前後に揺らしたりと思春期の俺みたいな行動を取っていた。……兄妹だなぁ。
その後、本番にイキかけて乱入が現れるというお決まりのシーンの後は危険な場面もなく、一話の視聴も終える。妹は体に力を入れすぎたのか「はぁ、はぁ……」と肩で呼吸していた。耐性がなさすぎたんだな……。でも、色っぽく感じちゃう前に止めてね?まだ大丈夫だけど。
「お、お兄ちゃん……」
「ん、水いる?ほれ」
「あ、ありがと……じゃなくて、このアニメってこれで終わり?」
「いや、まだ続きあるけど……」
「み、見よう!」
「…………マ?」
こんなお互い色んな意味で疲れるアニメを、まだ見たいと申すか?
……いやまぁ、気持ちはわかるけどね。(経験者)
「しゃねーな。最後まで付き合ってやるよ」
「お兄ちゃんありがと!大好き!……えへへ」
「照れるなら最初から言うな。ほら見るぞ」
……その後、俺たちは夜遅くまでこのほのぼの詐欺ガチ百合アニメを見続け、0時を回ったところで完走した。
「おい、大丈夫か?」
「う、うん……なんとか……」
初めての深夜アニメを経験した妹は、顔はこれ以上ないほどのぼせたように赤く、呼吸は荒く、眠気もあるのか足もフラフラ、しかし何かをやり遂げたような達成感ある顔をしていた。
ククク、(アニメ沼に)墜ちたな
「ほら、腕捕まれ」
「うん……ありがと」
「誰が巻き付けと……ま、いいか」
何とか自力で立てるとはいえ、流石にこの状態の妹を放って置くこともできず、妹の部屋前まで付き添いって別れることにした。
「んじゃ。早く寝ろよ」
「うん、そうする……あ、この水もらっていい?」
「飲みかけだが、まあ気にしないなら」
「そっか……えへへ、ありがと……また明日、おやすみなさい」
「はいはい、おやすみ」
なお、翌日に妹が寝坊したのだが、決して俺のせいではないと信じたい。
俺?いつも通り9時に起きたが?(大学生の特権)