とてつもなくロクでなしなトレーナーから離れられないトウカイテイオー 作:はすき
――ボクのトレーナーは、とてもダメな大人だと思う。
「どうした? テイオー、そんな苦虫潰したような顔をして」
そう言いながらボクを見つめてくるトレーナー。ボクこと最強無敵のトウカイテイオーの担当トレーナーだ。ウマ娘たちの花舞台、『トゥインクルシリーズ』を走り抜けるボク達各ウマ娘ごとに担当トレーナーが付いている。だからウマ娘とトレーナーとの関係はとても大事なものになってくる。そんなボクの担当は、大好きな生徒会長、『シンボリルドルフ』の担当だと契約時に教えてくれた。生徒会長の仕事に専念するために契約は一旦終了したらしい。カイチョーを指導していただけあって、今のボクは全戦全勝。最強無敵のウマ娘のトレーナーにピッタリな優秀なトレーナーだ。それは間違いない……のだが……
「ううん、別に? 問題ないけど。ねえトレーナー、さっきのボク、なんか変な顔してた?」
「なんだか嫌そうだったぞ? ほら、こっちの『資料』ちゃんと見ておけよ?」
――でもボクのトレーナー、ちょっとおかしい気がする。そういう風に思っているのはきっと間違っていないと思う。だってトレーナーが見ているのは、『スーパークリークさんの写真集』であったからだ。私服姿や勝負服姿、もちろん水着やちょっとしたコスプレ衣装のページもあるフルカラー36ページ。もちろん、特に何もレースに活かされる要素なんて、全くない。
「ねえ、トレーナー。レース映像とかじゃなくて、ただの写真集を見るのは資料にならないと思うんだけど」
彼がこういう風に『趣味としか思えないような写真集』を見せてくるのは、いつものことだ。一年以上彼と過ごしているが、ほぼ毎日見ている。なにか意図があるのか、不思議になってくる。そう思ったボクは、トレーナーに聞いてみるのだった。カイチョーを教えていたことからか、何かこういう写真集からもヒントを得ているのかも……
「立派な資料だろ? このスーパークリークの身体つきよ。柔らかそうで、包容力があって、そして何よりもおっぱいがデカい。理想のウマ娘像だ」
――やっぱり、ボクのトレーナーはとてもダメな大人だ。
「なあテイオー、お前は知っているか? 『母性』の凄さを……」
トレーナーが何か話し始める時には、『スイッチ』のようなものが入る。それこそ、レース前のミーティングや日々の練習の時にもスイッチを入れてからボクと接してくれる。その時のトレーナーは、とてつもなくかっこいい……のだが……
「母性には抗えない魅力があるんだ? スーパークリークとその担当トレーナーを見てみろ? お母さんのゆりかごの中で過ごせるんだ。ゆりかごから墓場までとは昔の偉い人も言ってたが、トレセン学園ならゆりかごのそばにはママだぜ……」
「あー……うん、そうだね。 わかるわかる、きっとそうだと思うよー」
かっこいい顔をしながら言っていることは、ちょっと変なファンと対して変わらない。せっかくいい顔をしているのに台無しだ。そして何をいきなり『母性がある』だ? どう考えてもウマ娘に抱く気持ちではないだろう。何を考えているのか、心配になる。
「なんだよ……ボクにはトレーナーの言うような母……「いや全くない」ちょっと待ってよ言い切る前じゃんか!」
ボクだって立派なウマ娘だ。確かにトレーナーの言うようにスーパークリークさんと比べたら少しぐらい体格で負けているかも知れないが、顔やスタイルだって普通のウマ娘と比べたら負けてない。もちろんカイチョーと比べたってだ。だからボクだって負けてないと言い張ろうとしたらこのバッサリとした言い切り方だ。
「テイオーお前はまだ、足りていない。足りていないんだよ……母性と、おっぱいが」
「――そんなに欲しいの? だったらボクだって、これからトレーナーが甘えてきても……」
真剣な表情で言われると流石にボクも気にならずにはいられない。スーパークリークさんとその担当トレーナーの関係は、ある意味有名で話題になっているから知らない訳じゃない。ウマ娘とトレーナーとの関係は出来る限り良いものにしておくべきという風潮もあるし、ボクのトレーナーがやっぱりそういう関係がやはり好みであれば少しは寄せる努力だって……
「いや、テイオーじゃ無理だろ? 子供なんだから、10年経ってから出直して来い」
「それ自分が担当している子に対して、伝える言葉じゃないでしょ!!」
トレーナーの発言を聞いた直後、ボクの右手から繰り出された綺麗な平手打ちが、バチーンと部屋の中に響いたのだった。
「――ったくこれは痛てぇなあ……しばらく残りそうだ。まあ何はともあれ、今の
「この程度で済んでるんだから別にいいでしょ。それに、最後のやつは余計だよ。――けどボクがまだまだカイチョーとかと比べて足りてないのは、まあ……納得はするけど」
平手打ちされた箇所を氷嚢で冷やしながらトレーナーはボクに話してくる。一部納得いかないところもあるが、レースの実力がまだ足りていないと言われれば、間違いないと思う。憧れでもあり、目標であるカイチョーを超えるには全く足りていない。『最強を超えるウマ娘』になることを思えば、きっとまだまだやることは沢山ある。だからこそ、ボクは、ボクたちは高い壁に挑んでいるのだ。
「でもまあ、安心しろ。お前の才能は素晴らしいんだ。他の奴なんかには負けはしない。いや、負けさせたりしない。そのために担当トレーナーとして俺がいる。自分を信じろよ? テイオー」
少し心配そうな顔が見えたからなのか、トレーナーからのフォローが入る。ボクの才能と可能性を誰よりも信じてくれているのは、目の前にいるトレーナーだってことは分かっている。だからこそ、トレーナーの指示に従ってトレーニングも続けてきたし、信頼してきた。だから、こんなに変なことを突拍子もなく言ってくる、この俗物的なところも少し諦めがつくのかも知れない。
「――そりゃあ無敵のテイオー伝説を作るんだ。そのパートナーに相応しい指導をしてくれないと困るんだからね?」
「ああ、分かっているさ。お前なら、俺とお前なら、テイオーの大きな夢は成し遂げられるさ」
少し自信ありげに返答を返すと、真面目な顔をしてトレーナーも応えてくれる。なんだかんだ言っても、頼れるトレーナーで間違いない。さっきまでまるでダメで変なように考えていたが、実は違って普通のトレーナーよりちょっとは変かも知れないが、立派なトレーナーだ。間違いない。少しダメなところもそれは彼の良さなのだろう。
「――じゃあ、ボクのおっぱいが今より大きくなったとしたら、トレーナーはボクに母性を感じてくれる?」
「………………尻周りと太ももがまだまだ弱いかな」
――訂正、やっぱり、ボクのトレーナーはとてもダメな大人だ。
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