とてつもなくロクでなしなトレーナーから離れられないトウカイテイオー 作:はすき
「――もうすぐ年越しだねえ」
「そうだなあ……もうすっかり年末だからな」
「なんかさあ、もうこの一年あっという間に過ぎて行ったかなって」
「お互い色々やったからなあ……まあこうやってゲームで年越し出来るのが元気でやってられることだろ?」
――年末
ボクとトレーナーはトレーナー室でパーティーゲームをこなしていた。
同じぱかプチを4つ以上繋げて消していく落ち物ゲームだ。
毎年新しいぱかプチが増えていく。当然ボクのだってある。
後は課金をすると別衣装のぱかプチでゲームが出来るらしいが、詳しいことは興味がないためスルーしている。
今年のレースも一通り終わったことだし、正直なところ来年春くらいまではのんびりゆっくりした調整になりそうだ。
だからこうやって年越し兼初日の出を見に行くために、トレーナー室で過ごしていたのだ。
「あっ、トレーナーその連鎖は聞いてないんだけど?」
「ちゃんときちんと計画立てて積まないからそうなるんだよ」
「まあちょうどいいハンデぐらいだからね? このぐらいすぐに逆転しちゃうんもんね!」
最初は一本勝負だったと思う。
それが気付いたら三本先取、五本先取……と長くなっていった。
お互いに上手いから中々試合も終わらないし長引いた。
そんなことをしていると…………
「あっ、もう年越しだね……でも今回はちょうどボクが勝ち越したからボクの勝ちでいいよね?」
「もうこんな時間か……テイオーの勝ちでいいよ」
「もうー、素直に負けましたって言えばいいのにー」
すっかり時計は十二時を跨ぎ、新年を迎えていた。
いつもとはちょっと違う新年の迎え方だ。
「あけましておめでとう、トレーナー」
「あけましておめでとう、テイオー」
形のようなあいさつを終えた後、トレーナーが話し出す。
「そう言えば、新年の目標決めてなかったな。まだ聞いてもいないけど」
「――急に言われても困るんだけどさ……まあいつも通りやってくし、他の子たちを寄せ付けず圧倒するでいいんじゃない?」
「いつも通りは大事だしなあ。流石にライバルたちも打倒テイオーで忙しくなるだろうし、挑戦を受ける立場で来年はやらないとなあ」
新年の目標なんて急に決まらないからこそ、無難なことで現状の要望をトレーナーに伝える。
このクラシック級はカイチョーに並び立つように三冠ウマ娘になるためにやってきた。
これからのシニア級は追い付くためではなく登っていくための戦いだ。
当然ボクのことを狙ってくる相手だって多い。
「まあ取り合えずこの後初日の出見に行くんだろ?」
「そうだよ、トレーナーと初日の出見に行くって決めてたじゃん」
「じゃあ着替えないとな……着物に」
「着物? ボク着物なんて持ってないんだけど」
年始だし初日の出と初詣で着物は考えたが、普通は着ないだろう。
面倒だし、着物の着付けにもそこそこ時間かかるし。
「あるよ。テイオーの着物。もう店予約してるから着付けしに行くぞ」
「――ああまたいつものこういう感じのやつね……行くから待っててよ!」
そんな着物なんて準備がないって思ったが、トレーナーが着物一式持ち込んでいた。
レース前も含めてだが、プランや走法、走るタイムごとのパターンも複数準備して用意周到過ぎると思う。
だから走る練習よりも事前の知識付けとテストに時間を取られていた。
あと基本文句を言っても大体トレーナーの指示に合わせれば自分でも解決策が出せるヒントになるから、あまり嫌な気持ちはしていなかった。
着物一式を受け取ると着付けにも時間がかかることを考えて、トレーナーの準備したタクシーに乗って先に移動することになった。
トレーナーは後から追い付くと行って置いて行ってしまったが、大丈夫だろうか……
「いやあ、良かったね。初日の出も綺麗に見れたし、初詣も絵マも書けたし大満足だよ! ありがとね、トレーナー!」
「行事だしな、やれるうちはちゃんとやっとくのが一番だよ」
初詣からの帰り道、トレーナーと二人でトレセン学園の最寄駅から歩くことになった。
あの後トレーナーさん着物を自分で着て合流し、二人で初日の出と初詣、絵マの奉納まで行えた。
途中おしることかの誘惑もあったが、帰ればトレーナーが作ってくれたお雑煮もあることだから、何も食べずに我慢してきた。
着物の色であったが、ボクの勝負服をイメージした色合いだった。
白い着物に、青の帯。
帯に入る黄色の模様でレースに出るみたいで嬉しかった。
「トレーナーさ、絵マになんて書いたのさ? ボクがさっきトレーナー室でも目標言ったんだから、教えてくれたっていいじゃないか? さっきのゲームで勝ったから教えてよー!」
絵マに書いた内容を、トレーナーは読ませてくれなかった。
何を書いたのか気になるし、聞き出すことにする。
きっとトレーナーのことだ、こういう時はちゃんとしてくれる…………
「なにって…………『理想のママウマ娘と一緒に過ごしたい』だが?」
「――――やっぱりさ、この白昼堂々と自分の意思を貫き通すのはいいよね。方向が180度逆だけど」
――どうしてこう…………ダメなんだろうか。
ちょっと落胆しながらも帰り道を歩くのだった。
さあ新年、これから頑張ろうか。
取りあえず、このトレーナーの頭をマトモにすることから始めよう。
ちょっとこう……ロクでもないけど。
とある絵マのねがいごと
『カイチョーを超えるウマ娘になれますように』
『愛バのテイオーがこれからもずっと走り続けられますように』
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