とてつもなくロクでなしなトレーナーから離れられないトウカイテイオー 作:はすき
「――ミホノブルボン、上から見るか? 横から見るか? なあテイオー、お前はどっち派だ?」
「――今度はミホノブルボンさんが気になってるの? スーパークリークさんから乗り換えでもしたの? 流石に節操無さ過ぎない?」
ある日の昼下がり、またいつものようにトレーナーが聞いてくる。ちょっと前まではスーパークリークさんの母性が良いだのおっぱいは救いだの色々語っていたのを覚えている。とてもダメな大人だ。でもこんなことばっかり言っている生活にもうすっかり慣れてしまった。
「まあ別に推しウマ娘が変わるってのはあるだろうけど。それで……ミホノブルボンさんにはトレーナーの前言っていた『母性』ってのを感じてるの?」
まあ好きなアイドルや好きな推しウマ娘が変わることなんてある。ボクは当然一生カイチョー推しに決まってるけど。
でも好きな系統が似通ってることはあるかも知れない。前スーパークリークさんを見ていたときは母性と言っていた。きっとそんな気持ちがくすぐられるのだろう……別にそこまで理解はしたくないけど。
「この勝負服を含めてメカメカしいのが男のロマンってのを感じるよな……そして何よりも、レース中後ろから見るケツが良い」
「――トレーナー、流石にそれはアウトだと思うんだ。ヒトとしても、トレーナーとしても」
出てきた返事は全く違ったし、最低な態度をしている。トレーナー、そういうところでウマ娘を見ていたらダメだろうに。
「まあ待てテイオー、カッコいいにはロマンがあるんだ。レースに勝つことだってロマンだぞ?」
「いや……なんでそう結びつけるのさ。まあ、確かに……レースに勝つとカッコいいと思うけど」
ウマ娘にとって歌やダンスも大事だ。でも何よりも大事なのは走ること。走って勝つ。そうすれば自分が認められる……とかは違うと思うけど、満足感はある。ボクの目指すカイチョーと同じく三冠ウマ娘だって大きな目標だ。みんな多かれ少なかれ、こういう風に思っているだろう。
「ああ、恐らくかなりキツめだろうが坂路トレーニングとパワー系のメニューが多いんだろう。だからこの太もも、そしてケツだ」
「――すごい予想だねえ。もしかしたら本当にそうやってトレーニングするかもしれないけど。けど、バレンタイン用の衣装を着ているところの写真を見ていないところで言ってたらカッコいいだけどなあ」
写真集を舐めるように下から見ているトレーナー。いや、それ写真だから。平面なんだよ、2Dなんだ。3Dには変わらない……とは言えない。
純粋に必死になっているのだ。なんかこう……言ったら申し訳ないような気もしてる。だからちょっと現実からそむけて、必死にやっているのをほどほど見守っているのだ。でも写真集を見て特徴が分かるのはいいかも知れないが、それは普通の相手を観察する時にしてほしい。まるでボクのトレーナーが変態みたいじゃないか。――ダメな大人なのは変わらないけど。
「別に周りがどうこうしても、何を言ってきても、お前がいるから別にいいさ。」
「まっ、まあね……ボクだってトレーナーのことは……レースのことも詳しいし、サポートもしてくれるし、頼りにしているからね……」
急に真面目になってこっちに話を振らないで欲しい。普段の態度がアレだから、余計にギャップでクるものはある。
何とか平常心を保ちながら、平然と答えた。
「これだけの立派な太ももにケツがあるんだ。長距離だって走れるだろうに。一時の才能だけで判断するのはもったいないよなあって。今の自分に何が出来るか色々試すのが大事だぞ? 技術だけじゃなくて、知識もだからな? テイオー」
「――――ねえだから急に真面目な話をそういう時にしないでって。ギャップで風邪引いちゃうから。それに、ボクは天才なんだからなんだって簡単にやってみせるもんねっ」
真面目な話を繰り出しながらも、真剣に写真集を覗いている。もう病気だよきっと。真面目な話を変なシチュエーションでしか話せない病気だ。きっと治療法はどこかにあるかも知れない。治療に成功したら今より良くなるかは保証できないけど。それにボクに色々やってみろって……どんなことだって問題なく出来るんだから。そんなパパみたいな姿勢や立場でいないで欲しいんだけど。
「俺はいつでも真面目だからな。ギャップなんてありはしないぞ?」
「まあ言うだけなら自由だしー? そんな姿のトレーナー見てたら集まる子も集まらなくなりそうだけどー? でもトレーナーにはこの最強無敵のテイオー様がついてるから心配ないもんね?」
真面目にやるってのは大事だけど……こうエンジンを掛けたり急ブレーキを決めてくるような反応はボクにとっても困惑する。
ある程度慣れてるから諦めつくけども……これがほかの子に影響を与えたら大変だ。いくら優秀でも怪しいトレーナーは信頼関係が築けない。だからこうやってボクのもとにいるのがベストだろう。何か変なこと言っていてもほどほど流してあげられるヨユーってのがあるからだ。
「そうだな、『レースに関しては』優秀なテイオーだからな?」
「なんなのさー! じゃあ今度のレースはボクのこと以外考えられないようにしてあげるからっ! じゃあちょっと走ってくるね!」
少しトレーナーの売り言葉に買い言葉って感じに反応してしまった。こんな話聞いてたから少し走ってリセットしてこないと。レースだけだーって話すトレーナーにちょっと見返したくなる。そうと決まると動き出したくなる。トレーナーに一言告げると練習コースに向かうように一目散に動き出す。
「――でもやっぱり、ミホノブルボンの前から見るこのおっぱいも、後ろからのケツに負けないんだよなあ」
――トレーナー室の扉を勢いよく閉める時に聞こえてきたのは、いつも通りのロクでもない発言だった。
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