とてつもなくロクでなしなトレーナーから離れられないトウカイテイオー   作:はすき

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マルゼンスキーはバブリーであるがこの理想的なスタイルが一番バブリーでチョベリグである

「――はい、オッケーです! お疲れ様でした!」

 

「――ありがとうございました!」

 

 威勢のいい声が聞こえたところで、ボクの今日の仕事は終わった。トレセン学園での勉強やレース以外に、何の仕事だって?

 今日出ていたのはテニスラケットのCMだ。一応色々な会社やメーカーさんなどがトレセン学園のウマ娘をCMキャラクターに据えることはある。と言っても学生だからそんなに高い報酬とかがあるわけじゃないけど。CMで有名なのが、新聞のCMだろうか、ナントカ新聞杯みたいなレースだと、一緒に副賞で一年間CM出る権利とかが付いている。ファンだったり、顔を覚えて貰ったりするにはうってつけだ。

 

「お疲れ様テイオー、一応このテニスコートまだ借りてる時間に余裕があるみたいで使えるみたいだ。せっかくだし、少し遊んでいくか?」

 

「いいの……? じゃあさ、トレーナー。勝負しようよ! 負けた方がはちみーのおごりで!」

 

「はいはい、分かりました……じゃあ準備するから待っててな?」

 

 トレーナーからの言葉に、ちょっと浮足立つ。走ることを専門にしているウマ娘だが、他のことが出来ない訳ではない。興味があるかないかで言えば、あると回答するウマ娘が多いだろう。やるだけの時間など無いから出来ないのだ。せっかく時間もあって使ってもいいと言われたら、当然挑戦してみたくなる。CM撮影前に教えてくれた、インストラクターの人とやるのも寂しいし、トレーナーを巻き込んだのだ。

 

 ちょっとした勝負でモチベーションをあげる、最近めったに飲ませて貰えない無料はちみーチャンスなのだ。それにウマ娘の方が人間よりも身体能力が高い。受け入れてもらってるから、ほとんどおごって貰えるようなものだ。

 ――トレーナーの準備も出来たみたいだし、早速始めよう。

 

 

「――あー、その……悪かったな」

 

「良いもん別に……だって負けたのはボクなんだから」

 

 結果で言うと、ほぼほぼボクが手が出せないまま、惨敗した。最初はもっと圧勝出来ると思っていた。けど普通に負けた。だからもう一セットとか全力でやった。レースで勝負するくらいフルパワーでやったのに、結果はダメだったのである。

 CM撮影現場からの帰り道、いつものはちみー屋で買った後、トレーナーはそのままドライブにボクを連れ出したのだった。ちょっとした心遣いなのかも知れないけど、今のやや落ち込み気味なボクにはありがたかった。

 

「でもどうだった、CM撮影。あんまりやらないことだけど、楽しかったか?」

 

「まあ楽しかったよ。普段できないことも多いし、凄く参考になったかな」

 

「そっか…………なら良かったよ」

 

 はちみーを飲みながらトレーナーの質問に答える。楽しいか楽しくなかったで言えば、楽しかったが正しい。普段やらないCM撮影なども経験できたことも楽しいし、少し普段の走ることやトレーニング以外で別なことが出来たのも楽しい。それでも、もちろんトレーナーに勝負を挑んで負けたのはめちゃくちゃに悔しい。でも負けたことがあって、全てを楽しめなかった訳ではないから良いのかも知れない。走っている車の窓を見ると綺麗な夕焼けだが目に入る。夕日もちょうど沈むいい景色が見れる時間帯だ。

 

「――そういえばトレーナー、この車レンタルなんでしょ? もっと普通の車かと思ったらスポーツカーだったし、大丈夫なの?」

 

「問題ないさ、返却期限まではあるしのんびりと過ごそう。たまにはこう、『マルゼンスキー』みたいにトレンディーさを感じてもいいじゃないか」

 

 だからスポーツカーなんてわざわざ借りていたのか……と気付いたが、取りあえずはちみーを飲むことで安定の拠りどころを探るボクなのであった。あんまりツッコミし過ぎても体力が持たない。ほどほどの距離感で行くのが大事なことだ。

 

「いやだってよ……マルゼンスキーはあの凄いおっぱいとケツしながら色々気配りも出来るし優秀なんだぞ? トレンディーじゃないか。身体つきだってバブリーよ」

 

「マルゼンスキーさんに影響されてこういう車とか借りたのは分かった。けど、多分トレンディーって言葉で表現しちゃいけないんだと思うよ」

 

 多分マルゼンスキーさん本人が聞いたら、ダメだと思う。比較的トレセン学園内の中でも優しい方に分類されるからそこまで怒られないかも知れないが。でも表現がイケないんだよなあ、とは余りにも純粋に話しているから言い出せなかったのである。

 

「やっぱり女性はおっぱいとケツよ。立派になるのが大事なのよ」

 

「――警察行こうよ、やっぱり。今なら移動手段あるし、すぐに行けるよ?」

 

 二言目にはおっぱいとケツである。このトレーナーの中には何が詰まっているのだろうか。頭の中を見てみたいけど、やめておこう。多分なんか汚染される。ボクまでなんか、ママとか母性とか求め始めるトレーナー第二号になったら、大変なことになってしまう。

 

「――取りあえず、少しいい風浴びて帰ろ? きっと運動した後だし、凄くおいしく感じそうだよ」

 

 言いたいことが山ほどあるし、どうしようもないことも沢山ある。でも綺麗な景色も楽しく運動を出来たし、ある程度は水に流すことに決めて、帰路につく。

 ボクをトレセン学園まで送り届けてから、レンタカーを返しに行くのに、いったんトレーナーが再度出ていったりと色々やっていたが、特に勝手にやり始めたことなのだから何も言わずに見送ったのであった。

これまでの話でみんなが好きなママウマ娘は?

  • ウマ娘界の元祖ママ スーパークリーク
  • ぶるんぼるんと魅力的 ミホノブルボン
  • ドイツのウマ娘ママ エイシンフラッシュ
  • マジックで身も心も赤ちゃんに フジキセキ
  • 全部一番優秀なママ ダイワスカーレット
  • どんな悩みも走れば解決 サイレンススズカ
  • トレンディーかつバブリー マルゼンスキー
  • 大型犬可愛いママ タイキシャトル
  • 永遠のセンターママ スマートファルコン
  • ひたすらたわけていきたい エアグルーヴ
  • お手製ご飯で元気を貰う ヒシアマゾン
  • スイーツパクパク メジロマックイーン
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