新世界ウルトラヒーローズwith宇宙戦艦ヤマト2199シリーズ   作:湯帝

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第2話、スタート!


第2話 来訪者

雄斗たちが地球に帰還して3年の年月を経ようとしていた。

 

光の国では、ガミラス戦争が終結したと思ったら、ガトランティスのウルトラン制圧部隊の侵攻を度々受けていた。

 

ガミラスの虜囚に作らせたと言われている火炎直撃砲が各都市を襲い、焦土と化す寸前の光の国であったが、なんとか持ち堪えていた。

 

その為、地球へ向かった援軍、いや、左遷組とは連絡がつかない状況が続いていた。

 

 

一方、地球。

 

ある日、とある星からの信号を受信した。

 

イスカンダルと自称するその星の住人は地球人に救いの手を差し伸べるため、地球に向かうというのである。

 

芹沢たちは、その者を火星のアルカディアシティで出迎え、その後、地球に随行させるという計画を練った。

 

選ばれた一部のエリートたちを地球から脱出させるイズモ計画の選抜メンバー育成が既に進んでいるが、来訪者が何かの情報を持ってくるかもしれないと想定された。

 

雄斗「イスカンダルのお方が来るのですね。」

 

芹沢「もしかして彼らを知っているのか?」

 

ガイ「光の国の同盟国の王星でスターシャ女王が統治しています。人々は、自身を情報体として地下の記憶庫で眠りにつき、管理者である王族のみが肉体を持って活動しています。女王の妹には、サーシャとユリーシャがいますが、今回、そのうちの1人が来るのでしょう。」

 

藤堂「イスカンダルの位置する場所は知っていますか?」

 

ジャグラー「イスカンダルは神聖な星、正確な場所は秘密にするようにと上の者から言われています。ですが、大マゼランのどこかにある。これだけしか教えられません。」

 

土方「来訪者の接待は私の友人の外務次官森直之のご息女である森雪一尉に任せてある。」

 

沖田「なるほど、彼女なら外交官の娘として礼儀を学んであるし、兵士としての能力も高い。接待も護衛も超一流と言えるだろう。」

 

芹沢「ふん、なら安心だな。」

 

 

そして来訪当日というより2198年2月20日といった方が早い。

 

この日は火星では、第二次火星沖海戦(通称:カ2号作戦)が始まったばかりであった。

 

ものすごいスピードで火星までやってきた宇宙船シェヘラザートはアルカディアシティに着陸、中から出てきたのは美しく若い女性だった。

 

雄斗「ユ、ユリーシャさま!」

 

ガイ「イスカンダル第3皇女!」

 

ジャグラー「森雪にそっくりだ…」

 

ユリーシャは3人に気づくと側までやってきて言った。

 

ユリーシャ「3人とも久しぶりね。でも地球の人に用があるから任せてね。」

 

3人「は、はい!」

 

ユリーシャは藤堂たちに挨拶し始めた。

 

藤堂「遠い星からご苦労様です。」

 

ユリーシャ「トウドウ、ありがとう。」

 

芹沢「…」

 

ユリーシャ「…」

 

芹沢はユリーシャと一言も話さなかった。彼は宇宙人を信用していなかったのである。

 

沖田「ユリーシャ皇女、よろしく。」

 

ユリーシャ「オキタ、こちらこそよろしく。」

 

ユリーシャは土方や森直之、森雪の側までやってきた。

 

土方「ユリーシャ皇女、こちらの方々は外務次官の森直之氏とその娘の森雪一尉だ。彼女があなたの身の周りの世話をしてくれる。」

 

雪「よろしくね。」

 

ユリーシャ「ヒジカタ、気遣い感謝するわ。ユキ、こちらこそよろしくね。」

 

地球に戻り、ユリーシャは、どうして地球に救援の手を差し伸べたのか理由を語った。

 

イスカンダルには、惑星を元に戻す装置コスモリバースシステムがあること、そしてその航路は自分が導くことであった。

 

そして姉スターシャがワープ装置をもう1人の姉であるサーシャに持たせて、後から来ることも言った。

 

しかし、これは意見を二分することになった。

 

大部分はイスカンダルに行き、コスモリバースシステムを受領することに賛成であった。芹沢を中心とする一部の者は、宇宙人を信用してはならず、あくまでイズモ計画の継続を訴えたが、退けられ、イスカンダルへ行くことに決めた。

 

ただ、全世界には、長旅に行ける能力を持つ戦艦があるのは極東管区以外なかった。

 

かつてベリアル戦争で活躍した初代宇宙戦艦ヤマトは九州坊ノ岬沖に放置されたままであったため、それを大改造することに決め、計画の名前もヤマト計画と称した。

 

護衛艦として同行するのは、光の国のエスメラルダシャイニング号とオリジウム号であることも決まった。

 

 

 

そんなことが決まって数日後のある日、ガイとジャグラーはヤマト計画の本部長藤堂と副本部長の雄斗に呼ばれたため、軍幹部の執務室がある通りを歩いていた。

 

その時だった。

 

芹沢と思しき声が聞こえてきたのは、軍務局長室であった。

 

どうやら何人かが集まっているらしい。

 

ガイはジャグラーに目配せし、気づかれない程度にドアを少しだけ開け聞いた。

 

「芹沢局長、イズモ計画が破棄されたというのは納得がいきません!」

 

「そうです!ウルトラマンやイスカンダル人といえども所詮彼らは宇宙人、信用できません!」

 

芹沢「君たちの考えはよくわかった。だがヤマト計画は航海の途中でつまづくはずだ。そうなった時、君たちの存在が必要だ。機を見てヤマト艦内で決起するのだ。」

 

「はっ!」

 

芹沢「それとユリーシャ皇女のことだが…」

 

「それに関しても事故に見せかけて、森雪共々始末します。全てはイスカンダルへの到着ができないようにするため。」

 

ガイはそっとドアを閉めた。

 

ガイ「シャグラー、聞いたか?」

 

ジャグラー「ああ。至急、藤堂本部長と雄斗に報告だ。」

 

行政長官執務室。

 

藤堂「なるほど、思った通りだ。」

 

ガイ「そうですか。しかし、何もしないわけには。」

 

雄斗「手は打ってある。星名透准尉!」

 

雄斗に呼ばれて反応したのは情報部の星名透だった。

 

星名「藤堂本部長と綿部副本部長直々の命令でイズモ計画派の動向を内偵しております情報部の星名透准尉です。」

 

ジャグラー「こんな若造に内偵が務まるのか?」

 

藤堂「彼は情報部の採用試験を首席で合格した若手のエースだ。表向きはイズモ計画派の人間ということになっているが、我々ヤマト計画派のスパイだ。」

 

それでもジャグラーは星名を信用しない。

 

ジャグラー「長官、星名は彼らに我々の情報を渡すのではないですか?」

 

藤堂「蛇蔵君、それはないよ。彼はイズモ計画は無理のある計画だと考えている。イズモ計画派を油断させるために我々を裏切るふりはしても裏切らないということを保証しよう。」

 

これでジャグラーは納得した。

 

ガイ「イズモ計画はなぜ宇宙人をそんなに敵視するのですか?」

 

藤堂「一説によるとベリアル戦争時に結成されたテロ組織『ウルトラ一族地球追放推進平和同盟機構』と反政府勢力『地球外生命抹殺同盟』を源流としている。」

 

雄斗「ヒルカワめ。」

 

ヒルカワミルヒコ、かつて光の国が存在した地球で、ウルトラマンメビウスの人間体ヒビノミライを罵倒した挙句、彼のおかげで助かったのにも関わらず、恩を仇で返す形でエンペラー星人との最終決戦時にメビウスの正体を全世界に公表した男である。

 

エンペラー星人戦勝利後、彼は今までしてきた事をイカルガジョージらによって名誉毀損として告発され、社会的地位を失った。

 

その後、行方知らずとなったが、実際は雄斗たちの宇宙にベリアル戦争の直前の時間軸・空間軸に飛ばされたことが判明した。

 

元の世界でしてきたことを反省すらしていなかった彼は、ウルトラ戦士たちを罵倒、更にはベリアルの手下が地球を襲来するのは、地球にウルトラマンがいるからだと力説し、賛同する一部の人々と共に『ウルトラ一族地球追放推進平和同盟機構』を結成した。

 

ゼロと一体化している人間が山梨県知事の次男だと知るや否や綿部一族の殺害を予告し、その一方でウルトラマンたちの地球追放を政府に認めさせるため、あちこちでテロ事件を引き起こした。

 

しかし、世間に陰謀論集団と認識され、更にヒルカワ自身が反乱罪と名誉毀損罪等で国際指名手配されると団体は名目上の解散となった。

 

その後、逮捕されたヒルカワは起訴され、死刑判決が出てもなお反省の意図すら見えず、雄斗やガイたちを罵倒し続けた。

 

雄斗が首相になると獄中で「地球を宇宙人に売り渡す売国奴」という声明文を発表し、刑執行の直前までウルトラマンたちを罵倒し続けた。

 

雄斗たちの地球脱出後、運動は反政府勢力『地球外生命抹殺同盟』共々下火になったと思われたが、ガミラスの地球攻撃以来、その運動はイズモ計画として発展したのである。

 

ヤマト計画成立後は、正式なイズモ計画派としての行動を開始したのである。

 

 

 

そして、ヤマト出港の半年前に当たる2198年8月11日。事件は起きた。

 

ユリーシャと森直之外務次官一家が乗る車両が事故を起こしたのだ。

 

雄斗たちは、ニュースを観て、情報を知った。

 

『速報です。今日午前10時ごろ、極東管区外務省の森直之次官の乗った車両が事故に遭いました。乗っていたのは、森直之氏、妻の由紀子夫人、娘で国連宇宙軍極東管区幕僚監部作戦部9課所属の森雪一尉と森次官の姪にあたる森百合子氏です。病院に搬送されましたが、先程、森夫妻の死亡が確認されました。残る2人につきましても懸命な治療が続いていますが、意識不明の重体だということです。外務省は....』

 

この時点でユリーシャの存在は秘密にされており、外務省次官森直之の姪ということになっていた。

 

ただ、肝心なことに、この出来事は事故として処理された。

 

ガイ「なぜだ。あれはテロだったのに。」

 

藤堂「確かにイズモ計画派のテロだ。だが、はっきり言って、彼らがやったという証拠はない。いくら君たち2人が盗み聞きしていたとは言え、それを芹沢君に言えるはずもない。」

 

ジャグラー「このまま黙って見過ごせって言うんですか?そんなのあんまりだ!」

 

藤堂「残念ながら、そういうことだ。」

 

ジャグラーは悔しいと感じた。

 

自分はまた、守るべき何かを失うのかと。

 

ベゼルブとの戦いで命を落としたミコットのことを思い出した。

 

自分を師匠と慕ってくれた彼女を失った時生まれた魔人態としての自分、それは自分が一生背負っていく十字架であると思っていた。

 

だが、ガイと決別し、その後のマガゼットン戦やマガタノオロチ戦で救った命もあった。

 

一度闇堕ちした自分でも何かできることがあるはずだと思い、とある次元の地球で実験途中に死んだ蛇蔵正太という人間に成り代わり、セレブロ打倒のために戦ったこともあった。

 

そうした中で、ガイと久しぶりに再会し、今後は人を助けるために戦うことを覚悟し、宇宙警備隊の特別編成部隊に入隊した。

 

ベリアル戦争時には、100年以上前のこの星を来訪し、防衛軍に入隊、ゼロと一体化した青年の姿を見て、自分も成長していった。

 

戦争終結後は、復興を手伝い、政財界で活躍し、家族も得た。

 

第二、第三の故郷と言えるこの星に帰ってきた今は、滅びに瀕した人類を助けるために動いている。

 

そうした中での今回の事件である。

 

 

その後、雪とユリーシャが目覚めないまま時間が過ぎていった。

 

土方は、直之夫妻の死の直前、雪の後見人になるよう直之に頼まれた。

 

事故から3ヶ月後、雪が目覚めた。

 

ただ、記憶喪失となっており、この19年間の記憶を失っていた、

 

ユリーシャは未だに目覚めない。

 

しかし、事件についての真相は明らかになった。

 

車に残されていたドライブレコーダーから首謀者が判明したのだ。

 

イズモ計画派の幹部10名だった。

 

そう、ガイとジャグラーが軍務局長執務室での会話をひっそりと盗み聞きしていた時に、芹沢と共にいた10名である。

 

軍警察の取り調べで10人は犯行を自白、軍法会議にかけられ、軍籍剥奪と無期懲役に処せられた。

 

なお、芹沢の関与を否定、事実上のトカゲの尻尾切りになった。

 

一連の裁判が終結したその日は、 国連宇宙軍第一艦隊がメ号作戦で冥王星に出撃した日でもあった。

 

そして、翌日には、古代進と島大介がイスカンダルのサーシャ皇女を迎えるために作戦の全容を知らされないまま火星に降り立った。

 

並行して、ヤマトの改造も行われた、

 

ユリーシャが目覚めない今、イスカンダルへの航路を教えてくれる人物は雄斗たち3人の他、誰もいない。

 

だが、予定では、ガイは地球待機、雄斗がエスメラルダシャイニング号で、ジャグラーがオリジウム号で出撃するため、連日、秘密裏で議論が交わされた。

 

その時、立ち上がったのは、MITを卒業し、今は国連宇宙軍極東管区幕僚監部作戦部9課所属の真田志郎三佐であった。

 

真田「人として許されない行為かもしれません。自動航行室のシステムの中核に集中治療中のユリーシャを安置します。そして、ユリーシャの

記憶をトレースしてイスカンダルに向かうのです。」

 

これにみんな納得した。

 

藤堂「よろしい。あとはサーシャ皇女が来るのを待つだけだな。」

 

こうしているうちにも学者の中には、人類滅亡まで1年という学説を唱える者もおり、地下都市では、疫病や飢餓、暴動も多発していた。

 

2199年1月17日のメ号作戦が近づいていた。




次はいよいよテレビシリーズの本編です。
少し、アレンジします。
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