新世界ウルトラヒーローズwith宇宙戦艦ヤマト2199シリーズ 作:湯帝
進や島たちが格納庫に連行されている途中
雄斗「そういや、お前たちが持ち帰ったカプセルの持ち主はどうした?」
進「俺たちが来た時には、もう。」
土方「亡くなっていたのか?」
島「はい。」
雄斗「それでどうしたのだ?。」
進「『遠き星よりの死者、ここに眠る』って墓標を立てて埋葬しました。」
雄斗「わかった。」
光の国・宇宙科学技術局長官執務室
ウルトラマンヒカリが休息を取っていた。
そこに通信が入ってきた。
ヒカリ「誰だ、俺の休息を邪魔する奴は?うん?なんだ、雄斗か。はいはい。こちら、ヒカリ。」
雄斗「カズヤ、死者を蘇らせる期限は?」
ヒカリ「1年だが、どうした?」
雄斗「火星に不時着したサーシャ皇女が亡くなって、3週間経った。今なら、まだ蘇らせるかもしれない。」
ヒカリはすぐに否定した。
ヒカリ「だめだ。あの技術を使って、過去、この星がどうなったかわかっているのか?」
雄斗「命の固定化を実現できたことで他星から戦争を仕掛けられた。」
ヒカリ「そうだ。だから『技術開発法第21条 科学技術局は、宇宙警備隊大隊長及び銀十字軍隊長の許可なく、勝手に命を蘇らせることはできない。』で規制してあるんだ。」
雄斗「へえ、頭硬いな。もし、光の国に‘命の固定技術’があるとスターシャ女王が知ったら、どうなると思う?光の国=イスカンダル平和条約が破棄されるかもよ。」
ヒカリ「だが、法を破ったら、どうなる?『科学技術局設置法第10条 技術開発法及びその他の科学技術局関連法を故意に破った者は、M78宇宙警備法第1条により追放刑に処す。』で追放されるぞ。」
だが、そこで引く雄斗ではない。
雄斗「だったら、許可を求めればいいじゃないか。」
ヒカリ「あーそうですな。わかりました。やるよ。やりますよ。やればいいんでしょ。外交問題に発展しない程度に。」
その時、ドアが開いて、長官執務室に何者かが入ってきた。
ウルトラの父とウルトラの母だ。
父「事情はわかった。」
母「スターシャ女王の為に私たちが特別に許可します。」
ヒカリ「わかりました。雄斗聞いたか?」
雄斗「ああ。ご配慮感謝します。」
姿は雄斗だが、意識はゼロに変わり、答える。
ゼロ「ありがとうございます。」
画面越しにウルトラの父が答える。
父「おう。ただ太陽系は今、ガミラスと紛争中だ。危ないかもな。」
母「ゼロ、もうすぐ、ヤマト計画が実行されるそうですね。出発はいつですか?」
ゼロ「地球時間西暦2199年2月11日です。」
ヒカリ「では、その1週間後に救援隊を差し向ける。場所は?」
ゼロ「火星アルカディアシティ跡にある墓標だ。」
父「わかった。」
そして、通信は終了した。
進「こんな昔の戦艦、なぜ敵が?」
敵機が襲来し、攻撃を加えていく。
進「なぜ敵は攻撃するんだ?」
その頃、多数の軍人が待機している地下では
『現在、敵は坊ノ岬沖を爆撃中の模様。各員、現状のままシェルターで待機。』
「こんなんで大丈夫か?」
「俺たちは、あの船に乗るんだ。こんなところで死ねるかよ。」
島「敵は一体、どこからくるんだ?」
データを採取する。
進「は、母艦か。」
空母が攻撃し、命中し、それがとある箇所にいた軍人たちに降り掛かり、何人かが吹き飛ばされた。
空母はなおも攻撃しようとしたが、戦艦が主砲を発射したため、撃破された。
その時、ちょうどタイミングよく航空隊が来て、敵機を撃破していく。
島「航空隊だ!」
加藤「こちら、αリーダー、お客さんの歓迎パーティーは終了した。」
『OK、αリーダー。こちらでも確認した。速やかに帰投せよ。』
加藤「ラジャー。」
島と進を確認した加藤が舌打ちをする。
加藤「あいつら...」
何機もの戦闘機が2人の頭上を通りすぎていく。
島「おい!何だよ、置いてきぼりかよ。」
進「生きていた。この赤錆た船が。」
冥王星のガミラス前線基地。(以下、日本語訳)
先程の空母からの映像が流れていた。
ガンツ「バラン星のゲール司令に報告した方が良いのではありませんか?」
シュルツ「空母一隻を失ったのだぞ。あの日和見主義者に帝星司令部に報告されたら、どうなると思う?ここは我々だけで処理するのだ。ロングレンジで叩く。惑星間弾道弾をすぐに準備しろ。3発だ。」
ガンツ「はっ!」
シュルツ「我々に失敗は許されないのだ。」
医務室には、頬を殴られた進と島、殴って拳が腫れてしまった加藤がいた。
加藤に包帯を巻いた真琴が言う。
真琴「はい、手は大事にしましょうね。」
先程のことをまだ怒っている加藤が2人を睨みつける。
島「おい、睨んでるぜ、あいつ。」
進「う。」
佐渡「フハハハハハハハハ、若いちゅうのはええのお。放射線の方は、まあ大丈夫じゃろう。ミーくんともしばらくお別れじゃのお。」
ミーくん「ミャア。」
ミーくんとは、佐渡の飼い猫の名前である。
佐渡「そういえば、お前たちにも招集がかかっとったんじゃないの?」
進「は、はい。」
ミーくん「ミャオ。」
司令部では、複数の有力管区と通信を行なっていた。(全て日本語訳)
北欧、南欧、東欧、西欧各管区を束ねる欧州連合の委員長も兼ねる国連のエルドレッド事務総長、北米管区行政長官でアメリカ合衆国大統領のロックフェラー10世、そして、国連のアルベルト・フジモリ・マンデラ・キング事務次長(政治部門担当)らだ。
エルドレッド「世界各地で、エネルギー供給が難しくなってきています。」
ロックフェラー10世「その上、飢餓、暴動、そして謎の植物が放出する有毒胞子が世界を破滅へと誘っている。」
藤堂「我々に残された時間は、あとわずか。」
アルベルト「敵に察知された本計画の実施の期日は?」
沖田「前倒して、72時間後に抜錨します。」
ロックフェラー10世「聞けば、先の大戦で主要メンバーの大半が戦死したとか。」
雄斗「その件について、支障は出ていない。」
北米管区行政副長官でメキシコ合衆国大統領アンドレスが反応する。
アンドレス「ベリアル戦争の英雄の1人である閣下がそういうのだ。間違いはないでしょう。」
芹沢「ふん。」
芹沢は、この場で自分が全く相手にされていないことに腹を立てているようだ。
アルベルト「この計画は国連主導ではあるが、現在、各ブロックは寸断され、残念ながら直接力をお貸しすることはできない。」
ロックフェラー10世「現状、我々も苦しいのだ。」
エルドレッド「お願いします。世界はヤマト計画に一縷の望みを繋げているです。」
沖田らは決意ある眼差しでまっすぐ目の前を見た。
同じ頃、冥王星のガミラス前線基地では、惑星間弾道弾が三発、発射された。
ヤマト地球抜錨の2日前、選抜されたメンバーが集まった。
土方や藤堂、ガイそして芹沢も同席していた。
「いよいよ、発令されるのかな?」
「光の国の人たちも結構いるのか。」
「地球脱出のイズモ計画か。彼らはそのためにいるんだろ。」
声のする方をじっと見る新見薫。
「でも、地球を見捨てるなんて。」
進や島の数列後ろには、加藤がいて、2人を牽制していたため、島は終始怯えていた。
彼らの前に沖田が立ち、スピーチを始める。
沖田「諸君。諸君らは今まで特殊任務を受けてきたイズモ計画の選抜メンバーだ。今日、私はここで正式に君たちの任務を発表する。だが、これは、地球脱出を目的とするイズモ計画ではない。」
沖田の言葉にメンバーたちはざわつき始めた。
沖田「これから説明する。」
そして、雄斗に変わった。
雄斗「まず、これを見ていただきたい。」
何かが画面に映された。
雄斗「これは、先日、メ号作戦で回収されたメッセージカプセルだ。」
『私はイスカンダルのスターシャ。』
進「これは?」
『あなた方の星、地球は、ガミラスの手により滅亡の淵に立たされています。』
島「ガミラス...」
『私は、光の国のユリアン女王からそれを聞かされ、1年前、私の妹ユリーシャに次元波動装置の設計図を託して、地球へ送り出しました。』
進「火星で見たのと同じだ。」
『あなた方がもし、それを理解し、完成させていたのならば、エスメラルダシャイニング号とオリジウム号とともにイスカンダルに来るのです。私たちの星には、汚染を浄化し、惑星を再生させるシステムがあります。』
島「何だって!?」
『残念ながら、私がこれを地球に届けることは、もうできません。』
相原「これがイスカンダル人...」
太田「綺麗な人だなあ。M78星雲人と違って表情が分かるなあ。」
エスメラルダシャイニング号の女性乗組員ウルトラウーマンロロがその言葉に反応する。
ロロ「悪かったわね。ウルトラマンの姿になると表情がわからなくなって。」
太田「す、すみません。」
『今回、新たに次元波動装置の起動ユニットである波動コアをもう1人の妹サーシャの手であなた方の元へ届けます。私はあなたたちが未知の苦難を克服し、このイスカンダルに来ることを信じています。私はイスカンダルのスターシャ。』
ここで映像が終わった。
ガイが話し始める。
ガイ「1年前、地球は光の国の同盟国であるイスカンダルからの技術供与を受け、次元波動エンジンを搭載した恒星間航行用の宇宙船を既に完成させている。」
島「恒星間航行?そんなことが。」
ガイ「その名は『ヤマト』!」
軍人たちがまたざわめき出す。
進「ヤマト?」
ジャグラーがガイに代わって話す。
ジャグラー「カプセルの情報によれば、イスカンダルは地球から遥か16万8千光年彼方の大マゼラン銀河に位置する。往復33万6千光年の旅はこのベリアル戦争以来、経験したことのない航海だ。強制はしない。残りたい者は残っても構わない。明朝0600に抜錨し、出発する。それに遅れた者は残留希望者とみなす。以上だ。」
そして、全員が敬礼する。
航空隊の篠原が加藤に言う。
篠原「残念です。山本の奴も生きていれば。」
加藤「言うな。玲ちゃんがそこにいる。」
篠原「あ、ごめんなさい。」
今度は雪が話し始める。
雪「これから、各セクションの責任者を読み上げます。」
各セクションの長が読み上げられた。
雪「機関科、徳川彦左衛門。」
徳川の周りの軍人が万歳をしはじめる。
雪「技術科、真田志郎。真田三佐には筆頭副長を兼任していただきます。」
側にいた新見が安心したような顔を見せる。
雪「続いて、戦術科、古代進。」
進「え?」
星名「へえ、あの人が。」
南部「ウソだろ、あいつが上官!?」
雪「航海科、島大介。」
島「え?」
その後も責任者の発表が続き、雪は光の国から来た人たちの何人かを読み上げる。
雪「エスメラルダシャイニング号艦長の綿部宙将とオリジウム号艦長代行の蛇蔵宙将にもヤマト副長の任を与え、ヤマトの先導をお願いしたい所存です。ただし、オリジウム号艦長の紅宙将は、地球に残り、勤務を続けてください。」
全て、終わり、解散となった。
沖田は自室で荷造りをし、息子と息子の妻と撮った家族写真を見ていた。
ちょうどそこへ土方が入ってきた。
沖田「要件は察しがついている。」
土方「ならば話は早い。どうしても行くのか?」
沖田「ああ。」
土方「その身体でか?俺の目は節穴ではない。一体何年の付き合いだと思っている。俺に任せろ。それも勇気だ。」
沖田「16万8千光年の旅は、わしの命を奪うことになるかもしれん。しかし、わしは行くよ。行って必ず帰ってくる。」
沖田は遊星爆弾症候群で身体を蝕んでいたが、決意は固かった。
土方「そうか。では、もう何も言うまい。」
沖田「地球のことを頼む。」
土方「ああ。」
真田がユリーシャの集中治療室を厳重に包み、自動航行室へと移動させようとしていた頃、惑星間弾道弾3発が木星を通過していた。
乗組員たちはそれぞれの家族や仲間に別れを告げていた。
山本邸では、山本明生の仏壇の前で加藤が手を合わせながら、お経を唱えていた。そして、同じく招集された明生の妹玲と一礼する。
加藤「君もヤマトに乗艦するそうだな。」
山本「兄と同じ航空隊を希望しました。」
加藤「残念だが、君の配属は主計科だ。」
山本「それでも行きます。マーズノイドの誇りにかけて。」
そして、鏡の前に立ち、自身の髪を短くカットした。
徳川邸では、徳川の家族が見送りをしていた。
彦七「何も親父が行かなくても。」
菊子「そうですよ。あと2ヶ月で退役じゃないですか。」
長男夫婦の言葉をよそに徳川は出発しようとしていた。
徳川「あの人はわしに頼むと言ってくれた。それで充分なんじゃ。」
太助「アイコ、おじいちゃんに行ってらっしゃいをしな。」
次男の太助が長男夫婦の一人娘アイコを連れてやってくる。
アイコ「じいじ!」
徳川「おお、アイコ、行ってくるよ。じいじは必ず帰ってくるからな。」
島は新見たちとバスを待っていた。
そこへ弟の次郎がきた。
次郎「兄ちゃん!」
島「次郎!どうした?」
次郎「これ持ってけって。昔、お父さんに渡しそびれて、それでって母さんが。」
次郎が島に渡したのは、航宙安全のお守りだった。
島「そうか。心配性だな母さん。安心しろ。兄ちゃんは必ず帰ってくる。だから、その間、母さんのこと頼んだぞ。」
次郎「うん!」
進は行く前に、テレビを見ていた。
テレビでは、「第7地区管理センタービル爆破事件」のニュースが速報でやっていた。
『ヤマト計画の発表に端を発した暴動は激しさを増し、第7地区管理センタービルが暴徒の手で爆破された模様です。極東管区行政府は暴徒に対し、冷静になるように呼びかけていますが...」
進はテレビを消し、出発した。
進「行ってくるよ。兄さん。」
別れはウルトラマンたちも同じだった。
雄斗「ガイさん、行ってくるよ。」
ガイ「ああ、行ってこい。」
ジャグラー「ガイ、イズモ計画派が動き出したら、鎮圧する。その時は、お前も頼む。」
ガイ「わかった。芹沢の身柄を拘束するんだろ。」
ジャグラー「ああ。地球を頼んだぞ。」
ガイ「わかった。ヤマトのサポートを頼む。」
バスでは、ヤマトに乗り込む人たちでいっぱいだった。
一升瓶を抱えた佐渡が呟く。
佐渡「心配じゃのお。」
真琴「お酒ならオムシスでも作れるから大丈夫ですよ。」
佐渡「ミイく~ん」
真琴「あ、そっち。」
彼らの前の席では岬百合亜と星名透が座っていて、星名は終始、岬を見つめていた。
その横の席には進と伊藤が座っていた。
そして、ついにヤマトの搭乗口に到着した。
「各部点検終了、オールグリーン」
「搭乗員降車、第3デッキへ誘導」
出発ギリギリまで点検が行われていた。
「こいつは自動航行室行きみたいですね。」
榎本らがユリ―シャの入ったカプセルを取り扱っていた。
バスから降りてきたかつての教え子を見て榎本はそっと微笑んだ。
進「これは?」
艦長室では、森雪が沖田十三に報告していた。
雪「全員乗艦完了しました。エスメラルダシャインニング号及びオリジウム号も含めて欠員ありません。」
沖田「うん、あとはエンジンだけだな。」
機関部では、真田が徳川らといた。
真田「これが、その波動コアです。」
徳川「このカプセルが最後のパーツだったのか。」
真田はエンジンに取り付けると接続が完了した。