稗田日記   作:パフロロ

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前回のあらすじ↓

音哉は阿求と二人きりで大丈夫か?

 

 

 

音哉達が二人きりで仲良くなっているころ。

 

 

 

 

 

 

 

 

「うう…財布が…」

「うおっ、これ旨っ!」

 

阿求から頼まれた(というか自業自得)パンを買ってきた小鈴と魔理沙。阿求が理不尽な数を要求したため、当然の様に小鈴の財布は空になっていた。

 

「なんで魔理沙さんまで……」

「いいじゃないか。阿求から許可も貰ってるんだし。ほら、小鈴も食ってみろって」

 

そう言って半分小鈴に食べるよう促す

 

「……遠慮しておきます……なんか悲しくなっ……!!?」ゴモゴモ

「いいから食えって。旨いんだから」

 

口の中に、ほどよく甘い苺ジャムの味が広がる。

 

(美味しいんだよなぁ……)

 

 

 

 

 

 

 

──稗田家──

 

 

 

「ただいまー……ん?」

「あきゅー、おとやー?帰ってき「ストップ魔理沙さん!」え!?」

 

小鈴が閉まっている襖の隙間から中を覗くと……倒れた

 

「私には無理……」

「小鈴!?」

「後は…任せます……」ガクッ

 

「中で何が……?」

 

 

 

魔理沙が覗く

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「──なぁ阿求、それって絵とかも描いたりするの?」

「……え?あぁはい。でも私、簡単なのであれば描けるんですが、それでも描くのが苦手で……」

 

「稗田家以外の人間が描くのは?」

「良いんじゃないでしょうか?三代目の時も少し手伝って貰っていたみたいですし…でも、なんで?」

 

「……良かったら手伝うよ。俺、絵描くのはかなり得意だから」

 

───はい?今なんて?

 

 

「え……良いんですか?大変ですよ。私の短い一生をかけるんですから……」

 

 

「だったらその分手伝うよ」

「え………」

 

「だってさ、もっと……魔理沙達みたいに、遊びたくないの?」

「……だって、これは先代から行われてきた私の使命……」

「本当のこと言いなよ。多分、ここの人達も思ってる筈だよ?」

 

「うう………」

 

 

 

 

 

 

 

(何この空気)

 

 

「あ……おーい音哉?」

 

 

 

「あ、魔理沙さん。お帰りなさい──小鈴は?」

「お前達のイチャイチャ見て倒れたんだぜ」

 

実際、まだ小鈴は廊下で鼻血を出してのびている

 

「イチャイチャなんてしてないよ。阿求の手伝いの話をしてたんだ。な、阿求?」

 

「…」バタッ

「え、阿求!?」

 

急いで近くに行く

顔が赤い。なんだ?俺何かしたかな?

 

 

「おいおい魔理沙……阿求って体調悪いのか?かなり顔赤くなってるぞ?」

 

 

 

「お、ナイスタイミング。──音哉ストップ。ちょっと話したい事があるから、起こさないで欲しいんだけど」

 

 

「へ……?」

 

 

急に魔理沙に止められる。

魔理沙のイメージにはない、真面目な顔だ

 

 

 

「な…何?」

 

「……お前、馬鹿なのか?」

「何が…?」

 

 

「いいか?お前の手伝おうとしているのは、『幻想郷の歴史』だぜ?……それが優しさなら止めておいた方が良い。」

 

 

歴史ねぇ……

 

 

──まあ、魔理沙が言うのも分かる。実際一生出来るかなんて分からないし

 

でもそれが、俺の決めたことだ

幻想郷で何もせず過ごすより、こういう事があった方が俺も楽しくなる

しかも──

 

「"歴史を残す"とか楽しそうじゃん?」

 

胸を張って答える。

自分と同い年くらいの女の子が、使命に縛られているのなんか自分的にもすっきりしない。

 

 

「はぁ…音哉はだいぶお人好しなんだぜ……」

「褒め言葉だよ。」

 

 

 

 

「そうだ、阿求を起こさないと……」

「大丈夫。こいつもう起きてるんだ」

 

そう言って魔理沙が阿求に向くと、僅かに身体が跳ねた

そして立ち上がった魔理沙は阿求に何かを耳打ちして、部屋から出ていった

音哉は気付いていないが、阿求の耳は真っ赤になっていた

 

 

 

 

 

 

 

(何!?『こんな良い奴、絶対逃がすなよ』って!私が音哉さんのこと好きみたいな言い方!?)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「では、次回から宜しくお願いしますね」

「わかったよ。俺、描くのかなり早いから進めといた方が良いかもよ?」

「ふふっ、そうなんですか?追い付けなくしますよ?」

 

「あとさ…」

 

音哉の顔が紅くなる。

 

 

「──別に、砕けて話しても良いよ?疲れない?それ。」

 

「私は前からこれなのでいいんですけど……うーん…」

 

「それなら無理しなくてもいいよ?」

 

「……じゃあこのままで……よろしくお願いします、音哉さん。」

 

そう言った阿求の笑顔は、とても眩しかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

軽く会話をしたあと、阿求の見送りのもと、音哉は帰路に入っていた。

 

 

 

 

「はぁ……」

「どうしたの阿求?」

 

阿求に話しかけたのは、気絶していた事で魔理沙に放置されてしまっていた小鈴。

 

 

「あ、小鈴?それがね……」

「 何ー?実はパン要らなかったとかやめてよ?」

 

それはちゃんと貰うよ──阿求はそう言った。じゃあ何よ?

 

 

 

「音哉…」

「へ、なに?あの人がどうかした?」

 

「私…あの人のこと好きになった……かも」

 

 

ん?この娘なにを言っているんだ?

"好きになった"?

誰を?あの人(音哉)?

 

 

「小鈴!こーすーず!!ちょっと、しっかりしてよ!」

 

「私の……私の阿求が………」

 

「いつからあなたのモノになったの私は!?」

 

 

いいツッコミだよ阿求

ちゃんと正気で言ってるんだね……

 

「ちょっと小鈴!?戻ってきて〜!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(阿求……可愛かったな……)

 

マヨヒガに帰っている途中、音哉は幻想郷の歴史を記してきた少女の事が頭から離れなくなっていた。

 

(道は阿求に地図貰った。なぜ持ってる)

 

「あーもうダメだ!!」

 

 

 

今日は帰ろう……んで、明日また来て阿求の所に行こう……

 

 




阿求は敬語が可愛いと思う。
でも砕けた話し方も良さげだな………

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