IN 夢
『よし、入ったな』
『おとやー!おーとやー!どこー!?』
『ここだよ〜!』
ここは夢の中
ただここでは痛覚も意識も、全感覚が機能している
────理由は解らない。教授のテクノロジーは凄かったらしい
『さーて…何する?』
『そうだな〜……取り敢えず、ここがどこか調べようか。入る度に場所が違うんじゃめんどくさいけどね』
『はーい』
──ところで、何故この二人が夢の中に入っているか
理由は最近の音哉とメリーにある
週に数回のペースで、音哉とメリーは同じ夢を見る
姿が判らない"何か"から、ひたすら助けを求められる夢だ
メリーは基本マイペースな性格が幸いして、それでも気にせず居られる。
問題は音哉だ。
成長期である現在、音哉は寝不足などあってはならない筈だが、実はビビリな当人にとっては眠れない程なのだ
そうして、音哉の睡眠時間を取り戻す為に毎回こうして夢の中に来ているがこの世界にきたところで、やる事は特にないので
何かが起こるまで待たなければならない
『ここから、そうだね…半径5キロくらいは"書き出し"ても良いかな?』
『離れておいた方がいい?』
『いや、大丈夫。一つ目の実験の成果が出てるからね』
音哉が取り出したそれは、メリーには普通のスマホに見えた
『それ、蓮子の?』
『確かに蓮姉のだったけど、蓮姉が知らない内に改造して俺の物になった(された)んだよ。名付けて《ネオスマホ》───これさ、さっき言ってた教授でしょ?』
『……〜〜〜』ピーピー
誤魔化し方下手かっ!
(やっぱり……今度絶対会ってやる)
『なにか使えるの?』
スマホをじっと見るメリー
この人は昔からこういうところがある
気になったものに飛びつき、満足のいくまで調べ上げないと気が済まない
『ベースがスマホだから普通にメールとかもできるよ。──ただ、よくわからない機能がついてた。』
そう言ってスマホからホログラムを出す
『──なにこれ、どうやったの?』
『………俺に聞かないでくれないかな?蓮姉の考える事だしね。──ってあれ〜?調整失敗したかな。再起動っと』
スマホを再起動すると、ホログラムは複雑な形を示した
『これって……地形?まさか、地図ってこと?』
『そうらしいね。ちなみに、サイズも解像度も範囲も変え放題だね』
便利でしょ?自信作なんだよ(ドヤァ)
『ん?ねえ音哉、なんか蓮子の声が聴こえなかった?』
『……聴こえた気がする。どーせこっちの会話は筒抜けなんだから外で「ドヤッ!」とか言ってるんだと思う』
『………(蓮子、音哉に行動バレてるよ……)』
『そういえばこれってさ……』
メリーがおもむろに月を中心に動かす
『やっぱりこれ、蓮子の得意技じゃない………』
『止めたあげて、可哀想になってくるから……』
そう、このマップは蓮子がシステムを作った為、全ての基準が月と星になっている
蓮子は何故か月や星を見るだけで時間と自分の位置が分かってしまう
ただ、メリー曰く『引き算じゃないの?』とのこと。
一応蓮子は否定しているが、弟の音哉としては、姉の能力を信じている
昔から姉として尊敬と憧れを持つ音哉だからだ。
音哉は、お姉ちゃんっ子なのだ
『蓮子も良い弟たちがいるのね〜、私も欲しいそんな姉弟!』
『またそんなこと言って……俺達はメリーさんも姉だと思ってるよ?』
『ほんとに?』
『メリ姉………?』ボソッ
『ぶはっ!!!』
あれ?巫山戯て昔の呼び方をしただけだったのに……
なぜ血を吐いたし
『うん、この辺は何もないね』
制限時間ギリギリまで調べたが、特に変わったことはなかった
『そろそろ蓮姉が起こしてくれる頃かな』
『ねえ、音哉。なんか人来てるんだけど……』
『え、嘘!?どこ!?』クラッ
(うわ、時間か!)
???『おい!君達!!』
『明日またきま─────!!』
???「────あれか、例の二人は………やっと見つけたぞ」
「───ばっ!!………あ、蓮姉!「あ、やっと起きt」人がいた!」
「───なんですと?………え、ほんとに?」
夢の中に入ってないから分からないか……最後は飽きてアイスでも食べていたんだろう
「嘘ついてどーする!?そうだ、メリ姉は?」
「何メリ姉って、懐かしいわね………メリーならまだ寝てるわよ」
蓮子が指差す方を見ると、今だ椅子で寝ているメリーがいた
ただ、明らかに様子がおかしい
(なんだ、あのオーラ的なのは?)
メリーの周りにぼんやりと"何か"がある
「普通の夢の中に入っちゃったのかしら?うん、さすがメリー」
(いや違う。でも、蓮姉は気付いてないのか?まさか………見えてない?)
「寝すぎは体に悪いよー?」
蓮子がメリーに触れようとしたとき、音哉には嫌な予感がしていた
「蓮姉!触んないほうが……!!」
「え?」
(遅かった!!)
メリーの上の空間が歪む
歪みは徐々に大きくなり、音哉の身長より高い空間が"斬られた"
「キモいとは何よ!?」
誰!?ていうか、ツッコミから入るのも珍しい登場だな
それにしても……ほんと気持ち悪いなコレ
目玉?………うぇ。こっち見られた
「────いいかしら?」
「……どうぞ。」
「まず最初に、貴女が触れなくても私は来たわよ」
「あ、さいですか」
いや、そんなのどうでもいいよ?
ホントの理由があるでしょ
「まあいきなりだし、急ぎだから最初にいうわ。私がここに来た理由はこの娘を"幻想郷"に招待するためよ」
「幻想郷…………」
その名前を、俺は知っている
俺や奏がハマっている東方projectの世界だ
(……なるほどね。あの傘、あの金髪。何より、あの空間……いや、"スキマ"っていうべきかな。本当に───あったんだ)
「───貴女は………八雲紫?」
よーでるよーでるよーでるよーでるよーかいでるでるでられんけん