「なんだ、双子だったのか。面白くない…」
「おい。」
寺子屋。
音哉が慧音に双子だと伝えると、なんとも悪い笑顔で奏を見る。
(音哉のことが好きとかって気持ちは?)
(?好きだよ。……あ、一応兄妹として十割だけど)
(…あ、そうなのか……)
そして、奏は普通の声で補足する。
「………弄ると面白いし、一々楽しい事するし、誰にでも優しくて、どんな事でも真剣にやる。こんな最高の"相棒"を嫌いなわけないじゃん。」
奏は音哉の方を見る。いつも聞かれる質問だから音哉も判っているのだろう、少し照れながら頷いた。
「俺としては、奏の幼女好きをなんとかして欲しいんですけどね。」
「うぉい!?幼女否定したな!フランちゃん超可愛いからな!?」
(いや、確かに可愛いけども……)
二人の会話の雰囲気から、慧音達も双子だということをしっかり認識していた。
「ちょっと聞いていいか?」
慧音からの質問は、お互いの秘密等で暴露できるものはあるか、というものだった。
「「そんなのいくらでも。」」
何をそう息ピッタリで言うのだろうか。
「そんなこと言ったら俺、奏の3サイズ分かりますけど?」
「いや、なんでそんな事を知っているんだ!?」
「よく奏が自己申告してくるんですよ…俺あまり気にしてないので何とも思いませんけど、前教えたように覚えちゃってるんですよね。」
「………ちなみにどれくらいなんだ?」
「そうですね……上から7じゅ『ちょ!?待って!!』」
後ろから奏の制止が入る。
それもそうだろう。いくら知っているとはいえ、自分が初対面の相手に自分の3サイズを知られてしまうのは嫌な筈だ。
「いいじゃないか別に。なんだ?私のも教えて欲しいのか?」
(正直知りたい……)
奏が見る限り、というより誰が見ても慧音はスタイルが良い。
それは奏が今日二回目のorzになり、さらに妹紅までも黒い笑顔になるレベルだ。
「お邪魔しまー………」
(いいですよ別に!)
(やめて慧音さん!)
(──くっ……)←妹紅
( )
「お邪魔しましたー(棒)」
「うおっ、阿求!?」
「イヤーダレノコトデスカネー」
すぐ帰ろうとする阿求を引き留めようとするが、目からはハイライトが消えている。
「音哉さんは大きい方が良いんですよね…?」
「いやそういうわけじゃないから!!てかなんでそう言う事に!?」
別にまだ成長期だからいいじゃないか…私なんて……by妹紅
「──お、新しいやつか。」
「あ、はい。もっと必要であれば言ってください。」
阿求が持ってきていたのは、一冊の本。
「あ、これ教科書なんだ」
中を見ると、現世と幻想郷の歴史について書かれていた。
いつ書いていたのか疑問に思って聞いてみたところ、音哉妖怪達を描いている時に横で作っていたらしい。
「音哉も一応うちの教師なんだから、一冊貰っておけばいいんじゃないか?」
「いやー……でも、阿求が大変なんじゃ?」
「別に大丈夫ですよ。いい気分転換になりますし。」
どこからその自信が出てくるのだろうか。
現世では当然ありえない。その為手書きで作るなど想像もつかないものだ。
しかし阿求はそれを"気分転換"程度で済ませてしまう。
──もしかしなくても、歴代稗田家当主は思っていた以上に凄いのかもしれない。
「──ところで、隣の人は?」
「今になって!?」
多分気づいてはいたのだろうが、流れで聞けなかったのだろう。──そう、阿求が来てから奏がぼっち状態だった。
「私は宇佐見奏。趣味は可愛い男女探しと音哉をいじるコト。よろしくね。」
「──あ。」
「……前に双子の妹がいるって言ったことあったでしょ?それが奏。」
「やっぱりそうでしたか…私は稗田阿求です。宜しくお願いしますね、お義姉ちゃん。」
「お、お姉ちゃん?」
「「ぶふっ!!」」
慧音と妹紅が噴き出してしまった。
音哉と奏は"お姉ちゃん"とからかっているように聞こえていたが、残りの二人は違う。阿求の本意は『姉』ではなく、『義姉』という事に気付いていた。
「あ〜〜〜っ、楽しかったぁ」
「そんなに?」
「というより眼福だった。会う女の子が皆可愛かったからさ〜」
土日が終わり、明日からはまた平日だ。季節は秋中盤になる。
受験生である二人は忙しくなり、音哉が阿求の手伝いができる時間も減るだろう。その事については阿求に話した。
「──元々一人で書いていたので、大丈夫です。」
そう言った阿求は、少し寂しそうだった。
「大丈夫、来るときは絶対に何か持って来るから。楽しみにしてて」
「本当ですね?絶対ですよ!?」
もうすぐで泣きそうな阿求を見て、音哉は抱きつきたい衝動をなんとか抑えていた。
──────────────
秘封倶楽部
「ねえメリー……」
「ん、なに?」カチャカチャ
「私達さぁ………出番無さすぎない?」
「まあ…ほら、主人公が音哉達だから」スッ
「私達も頑張ってるのに…(あ、美味しい……)」
「そんなに登場シーンが欲しいの?」
「私達だって一応登場人物なのよ?それに、作者が忘れてるかもしれないじゃない!(←事実)」
「でも、特に何も無かったから……」
「うっ……仕方ないじゃない…」
「はあ……あ〜もう」
そんな時に俺参上!!
「あ、ぱふ(作者)だ」
変な略し方するね…
ていうか君達初見だよね?
「気にしない気にしない。」
はあ、まあいいか。
……で、君たちの話がない理由なんだけど
「そうよ!なんで!?」
…お、落ち着いて。
単純なんだけど、音哉達が高校入ってから書こうと思ってるんだ。
「高校入ってから?なに、次の話から新しい章が始まるの?」
そう、だからその章の途中かな
「え、それだけ!?もっと出番は!?」
作る予定だよ。じゃーねー
「ちょっと!え、待って〜!!」
「………………」
「次の章もよろしくね?」
次回から“が”、“やっと”本編だったりします