「ほら、貴女も早く入りなさい。みんなもう行ったわよ?」
「───へ?あ、はい」
スキマにみんな入り始めて、最後は奏だけになった。
こっちの世界にまた来れるって事は、学校にも行ける。そういうわけで、音哉は安心してスキマに入って行った。
その後ろで、奏は一人だけ興奮していた。
(どうしよう、あの娘とかに会ったら……)ニヤニヤ
終始こんな調子である。
「…まあいいか、行こう」
奏side
「…………ん?出口かな」
スキマを移動して十分程経ち、光が見えてきた。
「よーしっ!ごーーーる!?」
……頭から落ちましたorz
「──いてて……あんなに歩いた上に落下するなんて……」
──ふと、気付く。
呼吸が軽い。空気が美味しいからだろうか。
目を開ける。緑…青…白…三色だ
それが緑葉、青空、積乱雲だと気付くのにそう時間は掛からなかった
そして、真上の太陽に被さった何か。
「音哉………?眩しっ…!」
「ああごめんごめん。まさか奏が着地を失敗するとは思わなくて。」
笑いながら話しかけてくる。
「うんうん、無事着いたわね。では、改めて───」
───ようこそ、幻想郷へ───
木漏れ日が瞼越しに入ってくる。
これは──樹の匂いだ。自分の知っている"木"ではなく、優しい匂いだ。
本当に日本か疑ってしまう。
(来て正解だった……)
──決めた。将来絶対にココに住む。
「ねえ紫さん」
「なにかしら?」
「幻想郷の時間とか単位とかって私の知っているのと同じなの?」
「……それなんだけどね…」
急に疲れた顔になる紫
「基本は同じよ?今は20××年8月24日。ただ、他の物はごちゃごちゃなのよね……幻想郷は日本語に完全対応しているけど……まあ、生活に支障はないわ。」
(色々あったんだろうけど、あえて聞かないでおいてあげよう……)
「紫様!」
上から声が聞こえる──上から?
上を見ると、人影がある。飛んでるけど。
「あら、藍じゃない」
「藍って…八雲さんの式神の……?」
言われてみれば、尻尾がある。123…うん、⑨本ある。
「はあ、探しましたよ…なんでこんなところに…」
疲れた様子で藍さんが言う。
そもそも飛んでるのに疲れるのか?
「あら、ダメかしら?」
「…せめて博麗神社にしてくださいよ…ここ、かなり遠いんですからね!?家からも!」
かなり怒っている………のか?
「まあまあ、いいじゃないの。運動しないと太るわよ?」
「っ………!///(カァァ」
「あら、図星だったぁ?この前、橙と一緒に永遠亭で測ってたでしょう?」
「覗いてましたね……「( ゚д゚)ハッ!?」今日は夕食抜きです。」
完全に怒っている。笑っている筈なのに目が笑っていない。
そもそも、藍はスタイルが良すぎる。どこを見ても完璧だ。一生勝てる気がしない。
「どこも太ってるようには見えないけど…」
「やめとけ、逆効果だ。」
シュン……
「あ………」
「まあまあ(ふみゅん」
「ひゃう!!ゆ、紫様!?」
紫さんが藍さんの胸を鷲掴む。
はいごめんね音哉、ちょっと眼閉じててね〜。
「蓮姉とか奏のせいでもう慣れたよ……」
音哉は女子に対しての対応は完璧だと思う。……あれ、私達のせい?
「どーせ、また大きくなっただけでしょう?」
「だからって揉み続けないで下さいよ!」
「私も~!!」
「ちょ、ええ!!?」
「やめ……ふぁぁあ~~~!!」
五分後
(´∀`*)(ツヤツヤ
(´∀`*)(ツヤツヤ
「……はあ…はぁ…………ふう。もう…やらないで……くださいよ…」
「「ヤダ♪」」
「(泣)」
「とまあ、藍弄りもこのくらいにして行きましょうか。」
「行くって…何処に?」
「貴方、まさか野宿するつもりなの?取り敢えず、博麗神社に行くわ。」
博麗神社か、てことは巫女の博麗霊夢に会えるってことかな…?
「ああそういえば、貴方達飛べないのよね……本当は道を覚えてもらうために歩かないといけないのだけれど…仕方ないわね。」
そう言って、渋々スキマを出す紫。
「ほら、入りなさい」
奏side end
──十分前、博麗神社──
ずずっ…
博麗神社の巫女、博麗霊夢は…茶を啜っていた。
「れーむー…暇だぜ~……」
これは自称普通の魔法使い、霧雨魔理沙。
神社に来る理由は1つ。
霊夢が大s「マスタースパーーーク!!!」
はあ…はあ………あ、あぶねーだろ魔理沙!
作者に向かってマスパとか!!
「うるさい!人をガチレズみたいに言うな!!」
そこまで言ってねーよ!
「どうしたのよ魔理沙。暑さで頭おかしくなった?」
「いや!違う…気がするけど、それでもいいぜ……(メタい発言は控えとくか……)」
「暇ならフランのとこにでも行ってあげなさいよ…最近行ってないでしょ?」
「だって今日暑いしさ~……なんでお前は茶なんか飲んでられるんだよ~…」
そう言って霊夢の湯呑を見る魔理沙
「これ?前に霖之助から貰ったのよ。飲んでみる?」
「……うん?なんだ、麦茶か。どうりで飲めてる訳だぜ…」
お察しのとおり、この二人は暇である。
最近は異変が全くない。したがって博麗の巫女としての仕事の半分はないことになる。
(私も紅魔館に行こうかな…)
霊夢は結構な頻度で紅魔館に出向いている。行く理由は、暇だから。
「ほら、なにぼーっとしてんだ霊夢。行くぜー」
「え、強制なの?」
仕方無い…たまに行ってやるか。
(ん?あれは…)
外に出ようとしたとき、霊夢の視界に入ってしまってしまったのは…
「スキマ……(アカン)」
八雲紫のスキマ。博麗霊夢にとって面倒臭い出来事の一つ。
「ん~!!!…っらあ!」
「え、誰!?」
隙間から出て来たのはあのBB……もとい、紫ではなかった。
「ほっ!」←奏(誰!?)
「よっ」←音哉(誰!?)
「紫!?…いや違う…」
「……やあ霊夢」
「……紫は?」
ここで巫女の勘が働いたのか、霊夢は1枚のカードを取り出す。
「『封魔陣』」
「きゃっ!?」
「後ろだったか…」
「霊夢~私なら行ける…うわっ!紫!?」
「何よ魔理沙。反応が失礼じゃないかしら?」
「いや、何時もの事だぜ?………ところで、そいつらは?……なんか固まってるけど」
そう言って音哉達を指差す魔理沙。
一方で音哉と奏は、本物の封魔陣を見れたことで感動している。
「この子達はほら、前言ってたじゃない。」
「あぁ、招待客ってやつか。」
「じゃあそれぞれ自己紹介よろしくね。」
「あ、はい。初めまして、宇佐見音哉です。よろしく魔理沙。」
「音哉の片割れの奏でっす。私達双子なんだ。」
「ん、私は霧雨魔理沙。普通の魔法使いだぜ。双子って本当にいるんだな……」
「え、いないの?」
「少なくても私の知り合いにはいないぜ。なあ霊夢?」
魔理沙が後ろを向くと、霊夢が紫に札を投げ続けていた。
「そうね…貴方達、かなり珍しいわ……よっ!!」
「ちょっ霊夢!?何故スペカの非殺傷を解除してるのかしら!?」
ピチューン
「 」
……確か魔理沙と霊夢の交友範囲は幻想郷全体だった筈だ。それでもいないということは、本当に珍しいのだろう。
ふと隣を見る。奏が全く動いていない。寝てる?……それはないか…
「おーい奏、大丈夫?」
「……神社のとこ…」
「神社?」
小人…?
……って、あれ針妙丸じゃん
「あれ、あんたいつの間に?」
「籠の中は退屈なの。だから付いてくことにした!」
「そう?…まあ良いけど」
針妙丸がいるってことは、今は輝針城の後くらいなのか。
「そういえば私達の紹介してなかったな。私は霧雨魔理沙。普通の魔法使いだぜ」
「私は博麗霊夢で、このちっちゃいのが少名針妙丸よ。」
「失礼な!これでもあの一寸法師の末裔なんだよ!」
(音哉君)
後ろから紫が声を掛ける
(この世界の仕組みを知っているのは、私と藍だけなのよ。……だから、ね…)
(大丈夫ですよ。心配させたくないですしね)
ヤバイ…一瞬ドキッとしてしまった……
あ、紫にフラグ立ちません