今回の話は何となく察してるかもですが、短いです。
では続きをどうぞ。
かくして、クロネコ海賊団との戦闘は終わった。
クロ撃破後、彼の船員へ海賊王になる事を宣言して船長を投げ返す。
そして、シロップ村を生涯狙わないよう言い付ける。
「ゾロが居るから向こうは大丈夫だろ」
ゾロとウソップの安否を考えるだけ無駄だ。
何と言ってもゾロが居るから。
不安視するだけ無駄だ。
あとの事は何とかなるだろ――――そう思うと緊張の糸が切れる。
フラッと、身体が前のめりに倒れる。
「お疲れ様」
直前、ナミがルフィの身体を受け止める。
坂の上で仰向けに寝かせる。
無理矢理に動くにはルフィも、ナミも疲弊し過ぎていた。
「やっぱりそれだけ斬られたらあんたでも倒れるのね」
出血はしているが、致命傷とまで言わなかったのは本当に不幸中の幸い。
あれだけの戦いの後なのだから当たり前といえば当たり前だ。
「あいつら、間違ってる」
「間違ってるって…………」
ポツリと呟いた一言、その内容に察しが付いた。
きっと、ルフィが叫んでいた事と関係している。
それはバギーとの戦いにおいても言っていた。
仲間を蔑ろにする事を嫌っている節がある。
「海賊なんて、そんなものよ」
彼の麦わら帽子を傍らに置きながら残酷な話をさせて貰う。
これまで数多の海賊を見てきたナミの意見はルフィのものとは真っ向から対立する。
「腹減った〜」
「…………あんたね」
先程のナミの言葉を無視するようにルフィは告げる。
確かに腹の虫が空腹を訴え始めた。
ただ、これはあまりにもなタイミングだ。
彼との付き合いも慣れたもの。
呆れつつも彼らしいと、ナミは隣に座るだけだ。
「ねぇ、向こうは大丈夫かな?」
「大丈夫だ。ウソップが居るし、ゾロが付いてるからな」
ナミの疑問へそのように答えた。
ゾロは分かるのだが――――
「ウソップって、強いの?」
クロとの戦闘時の話は少し聞こえていた。
ナミはクロネコ海賊団の船に潜り込み、宝を奪っていた。
それを終えると船を離れて周り込んで近くに身を潜める。
その際に会話を聞いていたのだ。
「わる執事よりは」
「天下のキャプテン・クロにも勝てるって?」
「ああ、あいつは芯が強いからな」
「芯、ね」
答えを求めるよりも先にルフィの方から教えてくれる。
言い回しはシンプルながら、何となく分かった。
「要は心の強さ?」
「そんな感じだ」
「なるほど、ね」
そう言われると分からないでもない。
今回の一件を〝ウソ〟とする事で、余計な不安を村に与えないように配慮する。
その為に怖いと分かっていても彼は立ち上がった。
恐怖を呑み込みながら、孤軍奮闘するつもりだった。
“だからルフィは手を貸したんだと思う。”
彼なりの心の強さを見たから。
それこそが、誰かの為に立ち上がる強さを見せたから。
きっと、それを受けたからこそルフィとゾロはウソップの為に立ち上がった。
それはナミも同じ事だ。
「心が強いか……私にはちょっと分からないかも」
「何言ってんだ? ナミだって十分に強いだろ」
ナミのぼやきにルフィが待ったを掛ける。
それは納得がいかないと言っていた。
「私が?」
「理由は知らねェけど、誰かの為に金を集めてるんだろ?」
「…………私が欲しいから勝手にやってるだけよ」
返答には幾ばくかの間があった。
そこに何かしらの違和感を抱いても不思議ないが、ルフィは何も言わない。
気が付いていないのか、本当に何も気にしていないのか。
意外とこういうところは気を利かせてくれていると思うべきか。
「そっか、そういう事にしとく」
「あっそ」
ナミは麦わら帽子をルフィの顔の上に被せる。
それを被ろうと、上半身だけ起こす。
「待たせたな。こっちも終わったぜ」
丁度のタイミングでゾロが遅れて現れた。
ウソップ達が居ないが、今後の事をカヤとウソップ海賊団の面々に話している。
聞かなくともどうするつもりなのか想像が出来る。
今回の一件を無かった事にするのだ。
むやみやたらに村に恐怖を伝える必要も無い。
カヤには悪いとは思うが、これもまた村の為なのだ。
きっと、皆がウソップの意見を受け入れるだろう。
何だかんだと、彼は皆に慕われている。
こうして危険な場へと来てくれた事からも良く分かる。
「向こうはウソップに任せよう。それより腹が減った」
「同感だ。何か腹に入れたい」
「締まりがないわね」
2人の超人っぷりを把握してはいるが、こういうところは何ともマイペースだ。
それにルフィの言う通りで、これからの事はウソップ達に一任するしかない。
クロの言葉を借りたくはないが、自分達は所詮は部外者なのだから。
その後、ルフィ達は食事をしていると羊の髪型をしたメリーという人物が訪れた。
カヤお嬢様という呼び方から彼女の執事なのが窺える。
今回の一件を知る人物の1人である。
そんな彼から――正確には彼とカヤから報酬として、船を譲渡された。
キャラベル船という種類で、〝ゴーイングメリー号〟と名付けられている。
ルフィが操作説明を受けていたが、それはナミが代わりに受ける。
付き合いもそこそこなので、彼にそういった知識が皆無なので自分が聞いた方が早いと判断した。
まあ、近い内にどう動かすべきなのかは理解して貰うようだ。
今から説明する為に分かりやすくする方法を考えておかなければ。
手を組んでいる間柄だというのに、いつか自分が船を降りた時にどうするのか考えているのだろうか?
少しばかり不安になってきた。
当面の食糧は確保している。
クロネコ海賊団の財宝が早速役立った。
さて、出発しようかというタイミングでウソップが大荷物を持って"転がってきた。"
比喩などでは無く、リュックが大きくなって坂道でゴロゴロと転がってきた。
もう少し荷物を纏めるべきだった。
ただ、ここに殆ど荷造りもせずに海へ出ている無計画な船長と船員が2名程居るのだが――――知るのはこの場に居ないコビーだけ。
さて、荷物も入れたのでいざ出発と思っていたら脇でウソップが小船を用意していた。
「何してんだ?」
「何って、おれも海に出るんだ。この先で何処かで出会ったらまたよろしくな」
ウソップへ何をしているのかと問い掛けるルフィ。
どうやら彼も海へ出る決心を付けたらしい。
「何言ってんだよ。さっさと乗れよ」
「おれ達、もう仲間だろ?」
ゾロとルフィは「何を言ってるんだ?」との前提で話す。
ナミはこちらを静観するだけだ。
彼女は手を組んでいる間柄なのだから首を突っ込むつもりはない。
そして、声を掛けられたウソップは涙ぐむ。
彼にとってはとても嬉しい言葉だった。
いや、これは渡りに船だ。
それに、こうしてクロネコ海賊団を共に退けた彼等と冒険へ出るのは何かの縁だろう。
「キャプテンはおれだよな?」
「バカ言え!! おれだ!!」
こんなやり取りもあったが、船は無事に出航する。
数日後、帆に麦わら帽子にドクロマークのイラストが描かれた船が海を進む事になる。
〝海賊船ゴーイングメリー号〟が誕生するのであった。
如何でしたでしょうか?
原作との差異はありません。
グダグダと続けても意味無いのでサクッと終わらせました。
少しだけルフィとナミとの会話に付け加えている位ですね。
ウソップ海賊団の解散などは裏で行っています。
ウソップのウソの根幹に関しては原作を是非読んで下さい(放り投げました)
さて次回はバラティエ編です。
初っ端からダイジェストになるかもしれませんが、その時は許して下さい。
また時間が掛かるかと思いますが、これから書くのでしばしお待ちを。
では次回に。