怪我の方も良くなったのですが、自分周りで色々な事が起きましてなかなか時間が取りづらい日も続いています。
まあ、一番の要因は作っていたデータが吹き飛ぶという事態を起こして、しばらく真っ白になっていました(´;ω;`)
今回は短めですが、続きをどうぞ。
できるだけ漫画のシーンを想像しながら読んでください(笑)
〝海賊狩り〟と〝鷹の目〟――――両者の戦いは『一方的』の一言だ。
戦いにおける『一方的』とは言うまでもあるまい。
どちらか片方が片方を圧倒しているという事だ。
それを誰が?
考えるまでもない。
〝鷹の目〟は〝世界最強の剣豪〟とも呼ばれる称号を持つ男が〝海賊狩り〟という“近辺の海でしか聞かない異名に負ける訳が無い。”
これまで敵を破ってきた〝海賊狩り〟の剣技が通用しない。
通用しないだけではない。
〝鷹の目〟は指で摘めるサイズの小さな剣だった。
ナイフよりも一回り小さいサイズの剣で〝海賊狩り〟の剣を全ていなす。
〝海賊狩り〟が〝鷹の目〟との差を肌で感じ取り、今まで見せたことのない荒々しい剣技を振るう。
端から見れば子どもが駄々を捏ねているように映らなくもない、それだけ〝海賊狩り〟には信じ難い程の差が両者にはある。
これを見た〝鷹の目〟は〝海賊狩り〟を〝弱い〟と切り捨てる。
それを聞いたヨサクとジョニーが怒って乱入しようとするがルフィに止められる。
「手ェ出すな!! ちゃんと見てろ!!」
両者の戦いを見守るように言い付ける。
当の本人も両者を知るからこそ辛く、複雑な気持ちを抱いている。
それでも――――これは2人が始めた戦いだ。
挑戦者は半端な気持ちで戦いを持ち掛けた訳では無い。
ぶっきらぼうでも頂点に立つ男は挑戦者の気持ちを汲んで受けて立った。
だから、2人の意見を尊重する。
瞬間、動きがあった。
〝鷹の目〟が用意した短剣が〝海賊狩り〟の心臓のある左胸に突き刺さる。
短さが幸いし、心臓にまでは至らなかった――――のだが、
「それ以上進めば、死ぬぞ」
そう言ったのは誰あろう〝鷹の目〟だ。
〝海賊狩り〟はあろうことか一歩前に進んでいたのだ。
〝鷹の目〟の指摘を〝海賊狩り〟は聞く耳持たない。
戦っている間柄だからか?
否、違う。
「何でかな、ここで引いちゃったら…………何もかも、失っちまう気がする」
一度戦うと決めたのに、後ろに引ける訳が無い。
どのみち、比嘉の戦力差を実感した。
命が刈り取られる窮地――――同時に〝鷹の目〟と肉薄している好機でもある。
尻尾を撒いて逃げれば命は助かるだろう。
だが、その選択をした場合に何かが失われる事を懸念する。
もう二度とこのステージに立つ事を許さないかのような強迫観念に襲われる。
「そう、それが敗北だ」
「なら、尚更退けないな」
「…………死んでもか?」
「死んだ方がマシだ」
〝鷹の目〟との問いに〝海賊狩り〟は即答する。
しばしの思考、刃を引き抜いたのは〝鷹の目〟だった。
「小僧、名乗ってみよ」
「ロロノア・ゾロ」
「覚えておく久しく見ぬ強き者よ」
これまで〝海賊狩り〟を弱き者と称していた〝鷹の目〟は彼の名を求める。
そして、名前を心に刻み、彼は背中の黒刀を抜く。
世界最強の剣豪が扱う、最高峰の武器。
〝鷹の目〟に出来る彼への最上位の敬意。
互いに距離を取り、周囲の空気も張り詰める。
〝海賊狩り〟もまた奥義の下準備を始める。
「散れ」
先に動いた〝鷹の目〟は即座に間合いに詰めると同時に黒刀を振るう。
それを迎え撃たんと、自身に出来る最強の技を繰り出す。
次の瞬間、互いの剣技がぶつかり合う。
その結果、刀が粉々に砕け散った。
どちらのか――――勿体ぶる必要もあるまい。
世界最強を誇る彼の力の前に〝海賊狩り〟は届かなかった。
届かなかった距離は「果てしない」の一言だ。
〝海賊狩り〟の力など、〝鷹の目〟の領域に遠く及ばない。
補足しておくなら親友の刀のみを残し、手にしていた2本は粉微塵に砕かれた。
対する〝鷹の目〟の黒刀は無傷である。
この結果だけでも明確な差が如実に表れている。
背後から〝鷹の目〟が迫る。
敵わないと、即座に悟る。
だが、〝海賊狩り〟は残った刀を鞘へと戻し、反転する。
両腕を広げ、彼に一言……
「背中の傷は剣士の恥だ」
「見事」
〝海賊狩り〟の気概に応えて〝鷹の目〟は黒刀を肩から腰へ斜めに一閃する。
その一刀を受けた〝海賊狩り〟は一歩、二歩と下がって耐えきれずに海へと沈んでいく。
両者の決闘が終わるや否や、ヨサクとジョニーが海へ飛び込んで助け出す。
ウソップは小船を用意して、即座に駆け付ける。
「鷹のおっさん!!」
ルフィは能力者であるが故に海へは入れない。
自分の仲間が望んだ決闘だ。
口出しするのは野暮だ。
〝鷹の目〟へ声を掛け、拳を強く握る。
表情も苦虫を噛むように、この決闘の結末に水を差さないように我慢している。
これは彼らの、特に自分の仲間の〝野望〟の為の戦いだったのだから。
複雑な感情がルフィの中でせめぎ合っている。
「よくぞ、この決闘を見届けたゴムの少年――――いや、今はその帽子にあやかって〝麦わら〟と称しておこう」
そして、〝鷹の目〟のルフィへの呼び方も変化する。
それは旧知の人物への呼称などでなく、ルフィへ向けた〝名〟であった。
「安心しろ。あの男は生きている。
奴が死ぬにはまだ早い」
〝鷹の目〟の一言と同時、向こうへ視線を向ける。
引き上げられた〝海賊狩り〟は息をしていた。
致命傷はかろうじて避けている。
「我が名はジュラキュール・ミホーク」
初めて、〝鷹の目〟は名乗りを上げる。
己を知り、世界を知り、強くなれ――――と、彼は言う。
そして、彼はこう締めくくる。
「このおれを越えてみよ!! ロロノア!!」
彼にならそう出来ると、まるで確信しているかのような物言い。
彼が最後に見せた〝誇り〟は世界最強にそこまで言わせる程の強さだったのだ。
「ル……フィ、聞こえ、るか?」
「お、おい、喋るなよ」
ウソップ達が話すのを止めさせようとする。
その制止を振り払って彼は告げる――――いや、宣言する。
「おれはもう!! 二度と敗けねェから!!」
これは誓いだ。
あの時、幼馴染みとした誓い。
あの時と同じように心から望んでの誓い。
だが、あの時と違う事がある。
もう幼馴染みとは二度と会う事は出来ない。
それに今し方に痛感させられた力の差。
あの時よりも道のりは果てしなく、更に遠くなった。
だが、"頂きの断片を見る事が出来た。"
まずはそこを目指す。
新たな目標を加え、己の野望を認めてくれた"2人"へ向けての宣誓だ。
「文句あるか? 海賊王!!」
「しししし!! ない!!」
2人の信頼の強さが垣間見えた。
それに〝鷹の目〟も笑う。
「貴様の目標も変わっていない事に安堵した。
何より、良いチームを作ったな」
本当に嬉しそうな声音で告げるが、背中を見せていたので表情は分からない。
「ではな、また会おう」
こうしてミホークはルフィとの再会、ゾロの邂逅に満足してこの場を去る。
去り際、空気と化していたクリークがミホークを煽るものの、相手にもされずに海賊船を更に粉々にされる出来事があった。
「せっかくの余韻だ。もう少し浸らせて貰うとしよう」
そう言い残して去って行った。
如何でしたでしょうか?
今回はかなり端折っています。
正直、漫画での名シーンを書くのかは迷いましたがルフィとミホークの関係性も変化しているのでせっかくならばと書いてみました。
ゾロは仲間、ミホークは旧知の仲、両者合意の上での決闘、その結果に異を唱える行動を起こすだなんて事を出来ませんでした。
結果、原作とは異なってミホークに殴り掛かりたい衝動を必死に抑えています。
これが今回の原作との相違点ですね。
さて、次回は予告しておくと一気に飛んでクリーク戦になります。
バラティエ面々やサンジのやり取りはカットします。
楽しみにしていた方は申し訳無いです。
では、次回に。