元飼い猫と元飼い主の青春ラブコメは間違っていない。 作:晃斗
大体冬休みに入ってすぐくらいにクリスマスってあるよね。
厳密に時間とか設定とか詳しく決めてないから、おかしくね?とか思っても気にしないでくれ。所詮二次創作だし…。
八幡視点無いです。理由?思ったよりゆきのんの視点が長くなっちゃったから。
だって三倍近くなるとはおもわんやん。
最後ら辺で真面目にラブコメ。
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何か今日は朝から少し、慌ただしい空気がこの家に漂っている。八幡のお母さんは朝早くから何かを作っていて、小町ちゃんはそわそわしながらお母さんを手伝っていて、お父さんは買い物に出ている。
その中でも八幡はいつも通りの雰囲気で、ソファーでゆっくりしながら私を撫でている。
何故こんなにも慌ただしい雰囲気なのだろうと思っていると、そんな私を見ていたのか、八幡が言う。
「ユキ、いつもと雰囲気が違ってビックリしてるのか?ユキに伝わるかは分からんが、今はクリスマスの準備をしてるんだ。他の家はどうなのか知らんけど、家はイヴには何もしないでクリスマス当日にパーティするんだよ。今してるのはその準備だ。」
クリスマス…パーティ…?いや私もクリスマスがどんな日なのかは流石に知っている。
でも…クリスマスはパーティをする日なの?家はそんな事はしてなかったし、私も変わらず勉強をしていた。しかし八幡の言葉を聞くと、この家だけでなく他の家もしている様な言い方だから実際パーティをする日なのだろう。
なら何故八幡はゆっくりしているのかと思い、八幡を見ながら二回弱く猫パンチをする。
「え?ならなんで俺が何も手伝わないでゆっくりしてるのかって?それはユキが俺の側からずっと離れないから、母ちゃんに動物が近くにいる状態で料理すんなって言われたからな。料理以外にすることは買い物しかないから、やれることがなくてソファーでゆっくりしてるんだ。」
分かったか?なんて八幡が言っている。
え、そんなに八幡の側にいるかしら?なんて思ってここ数日を振り返ると、確かに八幡がトイレに入る時以外はずっと近くにい……いやっ、そんなことはない…はず!きっと、多分……。いやでも…うぅーん…?
ここ最近の私の事で首を傾げていると
「まぁそんなわけだ。そういうことで夜まで一緒に待ってようか、ユキ。」
そう言って、横になった八幡が持ち上げた私を胸の上に置いてから撫で始めた。
む、今日こそは撫でには屈しなふにゃぁ…
ふみゃ…まさかずっと撫でてるなんて…、心地良すぎてふみゅぅ……。うにゃ!
「にゃぷっ!」(もうおわりっ!)
なんて、撫でている八幡の手に触れるか触れないかというくらいの甘噛みをして止めさせる。八幡に撫でられてると他の事を考えられないから危険だわ…。
「んぁ?あぁ、もう準備は終わったのか。教えてくれてありがとうな、ユキ。」
何処か疲れた様子の八幡はそう言いながら、私を撫でるのを辞めた。
そう、クリスマスの準備はもう終わっていた。テーブルの上には色々な料理が所狭しと並んでいる。特に目立つ物は真ん中に置いてある大きい焼いてある鳥…、確か七面鳥?だ。
お母さんは今はケーキの切り分けをしていて、小町ちゃんは椅子について目を輝かせてテーブルを見ている。お父さんもまた椅子についていて、何処か疲れた様子を見せている。
何故お父さんと八幡は疲れているのか。それはテーブルの近くに置いてある飾り付けられた木を見れば分かる。クリスマスツリーだ。私は初めて知ったのだけど、家によっては木をイルミネーション等で飾り付けた物をクリスマスツリーというらしい。
お父さんはそれ用の木とパーティで出す料理で足りない物を、朝から買いに出ていたのだ。それで帰ってきたお父さんとだらけていた八幡で木を設置して、ついさっきまで飾り付けをしていたのだ。だから二人とも疲れているのである。
「ケーキの切り分け終わりっと、ほらこのケーキを持っていけガキ二人ー。」
「あいさー!」
「えっ、俺はさっきまで働いてアッハイやります。」
二人がケーキを運んだら準備は全て終わりらしく、お母さんは椅子につく。
そして八幡と小町ちゃんがケーキを運び終わり、八幡が私を胸に抱いてから席についた。家族全員が座り言う。
「メリークリスマス!」
「メリークリスマス…。」
「メリークリスマス。」
「メリクリ。」
こうして食事が始まった。
特別なご飯なのは私とカマクラちゃんも変わりなく、カマクラちゃんは床に、私は八幡のすぐ横にお肉などが入ったご飯が置かれている。入っているものは猫が食べても問題無い物らしく、安心して食べてねとお母さんに言われた。また、食事後人と同じタイミングで猫用のケーキも出てくるらしい。
なんと言っても久しぶりのキャットフード以外の食べ物!キャットフードが悪いわけではないけども、それでも人間の私からしたらいささか物足りなかったのだ。
「にゃむにゃむにゃむにゃむ。」(おいしい、おいしい。)
「ユキちゃん、今までに無い勢いで食べてる…。」
「なんつーか…、凄いな。」
「しかも勢いはいいのに全く汚してないな…。」
「掃除の手間が省けて楽だわ。」
気づいたら全て食べ終わっていた。あれ?いつの間に…?でも美味しかったぁ。家ではもっと豪華な物を食べてたけど、この家で食べたほうが美味しく感じるのはなんでかしら?
八幡達もあらかた食べ終えていて、後はケーキだけのようだ。
「すごかったな、ユキ。話しかけても全く反応しなかったし。そんなに腹減ってたのか?」
うぅ…。そんなに夢中になって食べてたの…?恥ずかしい…。
「あ、後はケーキは今持ってくるってよ。」
「にゃっ!!」(ほんとっ!!)
「うおっ。そんなに食いたいのか?」
久しぶりの甘いものだぁー!!
「ほい二匹とも、お待ち遠様っと…?…何、どうしたの。八幡?」
「早く食いたいんじゃねぇの?多分」
「へぇ。はい。」
甘い!美味しい!もっと食べる!
「一心不乱…。」
「そんなに美味しいの…?」
うみゃうみゃうみゃうみゃ。
〜数分後〜
「にゃぷっ。」(けぷっ)
あっ、ゲップしちゃった。…でも美味しかったぁ。
「本当にずっと食べ続けてたな、ユキ。…どうだった?美味しかったか?」
どこか優しい声で八幡が話しかけてきた。八幡の雰囲気が少し変わったけれど、その言葉に対する私の返答はもちろん決まっている。
「にゃん!」(うん!美味しかった!)
「そう…か、あぁ…。…良かった、本当に。」
そう言って、八幡はとても優しく微笑んだ。
その優しい微笑みに私は少しの間見惚れた。だって本当に嬉しそうに、私の事を思って微笑んでくれているのがその顔から、その瞳から伝わってくるのだから。
……ずるいじゃない…。そんなに優しく微笑まれたらそんなの…そんなの…。
「こんな嬉しそうなユキを見れてさ、良かった。母ちゃんと父ちゃんに頼み込んた甲斐があったな。いつもよりも豪華にしてくれってさ。」
っ!八幡は、本当に…。
「ユキには言ってなかったから。改めて…メリークリスマス、ユキ。」
私の人生の中でクリスマスパーティなんてしたこと無かったけれど、そんなことは関係なく今日この日にあったクリスマスを……目の前で優しく微笑む八幡を、一生忘れることなんて無い、そう言い切れる。だってこんなにも…こんなにも心がぽかぽかと暖かいのだから。
そして私は貴方へ返答する。
「にゃん、にゃ。」(メリークリスマス、八幡。)