元飼い猫と元飼い主の青春ラブコメは間違っていない。 作:晃斗
なら寒い雪の日に人に見捨てられて助けられるのを想像してみろ。
堕ちたな。
ニ連投
目を覚ますと、一定のリズムで揺れているのを感じた。その歩き方にもどこか気遣いを感じる。まだ外にいるのか、時々雪が頭やヒゲに触れるが、それでもそれを補う程の暖かさを感じ、体の芯から温まっていくのがわかる。
私を拾ったのは誰かと、顔があると思われる方向に顔を向ける。
その人物の顔を見て、まず目を引かれるのが特徴的な腐った瞳である。その腐った瞳にはなんの感情も浮かんでいない。私が見たことが分かったのか、その瞳が私に向けられる。
私に向けられた瞳には、確かな心配と温かいと感じられる優しい感情が込められていた。普段の私であったら、不審者と断じて関わり合う事が無かっただろう。
しかし、現実には関わった。関わり合ってしまった。こうして関わった事で私の孤独が癒えていくのがわかる。ここまでの人生で培われた心の雪が溶かされていくのが分かる。
この腐った瞳が私の事を心から心配しているのが分かる。この暖かな瞳が、雪ノ下雪乃としてではなく、ただの私を見ているのが分かってしまう。
この優しい人に関わった私は、もうこの人を忘れることなど出来ないだろう。
だって、こんなにも暖かな瞳が、体温が私の全てを溶かしてしまっているのだから。
「目、覚ましたか。お前の事を必ず助けるとは言えない。でも何とかはしてやるから安心して寝てろ。伝わってるかは分からないがな。」
そんな優しい声が聞える。私の事を安心させるような…、いや、ようなではない。私の事を安心させる為に言ってくれているのだ。
そんな暖かさに包まれて、今回は心安らかに意識を落とした。
ーーーーーーーーーーーー◆ーーーーーーーー◆ーーーーーーーー◆ーーーーーーーー◆ーーーーーーーー◆ーーーーーーーー
俺こと
気持ち悪っ吐き気がしたわ。やっぱボッチが言うのはだめだな。小町に言ってもらいたい。
閑話休題(うっ吐き気が)
話を戻そう。肉まんとついでに買ったマッ缶を片手に、家に帰っていたのだが…。道の端に猫が丸まっていた。まるで何かを堪えているかのように。
無性に気になり近づいてみる。
近づくにつれて全貌があらわになってくる。容姿は綺麗な毛艶の黒猫だ。しかし、暫く動いてないのか雪が積もっていて白猫のようにも見える。
その黒猫のお腹らへんに少し血が滲んでいるのがわかる。血の滲み具合から、そこまで重症ではないと分かるが、動物は繊細であるため何が起こるか分からない。家に拾って帰りたいのだが、父ちゃんと母ちゃんはそういうことに厳しいのである。
「まぁ、俺が拾うんだ。なら土下座でも何でもして許可してもらおう。拾った責任があるんだ。」
そう呟いて俺は猫に近づいた。
口調おかしいかしら?