元飼い猫と元飼い主の青春ラブコメは間違っていない。 作:晃斗
メッチャ悩んだ。展開難しいんよ。
私の名前がユキに決まってから、少し時間が経った。
23時と、いつもの私ならとっくに寝ている時間であるとを自覚したら、途轍もない眠気が襲ってきた。
「ん…。首がカクカクしてら。すげぇ眠そうだな。」
「どう見ても仔猫だもん。子供はとっくに寝てる時間だよ?」
「それもそうか。…俺もそろそろ寝るわ。おやすみ。」
「そうか。おやすみ八幡。」
「おやすみ、遅くまで寝てるんじゃないわよ。」
「おやすみー。ってあれ?その子も連れて行くんだ。」
「おう。」
そんな会話をBGMに、私の意識は眠りに落ちた。
ふ、と目を覚ました。まだ凄く眠いのだが、何か視線を感じたからだ。
感じた視線の場所に目を向けると、はちまんがいた。
目の前にはちまんが居ると思ってもおらず、突然の事に少し思考を停止させていると、
「悪い、起こしちまったか。」
と、はちまんがそう小さな声で話かけてきた。
「ほら寝てろ。起こした俺が言う事じゃないけどな。」
彼はそう言うと、私の背中をぽんぽんと一定のリズムで叩く。
そんな言葉をかけられて背中を叩かれていると、自分が赤ちゃんみたいだなと恥ずかしくなるのと同時に、安心感が湧いてくる。
子供の頃には当たり前に与えられていた筈の、しかし今はけして向けられることの無い、無償の愛情。その愛情が私をとろとろに溶かしつくす。
今の私を昨日までの私が見れば、目を疑うだろう。助けてくれたとはいえ会ってから1日も経っていない男の腕の中で、こんなにもリラックスした状態で寝ようとしているのだ。
もう今にも眠ってしまいそうな夢見心地な気分で、それでも私は彼に言う。
「んにゃ…にゃふ。」(おやすみなさい…はちまん。)
そう言って、私は今度こそ眠りについた。
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「んにゃ…にゃふ。」
俺の言葉に返事をするようにユキはそう鳴き、また目を閉じた。俺はその姿を見ながら何でユキを拾おうと思ったのか、その理由を考えていた。
そしてすぐにその理由が分かった。
昔、父ちゃんと母ちゃんは仕事が忙しく小町に構っていられなかった時期があった。その時の俺は、今よりももっとガキで小町が我慢しているという事を分かってやれなかったのだ。
そして小町は家出した。突然の事でこの時は家出だとすぐには分からなかったが、そんなことは知らずに俺はすぐに小町が居そうな場所に行くことにした。幸い心当たりであった公園に一人、小町が居た。その時に小町が涙ぐみながら、なにかを我慢しているような顔をしていた。
その時の小町の様子とユキの雰囲気が何処か似ていたのだ。
だから俺はユキの事が気になって、拾ってしまったのだと思う。
だがユキを拾った事を後悔などしていない。だって俺の腕の中でこんなにも幸せそうに寝ているこの光景が、間違っているはずが無いのだから。
「おやすみ。ユキ…。」
そうユキに言って、俺は目を閉じた。
眠気が限界突破してる時って、周りがなにか言ってても全く耳に入らないよね。
小町云々のくだりは、俺ガイル二次創作でよく見るから原作にもあるのかと思って入れたけど、無かったら独自設定って事で。
ちなみに、この時点でゆきのんの好きなものは
八幡≧猫=パンダのパンさん
という風になってます。
一日でここまで好感度上げるってやばいよ八幡。