ここまでの話がPrologue投稿時に書き終えてた内容で、次話以降の話はまだ何も書いていませんのでいつになるかわかりませんが、興味を持ってくれた方は気長に待ってもらえると助かります。
「おはようございまーす!」
「あ、大河おはよう~」
珍しくミズキがパソコンとにらめっこしている。
千束とたきなはまだ来てないようだ。
「朝からそんな真面目な顔してどうしたんだー?」
「やかましいわ!...なんか護衛を依頼する妙な依頼が来ててねぇ...」
「護衛?リコリスのこと知っての依頼か?」
「どうやらそうみたいなのよねぇ。」
「宛名は?」
「“ウォールナット”って書いてあるけど──
「ウォールナット~~!?!?!?」
店中に俺の叫びが響き渡った。
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カランコロン
慌ただしい足音とともに千束が入ってきた。
時刻はすでに集合時間の30分オーバーだ。
「おまたせ~、千束が来ました~っ」
「千束~、遅刻だぞ~?」
「ごめんなさーい!あ!よしさん、いらっしゃ~い!」
カウンターに座ってた吉松さんを見つけると、談笑を始める。
こーゆー人懐っこさはさすがの看板娘だ。
吉松さんを見送ると、千束は荷物を広げて銃の準備を始める。
仕事内容の説明を始めるミカさん。
ちらっと横目に千束が持ってきた紙袋に目をやる。
あいつ、さては夜中まで映画見て寝坊したな...?
大事な仕事を前にして気分を落ち込ませたくないので説教は後にしてやる。
そんなこんな考えているうちに説明と準備を終えたようで千束が立ち上がる。
「ま、いつも通りやっていつも通り無事に帰ってこい」
了解、そう答えて千束はたきなと出て行った。
「...さて、俺らもそろそろ店片づけて準備しますかぁ」
「そうだな、手配した救急車も取りにいかないとだしな。」
「自分で提案しておいてなんだけど、千束は拗ねそうだなぁ、、、」
「私も賛同してその作戦で詰めていったのだから同罪だよ。その時は和菓子でも作って許してもらうさ。」
ミカさんと立てた作戦を思い返し、心の中の千束に手を合わせた。すまん、と。
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「失敗です、護衛対象は死亡です。」
インカムからたきなの報告を受けて待機命令を出す。
後は2人共々、ウォールナットを回収して任務完了だ。
・・・あ、いや3人か。
ふぅ...と一つ息を吐く。
「任務完了だな、ミズキも無事だと連絡が来た。」
「ウォールナットが大金はたいてくれたおかげでミズキもやる気満々で助かりましたね」
囮役は俺がやってもよかったのだが、ミズキが引き受けてくれるならその方が俺も指揮を執ったり、
不測の事態にサポートしに動けたりと作戦の安定感が段違いなので今回は頼んだのだが、うまくいってよかった。
「あとは彼らを回収して終わりだな」
「現場離れるまでは一応ネタばらしは禁止ですよ、かわいそうになって勝手にばらさないでくださいねミカさん?」
「はは、その言葉そっくりそのまま返すよ。」
お互い可愛い看板娘たちに甘いのは今に越したことじゃないか...
「では後はよろしくお願いします。押し入れの中は空けておいたのでウォールナットには適当に使っていいと伝えといてください。」
了解だ。と言うミカさんの返事が聞き、通信を切る。
死亡偽装後、今後の見通しが立つまで匿ってほしいと頼まれ、思いついたのがこの和室の押し入れだ。
俺や千束のセーフハウスという手もあったが、
下手に空けていることも狙われることも多い場所よりリコリコに置いとくのが一番安全だと思い、
その中で邪魔にならなそうな場所がここだ。
某国民的アニメを思い浮かべなかったと言えば嘘になるが...
まぁハッカーにはお似合いだろう。
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カランコロン
「おはようございまーす」
「あ!大河!!なんで言ってくなかったの!!」
開口一番、案の定ブーブーと口を尖らせる千束が待ち構えていた。
「悪かったって、作戦成功率を上げるためなんだから...」
「あんた芝居下手だし~、むしろたきなと一緒に自然なリアクションしてもらった方がいいじゃない?」
そう言いながらミズキが顔面をぐしゃぐしゃにして泣く千束の写真を見せびらかす。
「ぷっ、これは名芝居だなぁ」
ミズキのスマホを取り上げようと掴みかかる千束に若干の同情をしつつも、想像の数倍号泣してる千束に思わず笑ってしまう。
リコリスでありながら人1人死んでここまで泣くのは後にも先にもこいつだけだろう。
まぁそれが千束の美徳でもあるんだけど。
そんなこんなで騒いでいるとずっと黙っていたたきなが口を開く。
「命大事にって方針、無理がありませんか。
あの時、きちんと二人で動いていれば、今回のような結果にはならなかったはずです。」
「でも~、そうすれば私が困ってたのよねぇ」
「目の前で人が死ぬのをほっておけないでしょう~」
「私たちリコリスは殺人が許可されています!敵の心配なんて...」
パンっと千束が手を叩いてたきなの言葉を止める。
「あの人たちも今回は敵だっただけだよ、誰も死ななかったのなら良かった良かった~」
「──そういう話じゃ、ないと思います。」
終わりの見えない言い合いに終止符を打つようにミカさんがお団子を用意してくれた。
たきながここにきて1か月経ったけど、馴染むにはもう少しかかりそうだ。
まぁその辺は千束が上手くやってくれるだろう。
人と馴染むのに千束ほどの適任はいないんだから。
座布団出して~と言いながら座敷に入ってく千束とたきな。
あ、見つかったな、、、
千束の声が騒がしくなった。
カランコロン
「あ、いらっしゃいませ~吉松さん。
千束~よしさん来たよ~」
千束が顔を出して一言二言話して戻っていく。
ではごゆっくり~とミカさんと会話を続けるよしさんに一声かけて俺も座敷に入る。
ウォールナットには俺も話したいことがあるしね...
中に入るとたきながウォールナットにヘアゴムをぶち当ててた。
ペシッとたきなの頭をチョップする。
「こら、危ないでしょ」
「す、すみません」
驚いた表情のたきな、さては千束の銃除けに気づいたな。
さすがはセカンドリコリスだ。
でも、今はそんなことより...
「よぉ、久しぶりだなぁウォールナット。
ああ、ここではクルミだったっけ」
千束とたきなの視線が一気に向けられた。
せっかくだし2人にも聞いてもらおう、俺とウォールナ…クルミとの関係を。
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